人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

書籍刊行のお知らせ

宣伝が遅れましたが,先月1月中旬に編著本が刊行されました。

 

タイトルは『心のなかはどうなっているの?〜高校生の「なぜ」に答える心理学〜』ということで,日本青年心理学会の常任理事(当時)のメンバーを中心に(若松先生@和歌山大学を筆頭に),多くの会員の先生方にも執筆いただいて,福村出版より刊行の運びとなりました。

 

www.fukumura.co.jp

 

私も常任理事の1人として編者に加わらせていただき,「第7章 学校と勉強の意味と役割」と「第16章 学校って塾と通信教育でもいいよね?――学校生活と社会性の心理学」も執筆しています。

 

主な読者層を高校生に置いているということで,心理学の入門的な読み物としても分かりやすくまとまっていると思います。それぞれ高校生が抱くであろうモヤモヤを疑問形の形で表し,それに答えるという構成になっているので,個人的には探究活動の教材としても使えるんじゃないかなと思っています。

 

なので,生徒の心理を理解したい高校の先生方はもちろん,子どもの心を理解したい親御さんにも手にとってもらえると嬉しいです。欲を言えば,高大接続や初年次教育,大学教育の目線からも,入学してくる高校生の心理を把握しておくことは有益かと思いますので,大学の教職員の方々にもお届けしたいです。

 

と,宣伝でした。

つよしずしのみんなと

今日は午後から「関大生の学びと成長加速プラットフォーム」の地域活性化ユニット「つよしずし」のメンバーと一緒でした。

 

八尾市政策企画部広報・公民連携課からの依頼で始まった活動もはや7ヶ月。4回生2人と3回生3人の計5人でこの間一生懸命取り組んできました。専攻や学年も異なる中で,またそれぞれが就職活動やアルバイト,ゼミ,卒業論文等色んなことを抱えている中で,単位にも卒業要件にも関わらない活動に本当に一生懸命取り組んできました。グループLINEでは昼夜問わずひっきりなしにやり取りがなされ,ほぼ毎週僕の研究室で集まって作業をし,八尾市や地域連携センターの職員さんらとはDiscordを使って情報共有やフィードバックをもらって,軌道修正しながらこの間進めてきました。

 

12月からは実際に現地(八尾市の大型商業施設「アリオ八尾」の八尾市情報発信コーナー)で「健康大作戦!」と称したイベントを2月までの3ヶ月にわたって実施しています。3週間に1度,施設内にある情報も手がかりに問題を出して,そのキーワードを集めて1つのワードを完成させるというものです。

 

今日は,第3弾となる問題の張り出しに行くということで,僕も現地に行ってきました。八尾市の職員さんも可能な限り張り出しの際には顔を出すようにしてくれていました。

 

こういう場所ってなかなか活性化していないですよね。チラシを置いて,ポスター貼って終わり,常駐スタッフもいなければ,ほとんど人は訪れない,そんな場所で何が出来る?という難しさの中で,学生たちなりに精一杯思いを込めて活動を進めてくれました。みんなで力を合わせて,本当に1つのチームになって,最高の仲間になっていってくれたことが何より嬉しいです。

 

 

この活動だけでも大変なのに,地域連携センター主催の奨励賞プレゼンテーション審査会に出場したり,先日は吹田市関西大学連携推進協議会でも報告を行いました。吹田市の副市長や本学専務ら重役がずらりと揃う中でも見事なプレゼンを行い,「これまでで一番良かった」などたくさんのお褒めの言葉をいただいたと伺っています。

 

他にも,メンバーの何人かは新聞で写真付きで取材記事が掲載されたり,つい先日,既に第一希望の企業に内定をもらった学生もいたりと,結局,こういう子たちってちゃんと決まるんですよね。

 

また,つよしずしのリーダーのなっつが来週から半年間留学に行くということで,一旦今日でキリを付けるということになりました。ということで,たくさんサポートしてくれた地域連携センターの職員さんとも合流して,なっつの送り出し会を行いました。

 

なっつ,ここまでありがとうね。留学,めいっぱい楽しんで。帰国後,一段と成長した姿を見せに来てね。

 

改めて,みんなとゆっくり話が出来て本当に楽しい時間でした。みんながこのプロジェクト(ユニット活動)を通じて大きく成長したこと,卒業後も付き合っていける仲間と出会えたこと(僕も含め),本当に嬉しい限りです。

 

八尾市とのプロジェクトは2月末で一旦区切りを迎えます。その後,「つよしずし」をどうしていきたいか。学生の気持ちや考えを第一に決めていければと思います。

 

 

コワーキングスペースもいいね

今日は今日とて朝から原稿執筆。朝起きるのが辛いのと、家の書斎やとギアが入るのに時間がかかるのと、なかなか書きづらい原稿なので、今日も外に出ることに。

 

とは言え、2日続けてホテルのデイユースはさすがにお金もかかるしねということで、今日はコワーキングスペースを選択しました。

 

僕が住む北摂エリアではあんまり見当たらなかったので、江坂駅近くにある「3DROPS」(https://3sundrops.com/)というところに行ってきました。とは言え、車で15分くらいなので、全然射程圏内。

 

店内もキレイやったし、デスクもゆったり。各デスクには電源もあるし、WiFiも使える。フリードリンクもあって、2時間550円。プラス1時間ごとに110円で、朝から晩まで居ても上限は1,200円と、何とも魅力的。

 

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書き出すと早いのだけど、なかなか最初の一手が出にくい私。背中を押してもらいたい時は、それこそ院生の頃から自宅や研究室とは違う環境に移動して書いていました。お金がない院生の頃なんかは、ファーストフード店や環状線を一周しながらPCのバッテリーが切れるまで書いたり、地方大学のときはおしゃれだけど混んでいないカフェが多かったのでゆっくり書いたりしてました(今思えばすごく良い環境でした)。都会だとカフェとかは席幅も狭くてデスクも小さいし、基本混んでるのでどうしようかなーと悩んでいたのですが、昨日・今日と発見したホテルのデイユース(場合によっては宿泊も)やコワーキングスペースはぜひ活用していきたいと思います。

 

おすすめのところなどあれば、教えてもらえたら嬉しいです!

デイユースという選択

12月中旬からの体調不良と年始のコンタクト騒動で、相当パフォーマンスが低下してしまい、色々と滞ってしまいました。

 

そんな中、今日は18時から検査と届いたテストレンズのチェックのため、いま天王寺の眼科に来ています。。

 

しかし、何とかリズムを変えたい、締切の原稿も書かなきゃいけないということで、昨晩急遽、新大阪のホテルをデイユースという形で予約して、午前中から集中して原稿を書いてきました。

 

これは相当良かったです。

 

今回トライしたのは、アパホテル新大阪駅前なのですが、11時~17時まで最大6時間で4,000円。真横に駐車場もあるし(上限1,300円)、15時からは大浴場(人工温泉)も利用出来るので、チェックアウト前にちょこっと入ってきました。

 

部屋もキレイやし、原稿を書くために必要なデスクもゆったり。空調も良い感じやし(結構重要)、壁付の大型モニターはスマホミラーリング出来るので、お気にのSpotifyのプレイリストを流しつつ。せっかくやから浴衣に着替えて原稿執筆。

 

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咳喘息が完治してなくてまだ咳も出ちゃうので、公衆のカフェとかのような場所だと気を遣ってしまうし、都会のカフェとか人がギチギチなのでもって2時間くらいだし。PCのバッテリーも気にしなくていいし。その意味でもホテルはいい。

 

11時にチェックインする時には結構利用客もいてビックリ。コロナ禍で普及したホテルのデイユース、これは大いに「あり」ですね。

 

今年はこういう選択肢も活用しながら、自分なりのワーキングスタイルを再構築しようと思います。

切り替えていきまっしょい

昨日はなかなか不穏なスタートを綴りましたが、凹んでばかりもいられない。

 

ということで、昨年に引き続き、京都にある晴明神社に初詣に行ってきました。

 

御神木からしっかりパワーをもらいました。

 

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まぢな話、神社に入ってしばらくすると、突然背中(右側の肩甲骨あたり)が引っ張られるような痛みが出て、しばらくすると左側に移って、どうしよう!?ってなって、御神木に抱きついて、背中当てたら痛みがなくなったんです。なんか憑いてたんじゃないかなって。

 

おみくじは見事に「大吉」でした!

 

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《健康》生活習慣の見直しを

《勉強》先を見て計画を立てよ

《仕事》意見交換で良き案が出る

《勝負》迷った時は引け

《願事》初め思わしからず時がたてば叶う

 

こんな結果でした。

前に突っ込むだけではなく、慌てず冷静に、様々な人と意見交換しながら計画的に物事を進める。その基盤として、あまりにも不規則な生活習慣を整える。

 

肝に銘じつつ、「自分の心が動くかどうか」を大切に良き1年にしたいと思います。

トホホな年始

昨年はお世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

喪中のため、新年のご挨拶は控えさせていただきます。12月中旬から体調を崩していることもあり、喪中のハガキを出し損ねてしまいました。年賀状を送って下さった方、申し訳ありません。

 

今日は午後から眼科に行ってました。

 

晦日コンタクトレンズを紛失したことを、元日の朝装着しようとした際に気づきました。これはヤバい。青ざめました。というのも、紛失したのは右眼のコンタクトなのですが、僕の右眼は円錐角膜という病気があって、特殊なハードレンズなのです。角膜が円錐状に飛び出てくるというもので、角膜の形状に沿うソフトレンズや、角膜と距離のあるメガネなどでは矯正出来ないのです。だからこのハードレンズだけが唯一の視力矯正かつ治療のツールなのです。もう片方の眼は幸い円錐角膜の症状は出ていないので、通常のハードレンズです。

 

元日起きてから、とにかく出来るだけ早く開いている眼科を探すも、当然元日は壊滅的、2日からというのもほぼゼロに近く、大半は4日から、もしくは6日からという感じです。それは仕方ないことです。辛うじて2日から開いているところがあったものの、Web予約は既にいっぱい。元日は電話出来ないので、今日の朝からひたすら電話。1つ目は円錐角膜の対応はできかねると回答。もう1つにかけるしかない気持ちで開店時間と同時に電話。なんとか繋がり予約じゃない場合かなり待つことになりますが、と言われるも、背に腹はかえられないので了解。よし!今日中に診てもらえると内心ホッとしたのも束の間。処方箋を出せたとしても、コンタクトレンズ屋さんには通常円錐角膜用のレンズは置いていないので受注生産になります。そして、メーカーが休業中は対応出来ません、と伝えられる。なるほど、そうか。処方箋さえ出してもらえればコンタクト屋さんは割と開いてるし、とタカをくくっていた僕が軽率でした。とにかく、それでも診察のチャンスは掴んでおきたいということで、片眼では車に乗れないので公共交通機関天王寺へ。咳喘息がまだ続いてるので、道中咳をしないように我慢するのがめちゃくちゃしんどかった。

 

1時間以上かけて天王寺mioへ。街は新年の賑やかさがある中、咳を我慢して、眼が不自由な自分がとても切なく、泣きそうでした。

 

1時間ちょっと待って診察タイム。最初、テストレンズもメーカーに発注になるので、検査も出来ないと言われ、そして、メーカーの休みが明けて、テストレンズを発注して、それが届いてから検査をして、その後正式なレンズを発注することになるので、1月中旬から下旬になるかもと言われ、目の前が真っ白になりました。頭を抱えて、え、それまでこの状態、無理です、何とか何とかならないでしょうかと懇願する私。最初は、お気の毒ですが…という感じだったのですが、僕があまりにも絶望と懇願をするので、検査してくれはる方々がみんなで知恵を絞ってくれました。

 

そこで、2ウィークのソフトレンズを試してみてはどうかと。通常、円錐角膜ならアウトだけど、ワンチャン試してみるかと。結果、少しマシになりました。とりあえず、車に乗れて、PCでの作業が出来て、日常生活が送れそうという状態にはなりました。ひとまずこれでだましだまし本体が仕上がるまで過ごすことは出来そうです。粘り強く対応してくれて本当に感謝です。

 

終了後、特に買い物をするでもなくそそくさと帰宅し、それでも計5時間を要しました。改めて、こういう特殊な病気があったりすると、いざという時本当に大変やなぁと痛感しました。

 

最後に、こんな年末年始のせいもあってか、今朝見た初夢は、地獄のように怖い夢でした。昔からゾンビ系の夢はよく見るのですが(大量のゾンビから逃げつつ倒す的な)、今日は心霊現象的な怖さも重なって、朝4時44分に目が覚めてからしばらく心臓のバクバクが止まりませんでした。

 

本当は、2023年に入って速攻原稿を書き出す「書き初め」をしようと思っていたのに、全くそれどころではないスタートになってしまいました。

 

スタートダッシュで思いっきり転んでしまいましたが、何とか体と気持ちを建て直して、出来るだけ早くリスタートを切りたいと思います。

 

みなさまもくれぐれも身体には気をつけて、良い1年になりますように。

2022年を振り返る〜年内最後のご挨拶〜

いよいよ2022年も終わりますね。大学の業務スパンでいくと年度単位なので,まだ3ヶ月残っている感覚ではありますが,1つの区切りではあるので,少しだけ振り返っておこうかなと思います。

 

2022年も依然コロナ禍にはあるものの,対面の機会も増えてきて,新入生を見ていると随分とキャンパスライフを楽しめるようになってきたかなと感じます。業務面では,本当に忙しい1年でした。毎年忙しいと呟いている気もしますが,やっぱりコロナ禍のおかげ(せい)で,オンラインというツールが手に入ったため,今までだったら無理だった学外業務が平日の夜や土日にもガンガン入ってくることになったので,物理的な時間は明らかに増えました。その分,楽になった部分もあるし,こなせる量も大幅に増えたので,業務のマネジメントは来年の大きな課題です。

 

9月末で関大に異動して2年が経ちました。着任以降がむしゃらに走り続けていますが,今年もそんな感じでやれています。様々な部署や部局から声をかけいただき,大変ですが,教職協働のもと楽しく自分らしく業務を遂行出来ていることに有り難みを感じています。教学IRとFD(マクロ・ミドル・ミクロ)を中心に,全学の教育改革や共通教養改革,認証評価,入試広報や学生支援,地域連携に至るまで,濃淡の差こそあれ,広範な領域に携わることが出来ています。大学(組織)は複雑系システムであり,部分最適解ではなく全体最適解の視点からアプローチすることが重要だと思っています。が,現実的にはどうしても自分の所属部署・部局に閉じがちで,空気が滞留してしまいがちです。私のような全学部署の果たす役割は,組織間の風通しを良くして,大学全体として学生の学びと成長を促す組織へと変容するのをサポートすることだと認識しています。そのためには,徹底的に組織のことを知り抜かないといけないと思っているので,ありとあらゆる部署・部局と繋がり,情報収集することは不可欠です。そうした繋がりを作っていく際にデータ(共通言語)は重要です。教学IRでは「徹底的に学生を知りぬくこと」を最重要視しています。学生がどう学び,成長しているのかを多角的に検証し,それを様々な部署・部局のニーズに応じてローカライズし共有する。このことを通じてより深く学生を,より深くその組織を理解し,先方との信頼関係を構築していく。部局との信頼関係構築は容易ではなく,正直思い通りに行っているとは言えないところもあります。ただ,そこから目を背けず,時間をかけて粘り強く誠実に向き合っていくことが不可欠です。実際,緊張感のあるやり取りもそれなりにあって,心が折れそうになる瞬間もありますが,「全ては学生のため」という思いでやっています。今後もこの方針で挑戦し続けようと思います。

 

こうした教職員との協働を通じた学生の学びと成長の促進(間接的な関与)の実現に加えて,より直接的に学生の学びと成長を促すための機会は作れないか,作りたいという想いを形にした年でもありました。授業は常に一球入魂の精神でやっていますが,授業を通じて知り合った学生たちが,授業を終えても「もっと学びたい,成長したい」といった声を聞かせてくれます。「ゼミはないんですか?」と聞かれることも多いのですが,残念ながら僕の職務上それは叶いません。確かに単位にもならないし,卒業要件にも関わらないけど,それでもやりたいと言ってくれる学生たちがいたことに背中を押されて,「関大生の学びと成長加速プラットフォーム(http://yamatuyo.com/education.html)」を立ち上げました。詳細については,当該ページに記載していますが,いわゆる非公式ゼミの形で,現在3ユニットが動いています。就職とか単位とか外的な動機ではなく,この仲間たちと一緒に学び成長したい(サポートしたい)といった内的なモチベーションで活動してくれていて,本当に嬉しい限りです。学部や学年が違う学生たちが,自分のため・他者のために活動する中でお互いの価値観を認め合い,卒業後も繋がっていく,そんな関係性が出来上がっています。来年も新たなユニットの発足も期待しつつ,より活性化していきたいと思います。

 

また,授業中・授業後(すぐ〜数年後)に学生から個別の相談依頼を受けることが多く,ほぼ毎週誰かの話を聴くような感じでした。学部・学年・性別問わず来ているのですが,僕のスケジュール調整が追いつかないので,上記プラットフォームの一機能として,「関大生のための「よろず相談所」」を開設しました。内容は多岐にわたっています。進路選択,学生生活,自分のこと(家族のこと)など。高年次になればゼミの指導教員もいるでしょうし,キャリアセンターや学生相談・支援センターもあります。そうした機会は大いに利用したらいいと思いますが,そこだけでは足りていないんじゃないか。そう思わせられるほど,学生からの相談依頼があるので,僕は僕なりに学生の声に耳を傾ける学内リソースの1つ(大人の1人)として開設した次第です。これは,私の業務や教育,研究にも大きく関係するので,ぜひ活用してもらえればと思います。

 

授業について,主に初年次を対象にしていたPBL型授業(プロジェクト学習1・2)も2023年度からの共通教養改革でリニューアルして,2年次以上向けの「プロジェクト学習2」を新設します(現行のプロジェクト学習2は「サービス・ラーニング」へ改称)。僕自身も2科目(「リーダーシップを開花する」「未来の大学を創造する」)を立ち上げるので,正課を通じてもより学生の学びと成長の促進機能を高めたいと思います。

 

最後に,2022年,プライベートでは9月に父親が亡くなりました。7月に緊急入院してから亡くなるまで(その後の対応含め)の間は,本当に大変でした。夏の時期は講演・研修・学会等も多く,この期間の記憶があんまりありません。歳も歳なので(先日45になりました),こうしたライフイベントは想定しておかないといけないな,何より自分も身体のことちゃんと考えとかないといけないなと痛感しました。健康あっての仕事なので,優先順位を誤らないようにしたいと思います。といいつつ,12月中旬から体調を崩して,完治することなく年を越しそうな雰囲気ですが,来年は健康にも十分気をつけていきたいです。

 

今年1年,大変お世話になりました。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

みなさま良いお年を!

 

2022年12月30日

山田剛史

大学コンソーシアム京都FDフォラーム開催のお知らせ

もう1つご紹介をば。大学コンソーシアム京都主催の第28回FDフォーラムです。今年のテーマは「多様な学びの支援に求められる挑戦と選択」とのことです。

 

詳細は以下の通りです。

www.consortium.or.jp

 

全国数多ある大学コンソーシアムの中で最も大きく,様々な活動を精力に行っているのが京都コンソですね。僕も前任校(京大)の時は,何年も当該フォーラムの委員を務めさせてもらっていました。京都府下の大学の職員さんが出向して運営の主軸を担っていて,職員同士の交流はもちろん,そこで得た情報やノウハウを本務校に戻って活かすなど,様々な波及効果が期待されますね。

 

今回私は分科会にご招待いただきました。第9分科会「学生が過ごしたコロナ禍の大学生活」(2月24日,14時〜17時30分)です(詳細は以下)。

https://www.consortium.or.jp/wp-content/uploads/page/51/session_09.pdf

 

企画は中西勝彦くん(京都文教大学)。うむ,元指導学生ですな。僕はM1からM2の9月末までという中途半端な時期に異動したので,申し訳ないことをしたけど,無事に現職に就いてキャリア教育等の推進に携わっています。嬉しいことです。そんな中西くんからのお声がけなので,「Yes」「はい」「喜んで」の3択しかないですよね。

 

また,同じ登壇者には,僕の後を引き継いで指導してくれた佐藤万知さん(京都大学)ということで,身内感がすごいですが,大事なテーマだと思うので,楽しくやりたいなと思います。

 

他の分科会はほぼ全て「オンラインのみ」ですが,この分科会は「ハイフレックス型」とのこと。対面では講演+ワークショップ,遠隔では講演のみという形態になるようです。

 

申込みはまだ始まっていませんが(加盟校1/5〜,非加盟校1/12〜),ご興味がありましたら,この分科会でも,他のプログラムでもぜひどうぞ!

東山中高主体的な学び実践研究フォーラム開催のお知らせ

もう1つは,主に中学・高等学校メインですが,私が教育顧問を務めている東山中学高等学校主催の「主体的な学び実践研究フォーラム2022」です。

 

2016年度から毎年実施しているフォーラムで,今回7回目となります(名称は昨年から変わりました)。コロナ禍にあってもフルオンラインに切り替えつつ,毎年欠かさず実施しています。しかも,講演等一方的に話を聞くだけではなく,授業見学や先生方同士のディスカッションなど,双方向性を担保しつつ東山らしく展開しています。

 

今年のテーマは「「深い学び」に迫る!~未来を切り拓く授業の実現に向けて~」です。「深い学び」をメインテーマに据えて,私からの基調講演,東山中高の実践報告や授業研究ワークショップで構成しています。授業実践は予め録画・編集した動画を事前に視聴していただき,当日はその授業を踏まえつつワークショップを行います。

 

東山中高では「深い学び」をある種封印してきました(もちろん,先生方に「深い学び」をやらないでといった指示を出しているわけではありませんが)。というのも,現在求められている「主体的・対話的で深い学び」において,深い学びは実践的にも評価的にも最も難しく,その実現の前提には「主体的学び」が不可欠だからです。学校全体が主体的な学びを推進できる状況にない中で,深い学びをいくら求めても,一部の生徒以外はおそらく難しいでしょう。東山では学校全体をあげた教育改革・改善を7年継続してきました。決してトップダウンにならないよう,かといってボトムアップに委ねるでもなく,教員の主体的・対話的で深い学びの風土を培ってきました。そろそろ「深い学び」に踏み込んで良いだろうという判断です。参加される方々と一緒に学び合えれば幸いです。

 

フォーラムの詳細は以下の通りです。ぜひご参加下さい!

 

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【日時】2023年2月4日(土)13:30-17:00

【開催形態】Zoomによるオンライン(事前オンデマンド視聴あり)

【プログラム】

1.開会あいさつ・趣旨説明(13:30~13:40)
2.東山中高実践報告(13:40~14:15)
  ・実践報告1
   数学科 澤田寛成
   「教育IRを柱にした組織的展開」
  ・実践報告2
   英語科 中村憲幸
   「私の授業ビフォーアフター
  ・実践報告3
   河田光博氏(京都府立医科大学名誉教授)
   「学びの探究ゼミ~ヒトの科学ゼミナール~」
3.基調講演(14:15~14:50)
  山田剛史氏(関西大学教育推進部教授)
   「主体的な学びを駆動力に「深い学び」を実践する」
4.授業研究ワークショップ(15:00~16:50)
  ・授業研究1
   英語科 中村憲幸(中学3年)・村上太一(高校2年)
  ・授業研究2
   数学科 玉井克樹(高校1年)
  ・授業研究3
   社会科 森賢太郎(中学2年/歴史)・眞鍋慧帆(高校1年/地理)
  ・授業研究4
   国語科 野々村拓真(高校2年)
  ・授業研究5
   情報科 高畑祐輔(高校2年)
5.閉会挨拶(16:50~17:00)

【申込締切日】令和5年1月31日(火)

【定員】100名

【申込】次のURL (Googleフォーム)よりお申し込み下さい。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScV73MsVilir-FIXARLDYnxiTFpR-9P2l3JAPh-pXnS_BFNDw/viewform?usp=sf_link

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よろしくお願いします!

関大教学IRフォーラム開催のお知らせ

年も明けると一気に年度末まで突っ走る感じですが,いくつかイベントを控えているので,1つずつ紹介したいと思います。

 

1つ目は,「2022年度関西大学教学IRフォーラム」の開催です。既に大学のHPやML等でも紹介させていただいているところですが,改めてお伝え&お誘いさせてもらいます。

 

フォーラムの概要(申込みフォーム)は以下の通りです。

https://www.kansai-u.ac.jp/ir/archives/2022/12/20232182022ir.html

 

〈日時〉2023年2月18日(土)13:00-17:00(+情報交換会〜18:15)

〈場所〉関西大学梅田キャンパス8階(受付は7階)

〈開催形態〉対面のみ(オンラインではないのでお間違えなく)

 

私が所属する教育推進部はいくつかの柱で構成されているのですが,その1つが「教学IRプロジェクト」です。プロジェクトといっても,内部規定等がきっちり定められている定常的な組織で,実行部隊は少数ですが,大学執行部や多くの教職員がプロジェクトメンバーやワーキングメンバーとして参画しています。その中で,私のメインワークの1つがこの教学IRプロジェクトの推進で,最も多くの時間を割いています。外には見えにくい(見せられない)部分も多いのですが,教学IRを通じていかに教学マネジメントを実質化させられるか,そのために何が出来るかを日々データを睨みながら,職員のみなさんとディスカッションしています。

 

その中で,今年のフォーラムのテーマは「教学マネジメントをいかに実質化させるかー測定・可視化からその先へー」と設定しました。教学IRの中では,直接評価や間接評価など各種アセスメントを通じた測定に係る議論が盛んに行われてきました(現在も)。いかに信頼に足るデータを収集・分析するか。もちろん,大事なテーマではあります。また,最近では,BIツールの発達やDX推進の流れもあり,データウェアハウスやダッシュボードの構築などデータの可視化に関する議論も盛んです。これも,心理統計学的な測定・分析とは趣を異にし,いかに膨大なデータを簡潔かつ明瞭に見える可するかを追求するもので,意思決定権者である大学執行部等にとって効果的なアプローチだと痛感しています。

 

本学のIRでもその両者を慎重に議論しながら進めているところですが,最も重要で多くの時間・力を注いでいるのは,そこからいかにして持続的で効果的な教育改革・改善に結びつけていくか,そして,学生の学びと成長に繋げていくか,というところです。詳しくは,私とキーパーソンの職員の川瀬さんと事例報告でお話させていただきます。

 

キレイな調査項目を設定すること,精緻な分析をすること,美しいダッシュボードを構築すること,それ自体は目的のための手段であって,それ自体の是非は常に目的達成との関係の中でなされるべきなわけですが,ややもすると,手段が目的化してしまう,あるいは,目的への達成は別の人達の仕事で,そこはIR部署は関係ありませんとなってしまう,結果,IR活動は組織内の教学マネジメントの実質化に寄与できないというシナリオも想定されます。

 

今は流行りのIRですが,ここをちゃんと見据えた議論をしておかないと,いずれは形骸化してしまう,そんな危機感すら覚えます。そこをきちんと問題意識を共有しつつ,先に進めたい。そんな思いで今回のフォーラムを企画しました。

 

そして,この問題を解決する糸口の1つは組織論の視点だと思っています。そこで,大学組織経営論がご専門で,かつ,自身が管理職(理事長)を担っておられる吉武博通先生に講演をお願いしました。しっかり組織論の視点から教学マネジメントの実質化に資する知見を得たいという意図です。また,多くの大学にとって主要事項の1つである認証評価もこのテーマにおいては外せない。そこで,大学基準協会の工藤潤先生にも講演をお願いしました。認証評価という枠組みを各大学がどう解釈し,位置づけ,戦略的に活用するか,その勘所を掴んでおくことは,これから第4期に入っていって,より「アリバイ的な対応」が難しくなる中で重要なことだと感じています。そんなお二人の講演を肴に,参加者同士,登壇者同士の議論を交えて,一緒に考える時間にしたいと思います。

 

と,簡単に書くつもりが,既に趣旨説明を済ましてしまった感じですが,こんな経緯から今回のフォーラムを企画した次第です。

 

このご時世に対面のみ!?というお気持ちもあるかもしれませんが,参加者同士の交流も含めてしっかり「対話」したいという考えですので,ご容赦下さい。

 

ぜひご参加下さい。また,ご興味がありそうな方へも周知いただければ幸いです。

 

よろしくお願いします!

日本アカデミック・アドバイジング協会研修会を終えて

学会大会の翌週末(12/17)には,日本アカデミック・アドバイジング協会の2022年度第2回研修会が開催されました。

 

今回は対面開催です。協会設立以来,初めての対面開催でした。大阪梅田のアプローズタワー貸会議室で行いました。会場探しはなかなか難航しましたが,良い会場でした。

 

今回は研修担当理事を筆頭に研修委員のみなさんが企画から当日の進行まで担当して下さる形だったので,一参加者として楽しく参加することが出来ました。関係のみなさま,おつかれさまでした。

 

全国色んなところから来てくれて,アドバイジングに関する組織連携を大テーマに,授業・学習支援,学生相談・カウンセリング,キャリア,事務手続き部署,障がい学生支援・合理的配慮の小テーマに分かれて,模造紙を使ったワークショップを行いました。僕は,最も関心のある障がい学生支援・合理的配慮のグループに参加しました。

 

 

やっぱり対面で得られる情報量(言語情報+共感や共鳴等の非言語情報)は非常に多く,もっと話したい,またこの人と話したいっていう気持ちが喚起されますね。

 

終了後は,東通商店街に移動して情報交換会。

これを期待して来られた方も多く,大いに盛り上がりました♪

 

めちゃくちゃ楽しかった!(が,調子に乗りすぎて,その後大いに体調を崩すことに・・・)

日本青年心理学会第30回大会を終えて〜オンライン大会の工夫〜

前回のブログから気づけば2ヶ月以上経ってしまい,気づけば2022年も終わろうとしていました。ビックリ。少しだけ備忘録的に書き留めておこうと思います。

 

何と言っても,今月12月10日(土)・11日(日)に開催された日本青年心理学会第30回大会が無事に終わったのはおっきかったです。準備委員として,大会全体の運営に携わりました。準備委員は私を含めて教員5名(1名は非会員)。外部委託も一切しない中で,この5名でフルスペックのオンライン大会を企画・実施・運営したわけですが,本当に大変でした。もちろん,委員長の先生が最も負荷が高く,だいぶ体調も崩し気味だったようです。本当におつかれさまでした。

 

私はというと,昨年までは大会担当の常任理事として2回のオンライン大会を補佐してきたこと,他の学会実行委員や本務校,学外フォーラム等で散々オンラインイベントの運営等に関わってきたこともあり,オンライン大会全体の設計・運営を中心に担う役割となりました。

 

それでも今回は大変でした。この学会でもオンライン開催は3回目ということもあり,また,記念すべき30回大会ということもあり,色んな「こんなことできたらいいな」を詰め込んだ大会となりました。外注してお金をかければいくらでも出来るとは思いますが,「ほんとに5人でここまでやります?」って委員会でも何度か言いました。例年以上に発表数が多かったことも嬉しい誤算(悲鳴)でした。もう来年は対面に戻るだろうな,最後のオンラインでの大会になるのかなと思うので,記録に残しておきます。

 

大会当日はZoomを用いたフルオンラインで行いました。ショート(45分)とロング(60分)の自由研究発表と各種シンポジウム(国際・研究・準備委員会企画,自主企画)が基本で,後は名誉会員挨拶と総会,情報交換会を組み込んだ丸2日のパッケージです。

 

〈工夫1〉オンデマンド配信対応

同時並行で見れなかった,どうしても予定があって少ししか参加できなかった参加者のために,当日のプログラムを全て録画して,簡単な編集を行った後,大会終了2週間後まで視聴できるようにしました。また,プログラムがタイトだったこともあり,名誉会員の記念講演は事前に準備委員で録画をし,それも視聴できるようにしました。事前に各自で録画してもらった動画をプラットフォームにアップロードするといった仕組みはよくありますが,当日のリアルタイムでの議論をベースにしつつ,それを後でオンデマンドとして視聴できる2段階設定はありがたい仕組みだったのではないでしょうか。

 

〈工夫2〉配布資料の共有化

配布資料については,Dropboxにアップロードし,各自DLしてもらうようにしました。これも提出期限を設けてそれ以降は各自チャットでというやり方も多いですが,どうしても事前方式だとギリギリまで作業したい方が対応できなかったり,チャットだと他の部会に出ている人やチャット送付の後に入室した人は受け取れなかったりとあるので,当日,準備委員の方で手分けして各発表者から資料をもらい受け,それを分かりやすいようにナンバリングして,フォルダにアップロードするという運用をしました。

 

〈工夫3〉意見交換フォームの設定

この学会は昔から直接討論を大事にしています。発表を聞くだけでなく,オンデマンドでも意見交換出来るように各プログラムに対してFormsを用意して,当日の発表後や動画の視聴後に感想やコメントを残していただき,それを発表者に共有し,適宜レスポンスしていただくといった仕組みも導入しました。これもある程度お金をかけてプラットフォームに埋め込めば・・・というところですが,ハンドメイドで行いました。

 

〈工夫4〉大会本部に討論ルームの設置

前述した通り,発表する・聞くだけでなく,参加者同士のディスカッションを重んじる学会なので,大会本部の部屋に,プログラム別のブレイクアウトルームを設置し,参加者が自由に出入り出来るようにしました。発表数が多くプログラムがタイトで,メインルームでは議論する時間が多く取れなかったため,このような対策を講じました。そこまで利用いただけなかったですが,利用してくれた先生方は喜んでくれました。

 

〈工夫5〉強制感の少ない情報交換会

私の方で全面プロデュースしましたが,正直あまりオンラインに慣れておられない先生が多い学会でもあるので,最初は「オンラインで懇親会90分,盛り上がるのかなぁ」という不安もあったようですが,ここは私相当慣れていますので,「大丈夫です!」とお返事していました。細かくはあれですが,参加者全員で,投票やチャットなどを活用したアイブレをしたり,タイプの異なるテーマ(小部屋)を用意して,自分が行きたいところに行って話してもらったりと,楽しんでいただけたと思います。

 

大会本部(WinPC/左)と大会メイン(MacPC/右)の2刀流で乗り切る

 

〈工夫6〉迷子にならない導線・分かりやすいトリセツ

何と言っても,これだけ複雑な大会運営を少数で行うので,準備委員間はもとより,参加者が迷子になってしまっては何にもなりません。そのため,準備委員のメンバーがいつ,どこで,どのように動くのかといった指示書を明確にしたり,参加者が迷子にならないように当日の動画の視聴,資料の置き場,オンデマンドの視聴,意見交換フォームへのアクセスといった情報をできるだけシンプルに配列したトリセツ作りにもかなり気を使いました。上述した通り,高等教育系や情報系の大会とは違って,情報端末に不慣れな参加者が多いため,ドキドキでしたが,本部への問い合わせもほとんどなく,うまく回ったようでホッとしました。

 

自主シンポでは,指定討論としてお呼び頂いたので,ちょっとだけ参加者感を味わえて楽しかったです。

 

 

とは言え,やっぱり対面の良さは十分理解しているので,出来るのはここまでかなという印象です。また,全てのプログラムの資料をDL出来て,発表も期間内ならいつでも視聴出来るなど,あまり丁寧にやりすぎると,当日の参加者数に影響するかなというのが結構気になったところです。

 

さて,こんな感じかな。

 

正直,しばらく学会等の大会運営はお休みしたいです。仕事柄どうしてもこうしたイベント運営は多くなるのですが,いい加減純粋な発表者・参加者として勉強したいです。既にいくつか開催校をお断りさせていただいたりしていますが,ご容赦願いますm(_ _)m

学生の振り返りにみる「イマドキの大学生」と「落単志向の要因・対策」

私の授業では,基本的に毎授業後振り返りを提出してもらい,翌週の授業でフィードバックするという取り組みをしています。

 

その内容や考え方,効果等については,先日小論を書きましたので,ご参照いただければ幸いです。

山田剛史(2022)「オンライン授業による学修評価をどう考え,実践するかー振り返りとフィードバックを中心とした実践事例の紹介ー」『大学教育と情報(私立大学情報教育協会)』2022年度No.1,4-9.

https://www.juce.jp/LINK/journal/2204/pdf/02_01.pdf

 

これをやっていると,回を追うごとに学生の振り返りの質量がめくるめく上がっていきます。教育・学生研究者としても参考になることが多く,私自身楽しみながら読ませてもらっています。今回のブログでは,今週の授業(異なる2つの授業)のフィードバックで取り上げた2人の学生の感想を紹介したいと思います。(学生本人からブログへの掲載許可は得ています)

 

1人目は「イマドキの大学生」に関する考察です。

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(政策創造学部,1年生,女性)

最近の大学生について考えるために、まず自分がどんな大学生で、どんな理想を抱えているのかについて考えてみました。今の自分は新しいことを始める時や、慣れるまでに過剰な不安を抱えます。授業のスライドにあったように、失敗した時のために常に代用できるものについても考えている気がします。大学生活は自分の好きなことを探したり、自由な時間を謳歌するものだと中学生までは思っていました。しかし、年齢が上がるにつれてなぜか大学生の間にスキルを磨かなければいけないような風潮、就職のための4年間のようなイメージをだんだん感じるようになりました。インスタのおすすめ欄には大学生におすすめの資格やインターンシップの勧めに関する投稿がたくさんあって、それを毎日目にすることで私達も知らず知らずのうちに本来の自分の目標や、やりたいことを見失っていってると感じています。このように自覚があっても、就活のために何か資格をとらないといけないという意識、英語ぐらいは使えないといけない風潮に逆らうことはなかなか出来ません。資格の勉強になかなか身が入らないのも、本当にとりたいからではなく、どこか仕方なくやらされている感が捨てきれていないからだと思います。ここの授業に参加した時、簿記1級の取得を目指しているという自己紹介を聞きました。その時になぜかその子の表情を見てしまいました。彼女はとても笑顔で、みんなの目を見て目標を話していて、自分で決めた目標にコツコツ頑張っている様子が自分にはイメージできました。そんな姿を見て、彼女のように人にやる気を与えることの出来る人になりたくなりました。今は彼女のように自分に合ったものを見つけるべく、ジャンル関係なく本を読み漁っています。みんなと討論する中でもいい面より悪い面について話すことが多かったです。色んな人と交流できたり、自分が生きる世界が目の前にある社会だけでなくなったことで新たに自分の居場所を見つけることができる人もいます。それはそれで素晴らしいことだと思うのですが、SNSを通して、必要以上の成功をイメージする癖がついていることに私は恐怖を感じています。SNS上の交流は子を持つ親の多くが心配することだと思います。しかしそれ以上に、SNSで自分や自分の生活に対する満足度や幸福度が低くなることが1番怖いことだと私は考えます。ダイエットの成功例、定期テストの成功例、資格のスコア、語学力、モデルのような人の自撮り、美味しいものや高級車、カップルの写真など、人生の成功例はこういうものだ、これが幸せだという象徴のような投稿、ストーリーを常に見ることで、家でゆっくりした日や普通に家でご飯を食べた日を幸せだと感じず、今日1日を無駄にしたと考える人がとても多いです。あたかも誰かと過ごすこと、何か特別なことをしないと幸せでないと言い切っているようで私は不思議でたまらないです。服や髪型、趣味の多様性はここ数年で大きく変わったと思います。でも、生活に関する成功例のようなものは8割の人が似たり寄ったりな気がしてならないです。承認欲求が上がり、劣等感を感じる人がいるのも無理はないなとつくづく思いました。

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現代を生きる大学生(青年)が感じている日々の葛藤やSNS等による幸福感への影響など,すごくリアルに表現してくれています。

 

2人目は「大学生の落単志向に陥る要因と対策」に関する考察です。

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商学部,1年生,女性)

私が1番気になったのは、最後の話し合いの際によく出た「単位さえ取れたらいい」という言葉です。本当に、単位さえ取れればいいのかなと疑問に思いました。私の考えは、「単位は取れればいいけど、単位を目的に講義を受けるのは勿体ない」です。私は、まず、単位さえ と思ってしまう要因を3つ考えました。1つ目は、大金を払って来ている自覚があるということです。両親に払って貰ったり、奨学金という借金をしていたりすることを理解しているからこそ、留年だけはしてはならないと思っているためにしてしまう発想だと考えます。2つ目は、教授という存在を先生という形で理解してしまっているということです。高校までのいわゆる“先生“と呼ばれる人たちは、先生になるまでの過程で上手な話し方や授業の仕方を身に付けます。しかし、教授はそういう力を身につける必要はなく、研究が評価の対象です(一応、調べたのですが、異なる点があれば教えてください)。つまり、教えるのがとても上手い人達だけが集まっていた、今までの環境とは違うということです。そのため、当然のように何を言っているのか理解し難いという現象がおきます。もちろん、話がとても上手い教授も多々いますが、今回は、そうではなく、専門的知識はとてもあるけれど、学生の興味を引いたり、面白かったりする講義があまりない場合の講義をイメージして話しています。そして、そういう場合に授業のイメージを持ちながら受けると、講義はつまらなくなってしまい、内容理解より、とりあえず単位だけ取っておこうという考えに至るのです。最後に3つ目、2つ目と繋がりますが、内容理解をしていないので、興味の有無がほぼ分からないということです。大学での専門的な内容の中で、一体自分が何に興味を持てるのかを探しきれていないと考えている学生(特に1回生)がほとんどだと思います。本来、必修や選択の授業を聞いていく中で自分が興味のある分野を見つけていく、というのが1番、簡単で見つけやすい方法です。しかし、そもそも聞けていないので、「見つけられない=おもんないし、じゃあ、もう聞かんと単位だけ取ろう」という思考になるのではないかということです。他にも様々な要因があると思いますが、私が思い付いたのはこの3つです。では、どうすれば単位を取るための授業ではなく、視野を広げる講義という形で受けれるのでしょうか。私の中の答えは、「まぁ仕方ないよな、教授は話すのを頑張ってるんやから、聞くのが上手な私が上手く聞いてあげよう」というマインドを持つことです。私たち学生は、高校までの授業で、上手な聞き方やメモの取り方を習って来たはずです。少なくとも、私は習いました。それを発揮する時がきたんだと思えば、話すのが少し下手くそな教授の話もちょっと可愛いなと思えるんじゃないかなと考えます。(中略)この話で言いたいのは、このマインドを持ちましょう!ということではなくて、皆がそれぞれ、講義を上手く聞ける態勢やマインドを見つけてみるのがいいのではないかということです。春学期、大して聞かずに上手くいったとしても、4年間、そんなことを続けるのは正直、時間の無駄です。なぜなら、当人が面白くないと思っているのに、約90時間もその面白くない講義に費やすことになります。せっかくなら、今この機会に講義も面白いと思えてしまえば、お得なのでは?と思います。そんなことを考えるきっかけになった時間でした。

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「落単志向」については,ちょうど今日の午後にもシンポジウムがありますが,ベネッセの大学生調査でも年々顕著になってきている問題です。その原因については我々研究者や大学教育関係者も探究しているところですが,一学生がこの問題について主体的に考え,解決策まで提示してくれています。

 

今期,まだ授業が始まって1ヶ月ほどしか経っていませんが,このような感想を書いてくれます。もちろん,クラスの中でもトップクラスの内容ではありますが,素晴らしい思考力と表現力を魅せてくれます。僕にとっての挑戦は,授業への振り返り1つ取っても,「単位のため」や「課題だから出さないといけない」(受動的な学びモード)から,「自分の成長につながるから」(主体的な学びと成長モード)へと意識変容が促され,それが行動へ,そして学びと成長の実感へと繋がるというところを狙っています。

 

そんなことは無理じゃないかと思われるかもしれませんが,上記のように確実に主体的な学びと成長モードへ移行する学生が出てきます。全員とはいきませんし,8割も行けるかというと難しいのが正直なところですが,大体5〜6割くらいまでは1〜2ヶ月程度でこのモードへと移行します。

 

そして,僕の挑戦は続く。

学生の元気な姿に支えられ

葬儀以降ブログが書けておらず,方方から僕の体調を心配する声を聞いております。ご心配をおかけして申し訳ありません。元気にしています。

 

秋学期も始まり,3周目が終わりました。学生が安心して学ぶための土台を作るためにも最初3回目くらいまではかなり力を入れて授業をやります。おかげで学生たち,安心して自分の意見を出したり,深い振り返りが出てきたりと,徐々にリミッターを解除しつつあります。僕にとって大事なのは,学生自身の中にある(元々持っている)学びや成長への意欲・欲求を引き出し(Development本来の意味),それを対話的環境の中で増幅させていくことです。簡単ではないけど,実際,そういう状況が生まれてきます。本当に学生たちの目の色・目の輝き・学びに向かう姿勢が変わってきます。感動します。

 

春学期の授業を受けていた学生(N'ismに所属)がダンスの世界大会(World of Dance)で2連覇したって連絡があり、応援の御礼とお土産をもらいました。本当にすごいね、改めておめでとう!

 

今年度からスタートしている「関大生の学びと成長プラットフォーム」(3つのユニット)の学生たちも元気に頑張っています。「地域活性化ユニット」(「つよしずし」と命名)の学生たちは,LINEグループに加えて,Discordも活用して,本学地域連携センターの職員や八尾市の職員らを巻き込みながら一生懸命活動しています。学部も学年も違う学生が,単位にもならない活動にこれだけ一生懸命取り組めるってすごいと思います。今も学生とZoomで話をしましたが,本当に元気をもらいます。昨日は「関大をデザインする」ユニットの学生たちと集まって遊びました。1年前に授業の中で出会った学生たちが今も繋がって,青春を謳歌している様子を伺えて,とてもうれしく思います。一昨日は「MOCA」の学生が新たな企画を持って相談に来てくれました。熱い思いを持って,関大にいる学生たち同士が,学生と教職員が繋がる場所・機会を創りたいと言ってくれます。

 

本当の意味で「主体的に学び成長する」学生が育つための環境を提供し,関与していくのはなかなか大変なことです。が,安心して挑戦できる環境を用意して,信じて任せるといったことで,僕たち大人が想定する以上の成長を見せてくれます。教育において最も重要なことは「信頼」だと思っています。山田は精神論ばかりかと思う大学人も多いかもしれませんが,実際そうなんだもの。

 

どんなに忙しくても,大変でも学生の笑顔と成長のために全力を尽くしたいし,そのことが僕自身を支え,成長させてくれています。学生のみんなに感謝します。

葬儀式を終えて

今日は父親の葬儀式でした。本来ならもう1日早くに葬儀なのですが、大阪市の火葬場の空きが全然無くて、何とかギリギリ今日を押さえることが出来ました。やはりコロナの影響は大きいのかなと。

 

初めての喪主ということで、色々役割があって、参列者とは違う緊張感がありました。戒名ってああやって決めるんやとか、色々勉強にもなりました。

 

朝から式場の方、お坊さんと打合せをして、式を執り行い(喪主挨拶もして)、火葬場へ移動して、火葬の間食事を取り、再び戻って精算とお骨上げ。

 

家族葬でこじんまりとだったのですが、どうしても来て欲しかった方にも来てもらえたし、素敵な式場であたたかい雰囲気の中で見送れたので、親父も喜んでると思います。職場(関大)からも素敵なお花や、たくさんの弔電をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

 

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本当におつかれさま。四十九日の旅を経て、向こうでゆっくり幸せに過ごしてね。