人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

関大教学IRフォーラム開催のお知らせ

年も明けると一気に年度末まで突っ走る感じですが,いくつかイベントを控えているので,1つずつ紹介したいと思います。

 

1つ目は,「2022年度関西大学教学IRフォーラム」の開催です。既に大学のHPやML等でも紹介させていただいているところですが,改めてお伝え&お誘いさせてもらいます。

 

フォーラムの概要(申込みフォーム)は以下の通りです。

https://www.kansai-u.ac.jp/ir/archives/2022/12/20232182022ir.html

 

〈日時〉2023年2月18日(土)13:00-17:00(+情報交換会〜18:15)

〈場所〉関西大学梅田キャンパス8階(受付は7階)

〈開催形態〉対面のみ(オンラインではないのでお間違えなく)

 

私が所属する教育推進部はいくつかの柱で構成されているのですが,その1つが「教学IRプロジェクト」です。プロジェクトといっても,内部規定等がきっちり定められている定常的な組織で,実行部隊は少数ですが,大学執行部や多くの教職員がプロジェクトメンバーやワーキングメンバーとして参画しています。その中で,私のメインワークの1つがこの教学IRプロジェクトの推進で,最も多くの時間を割いています。外には見えにくい(見せられない)部分も多いのですが,教学IRを通じていかに教学マネジメントを実質化させられるか,そのために何が出来るかを日々データを睨みながら,職員のみなさんとディスカッションしています。

 

その中で,今年のフォーラムのテーマは「教学マネジメントをいかに実質化させるかー測定・可視化からその先へー」と設定しました。教学IRの中では,直接評価や間接評価など各種アセスメントを通じた測定に係る議論が盛んに行われてきました(現在も)。いかに信頼に足るデータを収集・分析するか。もちろん,大事なテーマではあります。また,最近では,BIツールの発達やDX推進の流れもあり,データウェアハウスやダッシュボードの構築などデータの可視化に関する議論も盛んです。これも,心理統計学的な測定・分析とは趣を異にし,いかに膨大なデータを簡潔かつ明瞭に見える可するかを追求するもので,意思決定権者である大学執行部等にとって効果的なアプローチだと痛感しています。

 

本学のIRでもその両者を慎重に議論しながら進めているところですが,最も重要で多くの時間・力を注いでいるのは,そこからいかにして持続的で効果的な教育改革・改善に結びつけていくか,そして,学生の学びと成長に繋げていくか,というところです。詳しくは,私とキーパーソンの職員の川瀬さんと事例報告でお話させていただきます。

 

キレイな調査項目を設定すること,精緻な分析をすること,美しいダッシュボードを構築すること,それ自体は目的のための手段であって,それ自体の是非は常に目的達成との関係の中でなされるべきなわけですが,ややもすると,手段が目的化してしまう,あるいは,目的への達成は別の人達の仕事で,そこはIR部署は関係ありませんとなってしまう,結果,IR活動は組織内の教学マネジメントの実質化に寄与できないというシナリオも想定されます。

 

今は流行りのIRですが,ここをちゃんと見据えた議論をしておかないと,いずれは形骸化してしまう,そんな危機感すら覚えます。そこをきちんと問題意識を共有しつつ,先に進めたい。そんな思いで今回のフォーラムを企画しました。

 

そして,この問題を解決する糸口の1つは組織論の視点だと思っています。そこで,大学組織経営論がご専門で,かつ,自身が管理職(理事長)を担っておられる吉武博通先生に講演をお願いしました。しっかり組織論の視点から教学マネジメントの実質化に資する知見を得たいという意図です。また,多くの大学にとって主要事項の1つである認証評価もこのテーマにおいては外せない。そこで,大学基準協会の工藤潤先生にも講演をお願いしました。認証評価という枠組みを各大学がどう解釈し,位置づけ,戦略的に活用するか,その勘所を掴んでおくことは,これから第4期に入っていって,より「アリバイ的な対応」が難しくなる中で重要なことだと感じています。そんなお二人の講演を肴に,参加者同士,登壇者同士の議論を交えて,一緒に考える時間にしたいと思います。

 

と,簡単に書くつもりが,既に趣旨説明を済ましてしまった感じですが,こんな経緯から今回のフォーラムを企画した次第です。

 

このご時世に対面のみ!?というお気持ちもあるかもしれませんが,参加者同士の交流も含めてしっかり「対話」したいという考えですので,ご容赦下さい。

 

ぜひご参加下さい。また,ご興味がありそうな方へも周知いただければ幸いです。

 

よろしくお願いします!