人生考路

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関大のアセスメントプランが公開されました

昨日4月24日の午後13時に,本学のアセスメントプランをWebサイトで公開しました。本来であれば12月末のところでしたが,年度末にも間に合わず,結果,年度明けになってしまったのは少々残念ではあるのですが,ようやく公開することが出来ました。

 

教育に関する三つの方針・アセスメントプラン(学部)|概要紹介|関西大学について|関西大学

教育に関する三つの方針・アセスメントプラン(大学院)|概要紹介|関西大学について|関西大学

 

本学のアセスメントプランは,「1. DPに対応したアセスメントの方法・指標」と「2. アセスメント結果の活用」の2つで構成しています。アセスメントポリシー(プラン)と呼称されるものの多くは,「1」に相当する内容で作られています(もうちょっと細かいですが)。ただし,それだけでは,指標を示しているだけなので,PDCAを回す際に十分な威力を持たないと思っています。なので,「2」を加えて,「1」をさらにDP以外の指標も含めて記載するとともに,それぞれに対して「いつ」「誰に」行うのか,また,「結果をどのように活用するのか」まで含めたものに設定しました。

 

今回は策定プロセスにもかなりこだわり,時間をかけました。3つのポリシーもそうですが,これらは「どういうプロセスを経て策定するのか」が重要だと感じています。文書だけなら簡単に作れます。教務委員等が作文して教授会で承認して終わり。全学が示したひな型のカッコ内を書き換える程度で整えて公開。これだと構成員にとって何ら影響力を持たない「飾りもの」になってしまいます。内部質保証の機能化・実質化が問われる中,こうした「外形的な対応」では明らかに不十分です。

 

そうしたこともあり,まずは認証評価や教学マネジメントについての理解を深めてもらったり,アセスメントプラン策定の意図や構造等を共有したりするための学部・研究科執行部FDを短期間で複数回開催しました。その前段階として,大学執行部や学長課等とも調整しながら進めました。同時に,各学部・研究科への作成依頼文書発出と連動させて,相談会(2回)や個別の部局コンサルテーション(随時),最終チェックを行うなど,数ヶ月にわたって伴走支援を行いました。

 

上述した通り,こちらでひな型を作って,カッコ内だけ変える,みたいなやり方だと,統一感はあるし,部局の労力も押さえられるので,スムーズだし恨まれることもないのですが,それでは駄目だと強調してきました。大枠の方針や全学版は示しつつも,各学部・研究科等でしっかり検討していただき,それぞれの部局の実情に即して作成していただくことにこそ意味があると主張してきました。なので,正直言うと,結構バラツキはあります。内容面で十分とは言えないところもあります。お伝えはしましたが,取り入れられなかったものも割とあります。ただ,(少なくとも現段階では)それで良いと思っています。本学では他学部の取組を共有するといった文化がないので,今回のAP策定を通じて,他の部局にも目を向けてもらいたい,その中で良いものは取り入れてもらいたい,そんな意図もありました。

 

この過程で,色んな部局の執行部の先生方とディスカッションする機会があり,難色を示されたり,強い批判的なコメントをぶつけられたりといったこともありました。「負担が・・・」といった声もそこかしこから聞こえました。それでも,1人でも多くの学生の学びと成長の促進のために必要なものだから,一緒に考えるので頑張りましょうと言い続けてきました。そんなこんなもあり,7月5日に学長名で依頼文書を発出してから,10ヶ月近くかけて公開に至りました。

 

同時に,内部質保証確認シートの内容や方法の検討も行い,これらAPが実質的に行われているかどうかを確認でき,教学マネジメントが少しでも意識されるように改良を加えてきました。認証評価目前ということもありますが,今年度は,これらがうまく機能するかどうかをしっかり見ていくことになります。

 

まだまだ道のりは長いですが,引き続き精進していきたいと思います。