人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

日本青年心理学会第30回大会を終えて〜オンライン大会の工夫〜

前回のブログから気づけば2ヶ月以上経ってしまい,気づけば2022年も終わろうとしていました。ビックリ。少しだけ備忘録的に書き留めておこうと思います。

 

何と言っても,今月12月10日(土)・11日(日)に開催された日本青年心理学会第30回大会が無事に終わったのはおっきかったです。準備委員として,大会全体の運営に携わりました。準備委員は私を含めて教員5名(1名は非会員)。外部委託も一切しない中で,この5名でフルスペックのオンライン大会を企画・実施・運営したわけですが,本当に大変でした。もちろん,委員長の先生が最も負荷が高く,だいぶ体調も崩し気味だったようです。本当におつかれさまでした。

 

私はというと,昨年までは大会担当の常任理事として2回のオンライン大会を補佐してきたこと,他の学会実行委員や本務校,学外フォーラム等で散々オンラインイベントの運営等に関わってきたこともあり,オンライン大会全体の設計・運営を中心に担う役割となりました。

 

それでも今回は大変でした。この学会でもオンライン開催は3回目ということもあり,また,記念すべき30回大会ということもあり,色んな「こんなことできたらいいな」を詰め込んだ大会となりました。外注してお金をかければいくらでも出来るとは思いますが,「ほんとに5人でここまでやります?」って委員会でも何度か言いました。例年以上に発表数が多かったことも嬉しい誤算(悲鳴)でした。もう来年は対面に戻るだろうな,最後のオンラインでの大会になるのかなと思うので,記録に残しておきます。

 

大会当日はZoomを用いたフルオンラインで行いました。ショート(45分)とロング(60分)の自由研究発表と各種シンポジウム(国際・研究・準備委員会企画,自主企画)が基本で,後は名誉会員挨拶と総会,情報交換会を組み込んだ丸2日のパッケージです。

 

〈工夫1〉オンデマンド配信対応

同時並行で見れなかった,どうしても予定があって少ししか参加できなかった参加者のために,当日のプログラムを全て録画して,簡単な編集を行った後,大会終了2週間後まで視聴できるようにしました。また,プログラムがタイトだったこともあり,名誉会員の記念講演は事前に準備委員で録画をし,それも視聴できるようにしました。事前に各自で録画してもらった動画をプラットフォームにアップロードするといった仕組みはよくありますが,当日のリアルタイムでの議論をベースにしつつ,それを後でオンデマンドとして視聴できる2段階設定はありがたい仕組みだったのではないでしょうか。

 

〈工夫2〉配布資料の共有化

配布資料については,Dropboxにアップロードし,各自DLしてもらうようにしました。これも提出期限を設けてそれ以降は各自チャットでというやり方も多いですが,どうしても事前方式だとギリギリまで作業したい方が対応できなかったり,チャットだと他の部会に出ている人やチャット送付の後に入室した人は受け取れなかったりとあるので,当日,準備委員の方で手分けして各発表者から資料をもらい受け,それを分かりやすいようにナンバリングして,フォルダにアップロードするという運用をしました。

 

〈工夫3〉意見交換フォームの設定

この学会は昔から直接討論を大事にしています。発表を聞くだけでなく,オンデマンドでも意見交換出来るように各プログラムに対してFormsを用意して,当日の発表後や動画の視聴後に感想やコメントを残していただき,それを発表者に共有し,適宜レスポンスしていただくといった仕組みも導入しました。これもある程度お金をかけてプラットフォームに埋め込めば・・・というところですが,ハンドメイドで行いました。

 

〈工夫4〉大会本部に討論ルームの設置

前述した通り,発表する・聞くだけでなく,参加者同士のディスカッションを重んじる学会なので,大会本部の部屋に,プログラム別のブレイクアウトルームを設置し,参加者が自由に出入り出来るようにしました。発表数が多くプログラムがタイトで,メインルームでは議論する時間が多く取れなかったため,このような対策を講じました。そこまで利用いただけなかったですが,利用してくれた先生方は喜んでくれました。

 

〈工夫5〉強制感の少ない情報交換会

私の方で全面プロデュースしましたが,正直あまりオンラインに慣れておられない先生が多い学会でもあるので,最初は「オンラインで懇親会90分,盛り上がるのかなぁ」という不安もあったようですが,ここは私相当慣れていますので,「大丈夫です!」とお返事していました。細かくはあれですが,参加者全員で,投票やチャットなどを活用したアイブレをしたり,タイプの異なるテーマ(小部屋)を用意して,自分が行きたいところに行って話してもらったりと,楽しんでいただけたと思います。

 

大会本部(WinPC/左)と大会メイン(MacPC/右)の2刀流で乗り切る

 

〈工夫6〉迷子にならない導線・分かりやすいトリセツ

何と言っても,これだけ複雑な大会運営を少数で行うので,準備委員間はもとより,参加者が迷子になってしまっては何にもなりません。そのため,準備委員のメンバーがいつ,どこで,どのように動くのかといった指示書を明確にしたり,参加者が迷子にならないように当日の動画の視聴,資料の置き場,オンデマンドの視聴,意見交換フォームへのアクセスといった情報をできるだけシンプルに配列したトリセツ作りにもかなり気を使いました。上述した通り,高等教育系や情報系の大会とは違って,情報端末に不慣れな参加者が多いため,ドキドキでしたが,本部への問い合わせもほとんどなく,うまく回ったようでホッとしました。

 

自主シンポでは,指定討論としてお呼び頂いたので,ちょっとだけ参加者感を味わえて楽しかったです。

 

 

とは言え,やっぱり対面の良さは十分理解しているので,出来るのはここまでかなという印象です。また,全てのプログラムの資料をDL出来て,発表も期間内ならいつでも視聴出来るなど,あまり丁寧にやりすぎると,当日の参加者数に影響するかなというのが結構気になったところです。

 

さて,こんな感じかな。

 

正直,しばらく学会等の大会運営はお休みしたいです。仕事柄どうしてもこうしたイベント運営は多くなるのですが,いい加減純粋な発表者・参加者として勉強したいです。既にいくつか開催校をお断りさせていただいたりしていますが,ご容赦願いますm(_ _)m