人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

初年次教育学会第15回大会を終えて

昨日(9/5)、今日(9/6)と初年次教育学会第15回大会でした。開催校は多摩大学で、対面開催から全面ハイフレックス開催への変更もあり大変だったと思います。関係者のみなさまおつかれさまでした。

 

僕は本来なら大会前日(9/4)の理事会から2泊3日の行程なのですが、この1ヶ月ちょっと家族の病気のことで色々対応しないといけなくて(何があるか分からないので長時間関西を離れられなくて)、オンラインを活用させてもらいました。その意味でも感謝です。

 

理事会と昨日(大会1日目)はオンラインで参加し、今日は自分が企画・担当するシンポジウムがあったので、早朝に家を出て会場に行きました。先ほど、無事シンポジウムを終え、いまは帰りの新幹線です。

 

午後のシンポジウムは、課題研究活動委員会による企画で、濱名篤先生、山田礼子先生、森朋子先生と僕の4名の理事が担当しています。なかなか濃ゆいメンバーで、打合せはいつも大きな話になって楽しいです。

 

今回は初の試みとして、登壇者を公募で募って、書類審査、面接審査を経て決定するという形にしました。2年間の統一テーマとして「ウィズコロナ・ポストコロナの初年次教育」を設定し、5つのサブテーマに該当する実践や研究を広く会員から募るという仕組みです。登壇者とは事前に何度か打合せをして、当日に臨みました。結果、良い報告を伺えたし、指定討論の濱名先生、礼子先生からのコメントも交えて良いディスカッションが出来たんじゃないかと思います。正直、全然時間が足りなかったのは残念です。

 

僕は趣旨説明と全体の進行を務めましたが、やっぱり対面でのディスカッションはテンション上がりますね。

 

改めて、初年次教育が日本の高等教育機関に入ってきて20年近く経ち、今では97%の大学で実践されるまでに至りました。これは他国を見ても例を見ない状況です。日本の高等教育改革は、授業アンケートに始まり、次いでこの初年次教育が入り、その後、アクティブラーニングや学習成果、3ポリシーや教学マネジメントと進んでいます。その意味では、日本の高等教育改革の火付け役とも言えます。

 

他方で、これだけ時間が経ち、全体に広がり、かつ、他にも様々な高等教育の課題や政策が矢継ぎ早に出る中で、初年次教育の形骸化はあるんじゃないか(ちゃんとやって進化している大学と明らかに形骸化している大学に分かれる)と思います。3ポリシーの中できちんと位置づけ、効果検証を行い、持続的な改善を経て、質向上が図られている大学はどれくらいあるでしょうか。そんなことを改めて考える機会になりました。

 

コロナ禍に入り、従来対面で発揮してきた初年次教育の機能をオンラインがどう相対化し、補完し、拡張できるか。広がる高大接続の中で、入学者選抜や入学前教育など、様々なプログラムも展開されています。また、学生の多様性にどこまで対応できるかなど、新しい課題もたくさん出てきています。その意味では、まだまだ取り上げるべき課題は山ほどあって、初年次教育学会が果たす役割も大きいと感じました。

 

最近、不眠気味で今日も1時間30分しか寝ずの東京日帰り出張なので、ヘトヘトですが、まだ脳内がスパーク状態です。やっぱり議論するのは楽しいです。

 

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帰りの新幹線でやっと飲めたコーヒーにホッ。