先週金曜(9/2)は、関西経済同友会での講演がありました。
厳密に言うと、同友会の中に組織されている教育問題委員会主催の講演会でした。
タイトルは「大阪・関西の経済発展を担う「人づくり」に向けた大学教育の諸課題」ということでお話しました。
オーディエンスは、同友会会員および委員会委員ということで、企業の管理職の方々でした。普段相手にしている学校の先生ではなかったということもあり、かなり緊張しました。委員長が日本生命保険相互会社の執行役員・副社長ということで、同社の本部チームの社員さんらを含め、何度か面会して事前のディスカッションも行いながら準備してきました。
緊張したし、準備も割と大変だったけど、講演の反応も良く、やりがいがある仕事でした。
僕はかねてより、子どもが学校から社会に移行し、健やかで幸福に生き、創造的で持続可能な社会を実現することに重きを置いて、そのために何が出来るかを考え実践しています。それが、特定の学校、特定の先生、一部の学生といった範囲の話ではなく、より大きな範囲、出来れば日本全体がそうなっていくために汗をかきたいと思っています。だから、僕は、教育に熱心な先生とだけ関わったりするのではなく、そこに目が向けられていない先生や、大学以外の子どもに関わる全ての先生、もっと言えば親御さんや社会にいる一般の人に至るまで全ての方を対象に関わっていきたい(いかなければならない)と思っています。要するに、子どもに関わる全ての大人が、子どもの学びと成長にとって望ましい存在であって欲しい、総がかりでいかないとその実現は難しいと思っています。理想論だし、それはデカすぎる、無理やろと思われるでしょうし、当然力量不足は否めませんが、そういう意識、モチベーションを持って、この仕事をライフワークとしています。
なので、先日の日経新聞だったり、今回のような企画だったり、学校関係者以外の人に思いを届けられる機会、対話できる機会はとても大切でありがたいのです。
質疑応答の時間には、奨学金の問題や、企業における人材育成の際に注意すべきこと、子を持つ親として子どもにどう関わればいいかなど、普段とは違う僕にとって大切な視点からの質問がたくさん出てきました。僕が問題提起したインターンシップについては、企業にとって切実なテーマであり、議論も盛り上がりました。また、「どうしても自分たちの頃の大学のイメージで見てしまうが、大学はいま様々な問題を解決するためにチャレンジをしている。私たち企業人は大学に問題を置きがちだけど、それ以前の教育が変わっていくことも大切だ」といった趣旨の発言も複数ありました。
改めて、狭いコミュニティの中での議論ではなく、より開かれた場所で立場や役割を超えた人たちと対話していかなければと強く感じました。そのためには、言葉や素材(どうすれば分かりやすく伝えられるか)も磨かないといけないし、何より社会(企業や政治、経済等)のことをもっと知らないといけないとも思いました。
時間がいくらあっても足りませんが、日々精進していく所存です。