人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

久しぶりの週末

今日は久しぶりに予定のない週末。

 

この時期,イベントやら学会の理事会やらでほとんど週末も埋まってしまうので。先週末も土曜は初年次教育学会の理事会,日曜は日本心理学会の理事会。前者は事務局長なので準備やら事前・事後の打ち合わせやらで午後ほとんどつぶれたし,後者もヘビーな議案の関係でヘトヘトに。

 

今日は午前中はゆっくり寝れて,午後遅めから妻をネイルサロンに連れて行って,3時間ほど待つ間カフェで来週の大学教育研究フォーラムの発表資料を作成。データ分析しながらあれこれ考える。好きな時間です。ほぼ完成。ちなみに,2日目(14日)の午前中AL②の部会で発表&当部会の座長を務めます。

 

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終わってから,夜ご飯。昨日からくら寿司のちいかわコラボが始まるということで,これは行かねば!と一昨日にはアプリから席の予約をしていて,いざお店に。

 

案の定,えげつない人で,予約してたのに1時間ほど待ってようやく順番。

 

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かわいい。ビッくらポンで2つアイテムをゲット出来たけど,食べてる間に,2500円以上食べたらもらえるクリアファイルは全て無くなったとの店内アナウンス。まだ始まって2日目なのに(泣)

 

ともあれ平和な1日でした。

懐かしい人たちとの再開

8日の夜は大阪教育大学の大学院(修士)時代の同期メンバーでの飲み会でした。

 

今年度の日本発達心理学会で大教大がホスト校ということで,遠方のメンバーが来阪する,それならみんなで合うかということで実現。

 

同期は11人いたけど,今回集まったのは8人。大教大を修了したのが2002年3月。ゼミ単位での集まりや個別に会ったりはあったけど,これだけのメンバーで集まったのは実に22年ぶり。

 

だけど,まぁ不思議。全く違和感なく,すぐに昔のようにワイワイガヤガヤ。みんな公務員の心理職や小学校の先生(管理職),大学の先生など,色んなフィールドで経験を積んで成長してて。

 

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当時の話やこの間あったこと,今どんなことしてるか,これからは⋯などなど,色んな話が尽きることなくあっという間に終電の時間に。

 

とっても楽しい時間・空間でした。

 

久しぶりにミナミに出て,久しぶりのメンバーに合うので,ふと学生時代にバイトしてた心斎橋の薬局兼タバコ屋を覗いてみることに。高1からD3まで12年間続けた実家の粉もん屋ほどではないけど,それに次ぐ長さ。高校の時の友人の実家ということで始めたバイト。心斎橋の夜の街の中にある夕方から夜にかけて開けてるお店。お客の多くは夜職の方や飲みに来た人,お相撲さんや芸人さんなんかも割と来てた。今思えば結構トーク力も鍛えられたな。当時は実家の京橋から自転車で通ったもの。

 

とは言え,辞めて20年以上経つので,最初は気づいてもらえず,「昔バイトしてた山田です」って言ったら「山田くんか!」って思い出してくれて,少し小話。僕が働いてた時期に奥様を亡くされて,その当時お店に立っているのがやっとみたいな状態が続いてて,その当時いたバイトのメンバーで支え合いながら仕事してたのを覚えています。お店無くなってなくて良かったし,80歳を過ぎてもお店に立っておられて良かったです。いつまでもお元気で。

 

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そんなこんなで,懐かしい人たちと再開した1日でした。たまにはいいものですね。

卒業シーズンですね

今日は局長・次長らと副学長室にご相談に行ったのですが,廊下にズラっとガウンが並んでいて,「かっこいいですね!」って言ったら「着てみる?」「ぜひ!」ってなり。

 

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副学長先生に着させてもらいました。貫禄ないなー。でも,テンション上がりました。

 

お昼休みの時間は,CTL関係のスタッフらと眺望の良い7階の特別会議室にて慰労&懇談会。

 

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同僚のちあきさんが考えてきてくれたスタッフ一人ひとりに関するクイズで談笑しながらのランチ。

 

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出会いと別れの季節。本学では来週中旬が職員の内示。職員のみんなは毎年この時期はドキドキしながら待つわけですが,僕もかなりドキドキしながら待っています。少数精鋭でチーム一丸やっていて,それによって次年度に出来ることも変わってくるので,なかなか緊張感があります。もちろん,誰が来ても回るようにしないといけないわけですが,実際には属人的な部分も大きいので。2025年度には認証評価第4サイクルの1年目の受審を控えていて,2024年度はかなり重要な年。出来ればそのままで⋯との思いもありますが,こればかりはね。

 

その点,教員は大学を変わるとかしない限りは動きがないので,人間関係も固定化するし,空気の滞留は起きやすいし,何か刺激がないですね。だから僕は出来るだけ外に出たり,外との繋がりを意地でも作るようにするわけですが。また,特定の集団・メンバーは居心地はいいかもしれませんが,これも視野が狭くなる気がして,固定化しないように気をつけています。

 

そのせいもあり,僕には同志や仲間と呼べる人やコミュニティがない。自由だけど孤独,そんな風に感じることはしばしば。難しいところです。

 

さて,今月は最低5つは送別会等の飲み会が入っていて,今宵はその1つ目。行ってくるか。

教学IRプロジェクトのリトリート2023

先週は,うちの教学IRプロジェクトのリトリートを行いました。

 

1年に1〜2回,通常のミーティング(毎週大体3時間程度)とは違い,半年あるいは1年間の取組を振り返って,組織として,個人として何が出来たか,何が出来なかったかを語り合います。また,他のメンバーから個人へのフィードバック(どういうところが良かったか,改善すべき点はどこか等)も言葉で伝え合います。その上で,次年度はチームとして,個人としてどんなことにチャレンジしてみたいかを共有します。

 

油断すると普段の業務打合せになってしまうので,今回は本学が有する研修施設の1つである六甲山荘で行うことにしました。ランチはスタッフが調べてくれた六甲山上にあるレストラン(ジンギスカンパレス)でジンギスカンをいただきました。素敵な景色を見ながらの羊肉,美味しかったです。

 

神戸の景色を一望できて気持ちよかった(寒かった)

今年度もチームメンバーと駆け抜けた1年でしたが,こうして普段とは違う環境の中で,自分のこと,チームのこと,関大のこと,大学のことなど俯瞰して相対化して,じっくりリフレクションし,語り合うことはとても大切だと感じています。

 

教員・職員関係なく,1つのチームとして支え合うことを大切に

 

美味しい神戸牛もいただいて,大いに語り合えたリトリートでした。

忙しいからコミュニケーションを取る暇がない,ではなく,忙しいからこそコミュニケーションをしっかり取ることが不可欠だと常々感じています。

また,各自のキャリアや夢,やってみたいことを共有することも大切です。分担して仕事を行う存在としてではなく,1人の大人として成長し合うパートナーであることを目指しています。

 

私達の挑戦は障壁も多く,なかなか思うように前に進むことが難しいですが,腐らず頑張っていかなきゃと思えるのもチームメンバーのおかげです。

 

いつもありがとうございます。

名城大学に訪問調査

今日は教学IRスタッフと名城大学への訪問調査のため,一路名古屋へ。

 

うちの教学IRでは,各種調査の結果を学生個人に返す仕組みとして,学生フィードバックシステムを導入しています。単に考動力コンピテンシーの獲得度の個人内変化や当該学部との比較が出来るということだけでなく,どうすればその力を身につけることが出来るのかといった情報をアドバイスコメントという形で提示する仕組みもあります。

 

ただ,この中身がふんわりしたものだったので,今年度,全学が提供する準正課プログラムを全学部署および各学部から収集し,コンピテンシーに紐づけつつ一覧化するということを行いました。

 

こうした準正課の取組は各部署が色々考えながら実施しているのですが,「せっかく良いものをやっていても学生が来てくれない!」という声をあちこちから聞きます。学生からは「大学から色んなものが来すぎていて対応しきれない。どれに出れば良いかわからない」といった声を聞きます。

 

結局,部署縦割りであれこれやろうとしても学生の実情に合っていなかったり,そもそも目に止まっていなかったり,見ようと思っても情報過多で見る気も失せてしまったりといった現状があると思います。それぞれの部署は一生懸命やっているのは分かるんですけど,受け手である学生の状況を考えると,根本的にアプローチを変える必要があると思います。

 

その解決方法の1つが情報の集約・整理・構造化・可視化です。でも,誰もそれをやりたがらない。総論としては「イイね!」ってなっても,「じゃあそれ誰がやるの?」で止まってしまう。こんなのばっかりです。

 

せっかく,今回,学生フィードバックシステムの充実といった目的で集約したわけですが,こうした一覧が出来たことは大学にとって大きな成果だと思っています。正課教育での違いはなかなか見えにくいところもありますが,準正課は大学それぞれの特色が現れるところでもあり,インナーブランディングという観点からも意味のあるものだと感じています。

 

そうしたこともあり,この取組をより多角的に大学の力へと昇華するにはどうしたらいいかということを話し合っている過程で,名城大学の取組を知り,今回の訪問に至った次第です。

 

具体的には,「Campus Fire Map」と呼ばれるもので,正課外活動を可視化したポータルサイトになります。

 

www.meijo-u.ac.jp

 

とても素敵で,学生にとって親しみやすい魅せ方になっています。本学でもこんな風に出来たら良いなと思って,担当職員(渉外部広報課長,総合企画課長等)にヒアリングに伺いました。

 

色々な偶然が重なって…といったことを何度もおっしゃっていましたが,キャリアやアドミッションの現場に携わっていた経験を踏まえて,課長クラスの方々が喧々諤々やりながら創っていくプロセスを伺い,「なるほど!」の連続でした。技術的にはいくらでも作れるわけですが,それが出来ていくプロセスやその背後にある想い,そこがしっかり入らないと,美しくても中身スカスカ,数年後には誰も触っておらず放置状態,みたいになってしまう。大学改革の真髄を見た気がします。

 

ヒアリング前には,スタッフがリサーチしたお店(大学前の「洋食工房パセリ」)でランチ。なかなか美味でした。僕は少食なのでこれでもかなり少なめですが,みんなはめっちゃ食べてました。

 

分厚いのにめちゃくちゃ柔らかくてジューシーでした

 

最後に,大学前でパシャリ。今回ご対応いただいたみなさんは,先月のうちのフォーラムにも来てくださっていたりして,今後とも情報交換しましょう!とお別れしました。お忙しいところ,ご対応いただき,ありがとうございました!

 

まだまだ寒い日が続きますね

 

 

全国生協学生調査

全国生協の生成AIに関する学生調査の結果が発表されましたね。

 

大学生の半数、文章生成するAIの利用経験…「論文・リポート作成の参考」が目的別で最多 : 読売新聞

 

大学生、AI丸写しリポート提出も…教授「試験のあり方自体変えなければ」 : 読売新聞

 

結果はふ~んという感じで、特段心を揺さぶられるものではありませんが。

 

2つ目の記事、「関西地方の私立大教授」ね。

 

多くは語りませんが、なるほどねということで。

 

日々精進あるのみ。

大学コンソーシアム京都のFDフォーラムに登壇

2月23日(金・祝)は,大学コンソーシアム京都のFDフォーラム,第1分科会に登壇。10時〜12時にキャンパスプラザ京都ということで,前日の新潟からの飛行機(最終便)が飛ばなかったらどうしようとギリギリまで不安でしたが,とりあえず身体は無事に現地に(眠気と疲労もピークに)。

 

テーマは「身構えないで学べる授業環境の構築を目指して」。僕は「主体的・対話的で深い学びの土台となる心理的安全性」と題した報告を。ただでさえ超夜型で朝は声が出ないのだけど,頑張りました。

 

対面・オンライン併せて100名弱といった感じでしょうか。他は,生成AI絡みの報告目白押しの中,あえてこのテーマに参加していただき,ありがとうございました。いくらオンライン授業や生成AIが入ってきたとしても,学生に必要な授業(学習環境)に求められる機能は変わらないと思っています。

 

コーディネーターの右近先生@京都先端科学大学のもと,京都産業大学のF工房の職員,京都文教大学の学生ファシリテーター3名と一緒に報告・ディスカッションを行いました。このテーマはまだまだ話さないといけないことが山積みですね。学生のプレゼンも良かったです。これからも素敵な人生を♪

 

最後はみんなで記念撮影。全員に共通する影のコーディネーター中西くん@京都文教大学による撮影。

 

分科会が無事に終わってみんな素敵な表情ですね♪

急ぎやらないといけない投稿論文への査読コメントに対する修正対応と,複数の論文査読があるのだけれど,緊急の学生相談対応を入ったため,ひとしきり話してから帰宅して,ひたすら論文と向き合う。

文科省の仕事で新潟大学へ出張

2月22日(木)は,文科省のお仕事で一路新潟へ。正式には,文科省の「知識集約型社会を支える人材育成事業」に採択されている新潟大学への訪問なのですが,僕はこの事業のプログラムオフィサー(PO)として,当該事業がうまく進むよう伴走支援を行う役割を担っています。評価者ではないので,先方に氏名も明らかにして進めています。

 

この日は,PO現地訪問というミッションでした。他にも色々な形でPOが関わることになっているため,今年度だけで3回(9月,11月,2月)新潟大学に行っています。

 

 

新潟大学には斎藤くんが勤めているので,訪問時には色々とお話が出来て楽しいです。開始前は,大学前の趣のある洋食屋さんでランチをいただきました。

 

カレー美味しかった!仏蘭西カフェウェスト

現地訪問では,文科省,学振が同席の元,僕がメインの対応者となり,大学側からのプレゼンテーションや質疑応答などを行います。また,当該プログラムに参加した学生らを呼んで下さっていて,大学関係者不在の中でディスカッションを行います。これがまた楽しい!もちろんエース級の学生を揃えてくるわけですが,それでもとてもアクティブに動いている学生たちとのディスカッションはとても刺激的で,「自分たちが同じ年代の時では考えられないですね!」「こんな学生たちなら,これからの日本も明るいですね!」など,文科省や学振の方々とも話していました。こんな風に,大学での学びを自分でデザインして,どんどん深めていって,地域や社会とどんどん繋がっていってくれたら本当に素晴らしいなぁと思います。今回協力してくれた学生のみんな(まだ全員の名前覚えてる)のさらなる成長と明るい未来を祈念しています。

 

本当は終了後,新潟大学の関係者のみなさんとじっくり懇親したかったのですが,翌朝も関西にて講演の仕事が入っていたので,今回は日帰りプラン。

 

出発時間までの間,斎藤くんに案内してもらって,学内のコワーキングスペースnot the university」で小話。とても素敵な空間で,職員の方に他の部屋も含めてご案内いただきました。

 

1日中籠もっていたくなる素敵な学内施設

最後は,新潟空港にてへぎ蕎麦を。すっかりへぎ蕎麦のファンになってしまったので,新潟に来た時は食べないわけにはいかないのです。

 

機材到着遅れで出発時間が遅れたおかげでギリ食べられた!

とても充実した毎日ですが,いよいよ身体も悲鳴をあげてきています。。

滋賀文教短大で講演のお仕事

2月21日(水)は,滋賀県長浜市にある滋賀文教短期大学のFD研修会にて講演のお仕事。

 

同じ関西圏ではありますが,先方からは新幹線で来ていただいても良いのでと言われていたので,お言葉に甘えて。こんなに短い新幹線(新大阪ー米原)にあんまり乗ることないので,降り損ねかけましたが。ただ,そこからの接続が難しい。JR北陸線で田村という駅まで行くのですが,昼頃は1時間に1本なので,ちょっとびっくりしました。

 

雨が降る中,何とか辿り着いた会場

演題は「学生エンゲージメントを高めるための教育・学習環境をどのように考え,実践するか」ということで,講演とワークショプを交えつつ,日々の実践を俯瞰し,位置づけ,今後への活力へと繋げていただけるよう構成しました。

 

とても素敵な会場で,田園風景を眺めながら(残念ながら雨で伊吹山は見えませんでしたが),他大学の先生方もご参加いただきつつ,僕自身も楽しく過ごしました。

 

短大を取り巻く現状は極めて厳しいですが,だからこそ少数の教職員がチームとして学生の学びと成長に関与することが打開策に繋がることを切に願っています。

伊丹市立高校の探究学習への参画

FCMEの熱も冷めやらぬ中,2月20日(火)の午前中は,伊丹市立伊丹高校に行ってきました。

 

昨年10月,本学の高大連携事業で中高の先生方向けに探究学習セミナーを行ったのですが,その後,いくつかの高校から探究の指導に携わっていただきたいというご依頼をいただき,何校か管理職の先生方とお会いしてお話を聞いた上で,2校に関わることとしました。

 

そのうちの1校が市立伊丹高校です。とても情熱的に探究学習への想いを持っておられて,これからの展開についてもワクワクするものでした。この高校は本学の高大接続パイロット校でもあります。なかなかパイロット校と本学との間の実質的な連携事業が無かったこともあるようなので,今回そうした意味でも重要な取組になると関係者と話しています。

 

正式な委嘱は2024年度からなので,詳細等は改めて4月以降にと思っていますが,少しでも良い形で新年度スタートを切りたいという先方の想いもあり,英語探究の授業参観と関係者との顔合わせ・第1回ミーティングに行ってきました。

 

英語探究の授業を参観

この学校では,ロイロノートを普段使いしているようで,生徒たちもスムーズに先生からの指示に対応していました。先生も生徒もCanvaでプレゼンテーション資料を作成し,iPad等も活用しながら生徒同士でプレゼン動画を撮影したり,フィードバックシートを共有し合ったりと,ICTを活用しながら授業が進行していきます。

 

僕の一緒にやりましょう!の決め手は,先生方の教育方針や生徒に対する関与の考え方にあります。学習指導要領により2022年度入学生から探究学習が取り入れられることとなり,現場は混乱している最中ですが,「ほとんど先生がやってるんちゃう?」「先生の理想を押し付けてる?」「先生が失敗したくないから,生徒をガチガチに縛ってない?」「結局,進学実績にしか興味ないんじゃない?」と思われる学校・先生方も少なくない印象です。こういう学校・先生とは合わないので,ご遠慮するようにしています。

 

その点,ここは「生徒の主体性や自己決定」を重視した探究学習を志向していて,そのことが授業参観や先生方とのミーティングからも伝わってきたので,これからを楽しみにしています。

現職医師を対象とした講義を終えて

フォーラムの疲れも癒えぬ中,2月19日(月)は,現職医師を対象とした講義(1日目)がありました。

 

正式には,名古屋大学医学部・医学研究科(責任者:錦織宏先生)が主催する履修証明プログラム「現場で働く教員・指導医のための医学教育学プログラム(Foundation Course for Medical Education;通称FCME/ふくみん)」で開講されている科目を担当させていただきました。

 

www.med.nagoya-u.ac.jp

 

履修証明プログラムということで,オンラインと対面とで1年間で120時間以上の科目履修が必要になります。現職のお医者さんということでみなさん大変忙しい中,こうしたプログラムを履修・修了するのは本当にすごいなぁと思います。

 

当方は,「データは医学教育をどのように 変えうるか(教学IR入門)」という科目を,2021年度から担当しているのですが,今年度からは必須科目になりました。それだけ,医学教育の世界でもIRが注目されていると言えます。

 

1日目は19日,2日目は28日と2回に分けて実施しました。時間は19時〜21時,20時〜22時と,やはりみなさん忙しいので夜遅くからの開講になっています。それでも病院で白衣を着たまま参加される先生も少なくなかったです。オブザーバーでの参加も認められているのですが,昨年受講してくれた先生や別の期の先生も含め,各回10名程度で行われました。

 

毎年このプログラムは僕自身楽しみにしています。医師として私達の生活を守ってくれている先生方と,医学教育/医師のあり方について議論できるのはとても刺激的です。教学IRというなじみの薄い,難しいテーマだと思うのですが,みなさん新しいことを知れることを楽しみながら積極的に参加してくださるので感動すら覚えます。

 

講義2時間が終わった後も話したい先生が残って議論が続きます。僕から「もうみなさん日々お忙しいのでこれくらいにしましょう(笑)」と言って終わるくらいです。

 

生涯学習」「大人の学び」「リカレント」…色んな言葉が飛び交っていますが,こんな風に向学心・向上心を持って学び続ける大人って本当にカッコいいなと思います。大人にも色んな人がいますが,こうした人達とたくさん繋がっていければいいなと痛感します。

 

僕ももっともっと日々精進しよう!と背筋が伸びる時間でした。

関大教学IR主催フォーラムを終えて

2月17日(土)は,本学教学IR主催の教育改革実践フォーラム@関大梅田キャンパスでした。教学IRチームメンバーと時間をかけて準備をしてきました。

 

会場となった関大梅田キャンパス

昨年までの教学IRフォーラムから改称しました。教学IRは教育をより良いものにしていくためのアプローチの1つであり,それだけで実現するものではありません。教学IRというレンズを通して教育・学習を診て,そこから様々な施策やFD等へと繋げていき,大学全体の動きへと至る。それは極めてダイナミックで相互連関的なものです。そこには,客観的(厳密にはそのようなものは存在しない)なエビデンスや精密なロジックだけでは説明できない非論理的かつ極めて人間的な要因が存在し,改革を推進したり妨げたりしています。そうしたダイナミックなものをできる限りダイナミックなまま捉えるホリスティックなアプローチに立脚したいという想いから,このように改称しました。

 

近年の大学改革は,制度や手法,ツールなどが細分化され,それに伴いこうしたイベントや研究自体も細分化されてきているように感じます。それ自体は一つ一つの深まりが得られるので良いかとは思うのですが,他方で全体が捉えづらく,また全体的な問題への関心も低くなってきているようにも感じます。加えて,文科省等の各種補助金事業が無くなってきている中,個別大学の体力も厳しくなり,こうした大学関係者,特に実務を担当する方々が一同に介して学び合うような場(特に対面の機会)を提供することが難しくなっています。それも今回の名称に「実践」を加えた意図になります。

 

チラシ上は見えない「想い」を少し書かせていただきました。フォーラム自体は,本学で初の卒業生調査を実施したこともあり,卒業生調査を素材にした大社接続について考えるをメインテーマに据えました。北海道から沖縄まで100名を超える方々が参加してくださいました。遠路より本当にありがとうございました。

 

会場序盤の雰囲気

また,現在の大学改革の鍵を担う主要なアクターは職員だと考えています(特に私学)。そのため,管理職や職員,教員がバランスよく参加してもらえるよう設定しています。実際は,職員5割強,教員3割強,学生1割弱,企業等1割といった感じで,良い感じだったかなと思っています。

 

教学IRサイトでの報告記事は以下の通りです。

【報告】2023年度関西大学教育改革実践フォーラムを開催しました。(2/17)|関西大学教学IRプロジェクト

 

また,本学の卒業生調査の結果は,学内外に広く周知しています。

「第1回 関西大学卒業生調査」の集計結果について|関西大学教学IRプロジェクト

 

今回,Tableauパブリックを活用した結果の公表にもチャレンジしていますので,ご笑覧いただければ幸いです。

 

終了後は,登壇者に加え,本学理事長も交えての懇親会で,今後について大いに語り合いました。来年度はぜひ参加者みんなでの懇親会を企画したいねと話しています。

桃山学院大学での執行部対象研修を終えて

2月1日〜7日は入試期間でもあるということで,基本的にはこちらの対応。何をするわけではないけど疲れますよね。本学は職員の方々がすごく頑張ってくれるのでとても助かります。

 

2月15日(木)は,桃山学院大学で執行部を対象とした研修でした。「教学マネジメントをどう理解し,実践するか〜関西大学の事例を交えて〜」と題して,学長を始めとした大学執行部,現学部長に次期学部長,局長クラスの職員など30名近くの方々を対象にお話をさせていただき,質疑応答を行いました。

 

ゆったりとしたキャンパスでしたね

この間,学長室が主導して,熱心に改革に取り組もうとしていて,職員横断型のプロジェクトで200名近い学生へのインタビューを行うなど,頼もしい限りでした。

 

学部間の垣根が低く,学部執行部同士,また,そこに職員が入っても違和感なく,みなで熱心なディスカッションが行われました。

 

色々な大学を見ていますが,教育改革が進んでいるところというのは,ほぼ押し並べて「学部間の垣根が低い(学部長同士が頻繁に情報交換出来ている)」ように感じます。これからの時代,ますますこうした目に見えない組織風土の影響が色濃く出てくる(明暗を分ける)ように思われます。

 

みなさまの大学はいかがでしょうか。

関大高等部の研修を終えて

翌週の1月31日(水)は,関大併設校の1つである高等部の先生方を対象とした探究学習に関する研修会でした。

 

高等部とは教学IRの文脈で繋がり,管理職の方々との意見交換を重ねる中で,今回の研修依頼に繋がりました。

 

「探究学習をめぐる動向と意義, 実践的特徴と学習成果」と題して,講演とワークショップを組み合わせて行いました。

 

あまりこうして学外講師を招いて,ワークショップスタイルの研修をすることが無くてということでしたが,結果,任意であったにも関わらず,40名強のほとんどの先生が参加して下さり,大変盛り上がる研修会となりました。

 

熱心にワークに取り組み先生方(手前右は一番熱い校長先生)

高校でがっつり探究学習を経験した生徒が,本学に入学し,どのような学習成果を有しているのか,入学後のパフォーマンスを含めたデータ分析の結果も一部紹介しつつ,探究学習の意義や可能性,困っていることの共有等を行うことができ,今後も連携してやっていきましょう!ということになりました。

東山フォーラムを終えて

ふぅ・・・

 

年明けから息する暇がなく,気づけば2023年度も最後の月に。公私ともに本当に色々大変で,あんまり記憶がない。。

 

少しだけでも記録に残しておくべく,ぼちぼちこの間のことを書き記そう。

 

1月27日(土)は,教育顧問を務める東山中学・高等学校主催の主体的な学び実践研究フォーラムでした。2016年度から始めて今回は8回目。コロナ禍に入ってもその歩みは止めず,2020年度〜2022年度までの3年間はフルオンライン開催でした。もはや意地です。そして,今回は4年ぶりの対面開催でした。

 

東山のフォーラムでは,8回おんなじプログラムだったことはなく,毎回新たな取組を取り入れて進化してきました。企画する自分たちが楽しみながら成長できるようにと,プログラム編成も先生方と時間をかけて練り上げていきます。

 

今回の目玉はポスター発表会でした。学会ではおなじみだし,大学のフォーラムなどでもよく見られるし,生徒の探究成果発表などでは行われたりしますが,中高の教員向けの研修でのポスターセッションはあんまりないのではないでしょうか。しかも,今回のポスターでは,東山の先生はもちろん,「東山学縁」の陣頭指揮を取った校長先生から,「東山チャレンジ」に採択された生徒,「ヒトの科学ゼミナール」に挑戦してきた生徒までがポスターを制作し,学外からの参加者と一緒に学び合うこととなりました。

 

生徒の発表に群がる大人たち

大人と子供がいっしょくたになって学び合う,とっても素敵な空間でした。

 

僕は全体の運営と総括講演「VUCA時代の学校教育にどう取り組むか〜探究学習と入試改革の動向を踏まえて〜」を行いました。

 

学内外の先生や企業の方,生徒併せて100名近い参加者で,総合満足度も97.4%と,久しぶりの対面開催は大成功に終わりました。