人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

卒業おめでとう

少し前になりますが,今週20日は本学の卒業式でした。午前の部と午後の部に分かれて実施されました。

 

こういう時,僕のような学部所属とは違う大教センター系の教員はあんまり特別感がないんですよね。共通教養教育などの授業という形でしか学生と関わることがないので,学生の卒業を見送るというセレモニーにまで至ることがありません。

 

ただ,今年は何名かの学生から「先生,研究室いて下さいね!」と声をかけてもらっていたので,朝から研究室にいるようにしました。理由は,今年度からスタートした「関大生の学びと成長加速プラットフォーム」のユニット活動に取り組んだ学生らが卒業するからです。卒業要件に一切関係ない非公式のゼミ活動ですが,この1年一生懸命取り組んでくれたので,見送ることが出来て嬉しかったです。

 

ユニット03「つよしずし」からは1人が卒業します。右の学生は3回生の時に授業を受けてくれた学生で,着付けの前に一緒に来てくれました。つよしずしの3回生のメンバーも駆けつけてくれて,一緒にお見送りしました。企業に就職で東京に行ってしまうのだけど,身体に気をつけてがんばってね!

 

つよしずしからは1人卒業

 

ユニット02「MOCA」は4人全員が卒業します。卒業式が終わってから夕方に研究室を訪ねてくれました。このユニットは,先日のブログでも紹介した重厚なレポートを作成したり,素敵なイベントを実施してくれたりと,学生参画による大学教育改善を具現化する貴重な取組を行ってくれたので,とても感謝しているし,寂しい気持ちもあります。とは言え,教職課程の授業で出会った4人ですが,2人は大学院進学(1人は学内,1人は京大に),1人は大学職員,1人は民間企業とみな教職以外の道に進むことになり,色々関わることもあるので,今後とも継続していけたら良いねと話しています。みんな,それぞれの道でがんばってね!

 

MOCAのみんな。素敵な人生を。

 

外を歩けば,他にも授業を受講していた卒業生から声をかけられたり,卒業生を見送りに来た学生らと立ち話したりと,なんだかんだで1日卒業式を味わわせてもらいました。多くの教職員が言います。在学中は色々あっても,卒業式に学生たちを見送る場面は,自分たちが関わってきたことが報われる喜ばしい瞬間です,と。本当に素敵な瞬間ですね。

 

激動の時代,どの道を選んでも大変な社会状況ですが,みんなで支え合いながら,幸せに満ちた人生を歩んで欲しいと思います。

 

Bon Voyage!

学習環境が学びを創る

一昨日ですが,うちのIRスタッフと内田洋行ショールーム「未来の教室Future Class Room」を訪問してきました。

 

www.uchida.co.jp

 

12年前に設置されていて,その当時から知っていたし,営業部長さんとは随分前から知り合いで,何度か声かけもいただいていたのですが,なかなか行けておらず。先月の本学IRフォーラムにも来てくれて,改めてお声がけいただいたので,スタッフと調整してようやく実現しました。

 

今だからこそ良かったかなとも思います。当時はアクティブラーニングの推進を目的として,机や椅子,壁面複数面への投影などが中核だったと思います。今回の訪問では,コロナ禍でのオンライン授業の経験や関連するテクノロジーの進化が,教室環境に実装されていて,それらを体験・体感することが出来ました。一つ一つは「こんなの見たことない!」みたいなものはなく,様々なツールやアプリケーションをいかに効果的・効率的に使用・運用できるかというところに感激しました。その意味では,「未来の教室」ではもはやなく「現代の教室」になっているのかなと思いました。GIGAスクール構想なども相まって,動き出している地方自治体と教育行政なども増えてきましたね。そうなってくると,技術的には既に様々なことが出来る環境があるにも関わらず,大学はどうだろうかと感じます。

 

コロナ禍でオンライン授業が一斉導入されたという経験は,日常の学習環境にどのような影響をもたらすだろうか。外部資金等で特別な部屋が学内に数個あるかないかみたいな大学も少なくないと思います。依然として,教室環境は固定机に長机,ICTどころか輝度の低いプロジェクターに鮮明さにかけるRGB仕様の部屋も少なくなかったり。古くなったらリプレイスするだけで,リノベーションの発想がなかったりします。

 

色んな大学で聞こえてくる声は,施設設備・管財関係の部署と教学部署とがほとんど連携しておらず,教育・学習の観点(どういう環境だとよりよく学べるか)ではなく,単純な予算の観点(どの業者がより安いか)から決まってしまうという点です。もちろん,予算度返しで出来るものではありませんが,入試対応といった観点もありますが,もっと戦略的に予算確保含めて,両者が連携のもと進めることが不可欠だと思うのです。その実現のためにも,該当する部署の方や執行部の方々に,こうしたショールーム等に行って自身で体験してイメージを深めてもらうことも大事なのかなと感じます。

 

広さに対する座席の数,照明,音響,机や椅子,プロジェクター,スクリーン等,学習環境はこれらの相互作用によって学習効果が跳ね上がります。また,FDの観点からも,環境が変われば出来ることも変わる。教員の挑戦を生み出し,結果的に授業改善が進む。学習内容や教育方法といった側面ももちろん重要ですが,ハード面での学習環境の影響は極めて大きいです。ただ,それがなかなか施設設備に反映されない。本当に多くの大学で耳にしますが,どうにかならないものかなと思います。うちも正直やりやすい教室を探すのに一苦労で,割り当てられる部屋のほとんどがやりにくかったりします。もちろん,環境が悪いからアクティブラーニングは出来ないという言い訳は絶対したくないし,どんな環境でも出来るは出来ますが,DXやICTなどこれだけ時代が変わっているのに。もう少し教室の学習環境がアップデートされることを切に願います。ラーニングコモンズみたいな授業外学習のためのスペースは一定進みましたけど,通常の教室環境はかなり現代的教育ニーズに対応出来ていないなと思います。

 

今回の訪問ではオフィスフロアも見させていただきました。基本的には社員はフリーアドレスで,自分の好きな席で仕事をしています。前日と同じ場所には座らないように,といったルールはあるようです。椅子も色々で高さも色々。椅子が変わると発想も変わります。そういうところも普通に取り入れられています。部屋の仕切りはなく,あちこちでディスカッションやプレゼンテーション,オンライン会議などできる空間になっていて,カフェスペースや植物(フェイク)なども配置されています。

 

大学でもそういうところはあるかもしれませんが,依然として部署単位に部屋が仕切られていたり,座席はもちろん固定性,空間にゆとりもなく,創造的な仕事ができる環境ではないように感じます。学生の学習環境もそうですが,大人(職員)の学習(職場)環境も大事かと思います。

 

以前から学習環境については色々思うところがあったので,今回の訪問でさらにその思いが強くなりました。諦めるのは嫌なので,これからの学生の学びと成長のために,出来ることをしていきたいと思います。

学生ユニットMOCAによる授業改善レポートの刊行

私がプロデュースしている「関大生の学びと成長加速プラットフォーム」のユニット「MOCA(Meet On Creative Academy)」の学生たちが,この度,授業改善に資するレポートとリーフレットを作成してくれました。

 

正式名称は「学生が考える 学生にとって『よりよい授業』に必要な5つの要素」です。

 

フルレポートは24ページにも上り,そのエッセンスを凝縮したリーフレットは2ページで構成されています。それぞれ,私のウェブサイトに掲載しています(以下にもPDFリンクを置きます)。また,本学教育開発支援センターのウェブサイトでも閲覧できるようにしたいと考えています。

 

フルバージョンはこちら

リーフレット(ショートバージョン)はこちら

 

フルレポートの表紙。ぜひ本文をご覧下さい!

2021年度春学期に当方が担当していた教職科目「カリキュラム開発論」を受講していた4人の学生が2022年3月にユニット「MOCA」を結成し,この間,様々な活動を行ってきました。学びで学生同士をつなぎたい,意欲のある学生同士でつながりたいという想い,学生の声を大学教育・授業改善につなげたいという想いを持って,集まってくれた学生たちです。

 

まずは,2022年度春学期の同授業に参加観察し,受講生のサポートやフィールドノーツを含めた授業担当者へのフィードバックを行ってくれました。これだけでも十分な貢献なのですが,その後,夏には過去2ヶ年に「カリキュラム開発論」を受講した学生11名を集めてインタビューを実施してくれました。自分たちで逐語録を作成し,それを元に議論を進め,最終的に今回のレポートを作成・刊行してくれた次第です。学生4人は全員4回生で来週には卒業式を迎えます。卒業式直前まで一生懸命取り組んでくれたことに大きな感謝を述べたいと思います。

 

ちなみに,これは学部のゼミや卒業研究とは関係なく,アルバイト代が出るものでもなく,学生が純粋に「やりたい」気持ちによって支えられています。私は本当に必要な時,助言を求められた時に最低限サポートするのみで,この間学生たちを観てきました。誕生日会や食事に連れて行ったりのシャドーワークはありますが。

 

その意味では純粋に学生が大学の授業に何を望むのか,自分たち学生が主体的に学び成長するための授業にはどのような要素が必要だと考えるのかを知ることが出来ます。逆に言えば,大人(私)の意図や介入が含まれていないため,教員からすればキツイ表現に思える部分もあるかもしれませんが,学生なりに一言一言一生懸命紡いできたので,暖かい目で見ていただけると幸いです。同時に,読まれた感想などシェアしていただけると当人たちも喜びます。

 

また,レポートの作成のみならず,先週3月9日には,卒業目前の4回生を対象に,関大での学びを振り返り,これからを展望するイベント(こみゅREば)を企画・実施してくれました。色んな学部の学生10名が参加してくれて,じっくり語り合っていました。改めて,こういう場の必要性を感じました。素敵な企画をありがとうございました。

 

 

こうした取組は,大学教育の質保証プロセスにおける学生参画活動の一環として,とても意味・意義あるものだと確信しています。特に,大人(教職員)がごりごりに関与する「やらされ感」のある学生参画ではなく,学生の主体性を損なわない学生参画が重要だと感じており,今回は私にとっても重要なチャレンジでした。学生のモチベーションやリクルーティング,予算や学内への展開を含むマネジメントなど課題は山積みですが,継続的に取り組んでいきたいと思います。

大学コンソ京都FDフォーラム終わりました

昨日(2/24)は,大学コンソーシアム京都のFDフォーラムでした。

 

www.consortium.or.jp

 

分科会のテーマは「学生が過ごしたコロナ禍の大学生活」でした。今回のフォーラムでは10を超える分科会やシンポジウムがありますが,全てオンラインで実施されている中,この分科会だけ対面とオンラインのハイフレックス型で行いました。ナイス!

 

分科会のコーディネーターは中西勝彦さん(京都文教大学)。今年度着任して,コンソのFD委員として企画し,呼んでくれました。彼は僕が京大時代に指導していた大学院生(M1〜M2の9月まで)だったので,断るはずもなく,こうして教員になって呼んでもらえるというのは嬉しいことですね。

 

同じ登壇者の1人は,佐藤万知さん(京都大学)。僕の後,彼の指導を引き継いでくれた先生ということで,彼にとっては元指導教員2人を召喚したわけで,身内感がなかなかねという感じでしたが。もう一人の登壇者は,江崎洋子さん(京都文教大学)。社会連携部のフィールドリサーチオフィスの職員さんで,地域連携学生プロジェクトの学生さん3名を引き連れて発表してくれました。(江崎さん,本職は宇治の鵜匠ということで,普段聞けないような話を伺うことも出来ました)

 

コロナ禍で学生の世界に何が起こっていたのかを,全国の大規模学生調査(私)や2020年度入学生へのインタビューに基づく質的調査(万知さん),実際に地域活性化に携わった3人の学生の生の声(feat.江崎さん)を重ね合わせながら,学生理解を深め,じっくり振り返ろうという趣旨です。

 

会場のキャンパスプラザ京都には16名(定員20名の申し込みから当日4名が欠席)と,オンライン参加90名強(申込みは108名)の方々が参加して下さいました。3つの話題提供とパネルディスカッションまでは対面・オンライン双方参加で,その後のワークショップは対面のみという組み方もなかなかグッドでしたね。オンラインの残留率も高く,質問もたくさん出て,議論が尽きませんでした。何より,2020年度入学当事者である京都文教の学生たちの発表(この間の取り組みや葛藤など)を直接聞くことが出来て,嬉しかったし,とても心温まる心地よい空間でした。

 

今回は,中西くんが一生懸命考えてデザインしてくれました。コンソの方々も慣れないハイフレックスに一生懸命準備してくれました。感謝です。

 

会場には京大の院生や助教の方もサポートに来てくれたり,僕が関大で関わっている学生も来てくれて,終了後は登壇者とこのメンバーで懇親会でした。学部学生,大学院生,職員,教員と色んな立場のメンバーでワイワイ話してとっても楽しかったですね。久々に元指導院生を含む京大の院生らと話が出来て,やっぱりみんな議論が好きなので,自然とヒートアップしました。こういう時間もっと日常的に持たないとなと思いました。気づけば最寄り駅まで帰る電車はなく,終電+タクシーで帰る(家に着いたのは1時過ぎ)という長い長い1日になりました。

 

主催イベント2つを含め,5週連続の講演もここでストップ。3月は講演・研修等入っていないので(これは結構珍しい!),今年度はこれにて終了。1月には3本の原稿も書いたし,次の大学教育学会の発表エントリーも済ませたので,3月はインプット強化月間にしつつ,最低1本は論文を書くとしよう。

 

毎日ホントに充実していて,有り難いことです。対面に戻ってきて,人と会う機会も増えて,飲み会なんかも行くようになり,生活の充実感・QOLは確実に上がりますね。

母の傘寿のお祝い

今日は25日に80歳を迎える母親の傘寿のお祝いに1日費やしました。

 

正直,全然考えていなかったのですが,一昨日妹から「何か考えてる?」ってLINEが来て,「いや,全然」「何かする?」ってなって急遽立ち上がったプロジェクト。

 

まず日程調整から。4人の子どもがいて銀行の管理職を務める妹と僕のスケジュールを合わせるだけでも一苦労。妹「3月に入ってからにする?」という提案に対し,僕「23日(今日)はどう?」と返答。妹「私も何とかなる!」,僕「じゃやるか!」と決定。

 

妹「3人でお昼ご飯でも食べる?」,僕「どうせなら温泉でも連れてくか?」「日帰りで個室でお昼を食べて温泉に入るプランを探そう」となり,まずは有馬温泉あたりから始めるも,さすがに2日前で,祝日かつ全国旅行支援もあってほとんど満室。しかもめっちゃ高い。ということで,大阪の南の方,親戚が長らく住んでいた泉南郡にある犬鳴山温泉で条件に合うお宿(不動口館 https://www.fudouguchikan.com/)を見つけて予約。最後の1室やったみたい。大阪から車で60分あれば行けるのもいいですね。

 

川沿いにある露天風呂。気持ちよかった。写真はHPより。

とりあえずここでお風呂入って,お昼食べてOKでしょう,というところだったけど,妹が頑張って,前日にお花とケーキを注文しておいてくれて,また,お宿に事情を伝えて,ちゃんちゃんこなんかも手配しておいてもらってくれて,十分それなりのプランになりました。さすがわが妹。感謝。お宿の方々も,写真を撮って現像してくれたり,タイミングを見計らってケーキを持ってきてくれたりと,とても親切に対応してくれました。感謝です。

 

何より母がとても喜んでくれたので良かったです。

もっと事前にプランニングしとけよ!って話ですけどね。。

 

 

日帰りプランは11時〜14時30分までなので,ひとしきりのセレモニーを終えて,母が「最近まであった親戚の家を見に行きたい」,妹が「りんくうのアウトレットに行きたい」と言うので,それぞれ連れて行って,それぞれの家に送り届けて,少し前に帰宅。結局,朝9時前に家を出て,1日丸々プランになりました。

 

久しぶりに母や妹とゆっくり話が出来たので,良かったかな。

 

身体には気をつけて長生きしてくださいね。

高等教育開発者をめぐる構造的問題

今日は,早稲田大学の大学総合研究センターで講師(任期付)をされている蒋妍さんが来研してくれました。

 

蒋さんは,京大の高等教育で博士号を取られたのですが,当時僕はそこの教員として彼女が色々悩みながら頑張っている姿を見つつ,いくばくかの論文や精神的なサポートをしていました。7年半ぶりに会いました。

 

この間どんな風に過ごしてきたか,どんな悩みや葛藤があるのか,今後は……など久しぶりに色んな話をしました。

 

元々の用事は,本学教育推進部でライティング支援に携わってくれている特別任用助教の張暁紅さんに対して,科研費のインタビューで来られていたのですが,僕との繋がりもあるので,張さんも交えて一緒にお話しましょうということになりました。

 

先週金曜には,東洋大学IR室の劉文君教授が来研され,2時間ほどじっくりお話しました。

 

近々で3名の中国人研究者とゆっくりお話をしましたが,大学も立場も職務内容も異なるも,外国(日本)で高等教育研究・開発・支援に携わることの大変さや難しさを改めて実感しました。国際系や外国語教育,研究所といった部署ならまだしも,全学的な高等教育のフィールドでお仕事をするのは,日本人でも大変です。そもそもポストは安定していないし,人数も少ない上,学内での理解や協力が得られるかといってもなかなか厳しいのが実情です。この辺の話は昨日のブロク(対談記事)でも触れていますが,日本の高等教育が抱える歴史的かつ構造的な問題です。

 

激動の時代において高等教育の課題が年々複雑化・深刻化する中,専門的にそれらを読み解き,学内に適切に普及し,然るべき対策や支援を行う部署や人,その育成は,本当に急務の課題だと思うのですが,本当に進まないですね。言葉を選ばずに言わせてもらうと「馬鹿なの?」って思ってしまいます。ほんと汚くてすみません。今さっきも,高等教育開発の部署に務める知人から「上席から次の任用更新はありませんという電話があって途方に暮れている」という連絡があって,本当に一生懸命大学のために頑張っている若い人がなぜこんな目に会うのかと。さすがに怒りますよ。怒っても事態が改善するわけではないので,僕は僕なりにこうした仕事の重要性を身を以て示しつつ,色んな場所で言い続けるつもりですが。

 

教員と職員という2種類しかいない,かつ,海外と比べても,教員比率が圧倒的に高くて職員の数があまりにも少なかったり,ずっと言われているものの第3の専門職も一向に広がらない。もう1つの可能性は職員の育成。これは現実的ですね。仕事と大学院の両立に励む意欲的な職員も増えてきたし,学外のシンポやセミナーなどにも熱心に参加している職員の方とたくさんお会いします。とは言え,大学院といっても,高等教育を専門的に学べる大学院は本当に少ないのです。分野も比較・政策系はまだあるかもだけど,教授・学習系はほぼ皆無じゃないですかね(それこそ京大の高等教育くらいか)。本学の学生や他大学の職員から「山田先生は院生を受け入れていないのですか」と言われることもしばしばなのですが,現状はお断りするしかありません。「需要もあるしやらせて欲しい」と面接時にも息巻いたわけですが,なかなか厳しいでしょうね。大学間連携×オンラインの組み合わせで出来ないかなぁ。。

 

最後少し逸れてしまったかもしれませんが,要するに日本の高等教育開発を担う組織や人の配置,育成は重要であるにも関わらず,非常に乏しい状況で,それが外国人となるともうえげつなく大変だということですね。

 

みんなで元気に乗り越えていきましょうね,とお別れしました。

 

 

教育学術新聞に対談記事が掲載されました(本文有)

先週15日付で,日本私立大学協会が発刊している『教育学術新聞』に対談記事が掲載されました。このことについて書こうと思います。

 

対談のお相手は,大阪大学全学教育推進機構准教授の佐藤浩章先生です。佐藤さんは愛媛大学時代の同僚なので,よく知った間柄ではありますが,じっくり話をしたのは本当に久しぶりです。

 

今年1月15日に佐藤さんの新著『大学教員の能力開発研究』(玉川大学出版部)が刊行されました。

www.tamagawa-up.jp

 

本書は,佐藤さんが愛媛大学在職時代にまとめた博士論文がベースになっています。僕は当時博論を読ませてもらって,色々とコメントをしたり,本書の中核に据えられているFDの3×3モデルについて話をしたりしていました。その成果が博論に,長い年月を経て本書の刊行に至ったのは感慨深いですね。改めて,おめでとうございます。

 

そういうこともあり,佐藤さんから「ぜひ山田に読んでもらってコメントが欲しい」「本書の意義を最も深く理解してくれるのは山田より他にいない」「それをベースに対談をしたい」といったご提案をいただきました。身に余る光栄ですが,もちろん喜んでお引き受けしました。先月1月27日に,私大協の小林さん同席の下,オンラインで対談を行いました。2時間みっちり,本書を肴に日本の高等教育開発の経緯や課題,重要性など議論しました。FDがIRに押されて下火のように感じられる昨今の高等教育におけるFDの価値の再定位,担当者の役割の拡張など,話題は尽きませんでした。その内容の一端は原稿でご確認下さい。

 

佐藤さん骨折中のため写真は個別に用意することに

その内容を小林さんの方がうまくまとめてくれて,今回の記事に至りました。広く高等教育改革(教育の質保証や教学マネジメント,FD・SD,IR等)に携わる管理職や教職員,学生やステークホルダーのみなさんに読んでいただければと思います。

 

原稿は自由にご活用下さいということなので,原稿を付けさせていただきます。関係の皆様でご笑覧いただき,コメント等いただければ幸いです。最後に,本書がこれからの教育を見通すスコープとして機能すること,高等教育開発の戦略設計に役立てられること,未来の高等教育開発者への礎となること,この分野の研究開発が更に深まることを願っています。

 

 

関大教学IRフォーラム2022を終えて

本学教学IRフォラーム,無事に終わりました。今回は対面限定での開催としたことで,参加できなかったという方も漏れ聞いております。その点は申し訳ありませんでした。

 

ただ,今回は対面ならではの,同じ場を共有することの大切さ・意味を身体(五感)で感じていただきたかったため,そのように判断させていただきました。

 

会場の関大梅田キャンパス

最終123名の方々から申し込みをいただき,北は宮城,南は沖縄から参加して下さいました。本当にありがとうございました!講演を聞くだけでなく,参加者同士で情報交換する機会をたくさん作って,頭と心と身体をフルに使って対面ならではのアクティブラーニングを楽しんでいただけたかなと思います。参加者が楽しそうに名刺交換・情報交換している姿を見て,また,「楽しかった!」とたくさんの方が笑顔で高揚気味に伝えて下さって,企画・運営責任者として本当にやって良かったなと嬉しく思います。

 

食い気味に名刺交換する参加者のみなさん

 

もちろん,今回のフォーラムの成功には「チーム関大」の力があります。今回のフォーラムがどういう趣旨・目的で,参加者にどうなってもらいたいかをスタッフのみんなと共有して,何度も確認しながら進めてきました。僕はこういうイベントは「ただテーマに沿った講演者を呼んで話してもらう。スタッフはその裏方としてミスがないよう進行する」といった無機質なものではなく,極めて「コンセプチュアルなもの」だと思っています。ただ,良曲を並べてアルバムを作るのではなく,このアルバムを通じてどんな感情になってもらいたいのかを考えてアルバムって創られると思うのですが,イベントも,もっと言えば授業もそうだと思っています。そこが一緒にイベントを創るスタッフと共有できれば,自ずと一人ひとりのスタッフから醸し出される雰囲気が変わっていきます。なので,僕がプロデューサー的に関与する関大の関係イベントでは,参加者から「チーム関大」の運営が素晴らしかったといった感想をいただくことが多いです。手前味噌ですが,それは単に個々のスタッフのスキルが高いといったことではなく,「思いの共有」なのだと考えています。

 

図らずもこの「思いの共有」ということの大切さが,講演者のお一人である吉武先生より強調されました。IRやKPIの本質は「良い見える化」だと,そしてその土台には「思い」があると。「思い(どのような大学にしたいのか)」が「良い見える化」を生み,それが「気づき→思考→対話→行動」を生み出すのだと。まさに「我が意を得たり」でした。今回のフォーラムでは「教学マネジメントの本質」に迫りたい,ややもすると「測定や可視化」が目的化してしまう,補助金獲得や認証評価が目的化してしまう,そこからどう脱却し,本質的な教学マネジメントを実現できるのか,そこをみんなで考える場にしたかったのです。測定技術や情報技術はその「思い」を遂げるための手段だということです。逆に言えば,その「思い」がなければ,あらゆる物事が形式的になってしまいかねないということです。大学組織経営論の専門性からも,あらゆる大学の顧問や評価者など要職に就かれ,現在も理事長を努めておられる吉武先生からそのような力強い言葉を伺えたことが何より嬉しかったです。講演自体も大変素晴らしく,豊富な知識や経験に裏付けられ,理性的かつ情熱的に語る先生の見識やお人がらに本当に感動しっぱなしでした。こんな大学人になりたい,先生のように何歳になっても真摯に学び成長し続ける大人でありたいと強く感じました。

 

JUAAの工藤さんからは,認証評価の基本的な考え方からその本質がどこにあるのか,私たちには何が期待されているのか,どこに力点を置いて改革に着手していけばいいのかなど丁寧に話していただき,改めて頭の整理が出来たし,自分の考えがずれていない,同じ方向を向いていることも確認できて良かったです。冷静な語り口からも,大学に良くなってほしいという想いがある方で,とても共感できるし,お願いして良かったと痛感しています。お二人ともぜひお呼びしたいと思っていたわけですが,立場が違っても見ている方向性が想定以上に共通していたし,それは私が本当に大事だと思っていることでもあったので,そういう意味でもとっても嬉しかったです。

 

フォーラムのメインプログラムの後は,任意参加での情報交換会(名刺交換会)でした。今回の裏目的は「持ってきた名刺を全部使い切ること」でした。コロナ禍で出来なかった名刺交換を出来るだけたくさんの方として欲しいということで,そうなるように休憩時間やフロアディスカッション,情報交換会などをセッティングしました。そういいつつ,僕も20数枚は持っていっていたのですが,あっという間になくなってしまい,あと20枚は持ってこないといけない状況になってしまいました。失敗失敗。

 

その後は,講師のお二人と,本学理事長,学長,副学長,学長補佐の先生方をお連れして会食に。今回のフォーラムには,最初から最後まで芝井理事長も参加して下さいました。前田学長もIRフォーラムには毎回最初から最後まで参加して下さります。これは決して当たり前のことではなく,本当に有り難いことだと思っています。あちこち学外講演に行くと,コロナ禍以前であれば学長先生らと食事をご一緒させていただくことも多かったのですが,吉武理事長と芝井理事長の話はさすがに対応するのが厳しかったです。教学の話題だけではなく,経営や予算,人事,文科省以外にも自民党や関係省庁など,政治的な話題も多く,普段なかなか耳にできない話なので刺激的でした。役得!

 

 

会話が途切れることなく会食も終わり,講師の2人をお送りし,お別れしました。本当にありがとうございました!オンラインで講演を聞くだけとは比べ物にならないくらいリッチな経験と満足感を得ることが出来ました。対面最高!めっちゃ楽しかったです!

 

お見送り。写真と握手でお別れ。

 

第4期認証評価のポイント

本日(2/15)付で,大学基準協会(JUAA)より,第4期機関別認証評価(2025年度〜)に関する「『大学基準』及びその解説」等の改定案が出され,パブリック・コメントが実施されることとなりました。

 

www.juaa.or.jp

 

まだ詳しくは読めていませんが,取り急ぎメモ程度に。

改定の基本的な方向性として以下の6点が挙げられています。

  1. 学習成果を基軸に据えた内部質保証の重視とその実質性を問う評価
  2. 大学の取り組みの有効性・達成度を重視する評価
  3. オンライン教育の動向を踏まえた評価
  4. 学生の意見を取り入れた評価
  5. 特色ある取り組みの評価
  6. 効果的・効率的な評価の実施 

 

今回の改定のポイントは,

  • 第3期の中核であった基準2「内部質保証」について,全学的な機能の強化や有効性等の実質化に係る部分を更に追求しようということ
  • その発着点に「学習成果」が据えられており,最もヘビーな基準4「教育課程・学習成果」も「教育・学習」にタイトルが変わり,より包括的に「学習」を中核とした評価になるということ
  • オンライン教育の評価について,オンライン教育単体で評価するというより,学生の学習という観点から見て対面授業の質保証・向上も重要という認識から,オンライン・対面双方に関する大学の方針が評価の視点となるということ
  • とりわけ私立大学で重要事項となる基準10「大学運営・財務」において,教学組織と法人組織の関係について,法人組織の適切な運営も含む連携機能の強化という視点が盛り込まれているということ

などが重要なところかなと思います(文章は私の方で作っているので,元の文章は上記資料にてご確認下さい)。

 

特に,上記2つ目の点に関して,これまでの評価が「教育(教員による働きかけ)」に焦点化されていたことから,より「学生の学習」に力点を置いたものにしていきたいという方向性は重要だと感じています。

 

一方,問題の本質は,評価の視点が教育に焦点化されていたかということではなく,評価に携わるもの(教職員)の視点が学習者視点になっていないことにあると思っています。今回の改定における評価の方向性の変化が大学構成員に適切に理解され,依然として変わっていない教授から学習へのパラダイム・シフトへと繋がればいいなと感じています。とは言え,ここはなかなか評価で変えづらいところなので,評価対応という形式的な作業からではなく,学内での本質的な議論・FD等との接続が重要になると考えます。

 

とどのつまりは,学生の学びと成長を促すために機関としてディベロップし続けることが最大目標であり,その手段の1つが認証評価なので,そこをどれだけ関係構成員で共有し,実現できるかがカギですね(それが難しいのですが…)。

 

今週末(2/18)に開催される本学教学IRフォーラムには,大学基準協会事務局長の工藤さんにもご講演いただくので,そこでも今回の改定に係る話題を聞けると思います。グッドタイミングでした。

 

もちろん,これからパブコメを経て,加筆・修正等は入ると思いますが,大筋は変わらないのかなと。

 

本学は第4期認証評価の1年目に受審することになるので,しっかり勉強して,臨みたいと思います。

科研沖縄出張レポート

もう2週間ほど前になりますが,1月22日(日)・23日(月)と沖縄出張でした。

 

科研の基盤B「大学の質保証を支える教育プログラムの評価と改善の好循環システムに関する研究」(研究代表 鳥居朋子/立命館大学)の一環で,沖縄県立芸術大学への訪問調査と研究会がメインでした。

 

初日は夕方から科研メンバーでの内部研究会。この日に全員の予定を合わせるのは至難の業でしたね。この間,全国の主に学部長を対象に調査を行い,そこからメンバーで手分けしてヒアリング調査を行ってきました。最終的には全学と学部等とが連携しながら,効果的な教育プログラムを構築し,持続的に運用するためのティップスとしてまとめあげるという取組です。

 

以前の科研で行った共通教育のマネジメントティップスのノウハウも参考にしながら進めています。ちなみに,その成果は国内外に発信し,学会賞も頂きました。

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大学教育学会 会長特別賞・受賞(鳥居朋子・岡田有司・川那部隆司・山田剛史「共通教育の質保証のためのマネジメントのティップスVer.1」(日本語版)・「Management Tips for Quality Assurance in General Education Ver. 1.0」(英語版),2016年1月公開)

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研究会後は沖縄料理を楽しみました♪

 

 

こういう機会にお互いの大学の状況やHP等では見えない取組の裏側など,様々な情報交換,意見交換が出来るので,やはり得られる情報量は圧倒的ですね。

 

翌日は,沖縄県立芸術大学への訪問調査が1日ギッチリで,午前中は学長等へのヒアリングでした。が,僕は本務校の執行部会議(内部質保証とIRに関する2つの会議)に出席し,発表・質疑応答等の役割があったため,ホテルで時間延長して1人Zoomでした。これはこれで大事なのでしょうがないですね。

 

 

昼前に終わって,急いで大学のある首里駅へ。首里城が真横にあるのです。全く見に行く時間がなかったのですが。。午後からもプログラムがびっちり。先方の学長先生が,せっかく来られるのでということですごくリッチなプログラムを用意してくれました。おまけに3キャンパスを車で回ってくれたのですが,そこにも全てアテンドしてくれて,文字通り丸々一日対応して下さいました。本当に感謝です。

 

沖縄らしい何ともしぶい門構え

 

この大学に訪問調査に行こうという話になったのは,科研メンバーの1人である高橋先生@大阪公立大学副学長が学長先生と面識があり,芸術分野でのパフォーマンス評価を組織的に実践しようとされているということから実現しました。

 

ということで,午後一のプログラムは,器楽専攻弦楽コースの試験に同席させてもらいました。大きなホールで学生一人ひとりが出てきて,各々の弦楽器で指定課題を5分程度演奏するのですが,それを向かいに座っている教員2名が予め作成・共有しているルーブリックに基づいて評価するというものです。

 

30分ほど見させていただいた後,キャンパスを移動して,琉球芸能専攻琉球舞踊の授業を見学させていただきました。部屋に入ると舞台の上に袴を着た男子学生2人と女性教授,そして何やら師範っぽいおばあさまが1人。後で聞いたら,その方は人間国宝の方だそうです。2人の学生はただひたすらにソロリソロリと壇上を行ったり来たり。そこを2人の先生が都度都度指示を与えて,パフォーマンスを修正していく。何という忍耐力と思いつつ,30分ほど見学させていただいて,また別のキャンパスに移動。

 

次は芸術文化研究所で所長の先生らとディスカッションをさせていただき,工芸専攻織分野の授業を見学。学生らにお話も伺いつつ,琉球文化に少し触れることが出来ました。その後も,陶芸や溶接,木工など,キャンパスの至るところで各々が自分の作品と向き合っている姿を見ることが出来ました。

 

 

最後は,学長はじめ執行部の先生方と意見交換。結局,飛行機の時間ギリギリまで話して急いで空港に向かったので,正直,どこも見たりすることは出来ませんでした。また,ゆっくり来たいと思います。

 

同じ「大学」といってもこんなにも違うのかというのが第一印象。ゆったりとしたキャンパスで各々が創りたい作品や演じたい楽器,伝統芸能と向き合っている。卒業制作の時期ということもあるだろうけど,ある意味孤独な営みだなとも感じました。もう1つは,こうした個々の独創性・創造性を対象に評価する(共通のモノサシで捉える)ということの難しさというより,その意味は何なんだろうか,ということも感じました。これまで,芸術領域は教員(その道の専門家)の中にある基準,そしてそれは往々にしてその道のプロとして見たときの基準に則って評価されるのが一般的だと思います。

 

しかし,そこにルーブリックのような共通のモノサシを導入して評価していくということは多くのこの領域の教員にとっては受け入れがたく,違和感があるかと思われます。ただ,多くの学生は芸大に来たとしても,芸術の世界で仕事をしていくわけではないし,それが難しいことは学生も痛感しています。なので,僕が現地で聞いた学生も,織物の大作を全て手作業で作っている学生もIT企業に,溶接で重厚な作品を創っている子もネイリストにといったように,必ずしもその道のプロフェッショナルになるわけじゃないんですよね。だから,「芸術家の育成」ではなく,「芸術を通した教育」が必要ということで,そのためには評価のあり方も変わっていく必要がある。そんな考えもあって,今回の組織的なルーブリックの展開に至っているものと思われます。

 

でも,それでも,現地の学生たちを見ると,思ってしまいました。そもそもこの子たちに評価なんていうものが必要なのだろうかと。学生が自由に創造性を発揮して,様々な物事に挑戦できる,その環境を整えることが精緻な評価を行うことより何倍も意味があると感じずにはいられませんでした。

 

これは現地に行かないと分からない世界だし,現地に行ったからこそ改めて評価について問い直すきっかけが得られたと思います。何より楽しかったです。色んな立場,専門分野の違うメンバーで,同じ実践に触れ,議論することで多角的な視点から高等教育をみとることが出来るのも楽しいです。

 

もっともっと色んな大学,色んな実践に触れて,高等教育開発者としての力量を上げていきたいなと感じました。

 

最後に,ご対応いただいた学長先生をはじめ,教職員のみなさまに感謝申し上げます。

書籍刊行のお知らせ

宣伝が遅れましたが,先月1月中旬に編著本が刊行されました。

 

タイトルは『心のなかはどうなっているの?〜高校生の「なぜ」に答える心理学〜』ということで,日本青年心理学会の常任理事(当時)のメンバーを中心に(若松先生@和歌山大学を筆頭に),多くの会員の先生方にも執筆いただいて,福村出版より刊行の運びとなりました。

 

www.fukumura.co.jp

 

私も常任理事の1人として編者に加わらせていただき,「第7章 学校と勉強の意味と役割」と「第16章 学校って塾と通信教育でもいいよね?――学校生活と社会性の心理学」も執筆しています。

 

主な読者層を高校生に置いているということで,心理学の入門的な読み物としても分かりやすくまとまっていると思います。それぞれ高校生が抱くであろうモヤモヤを疑問形の形で表し,それに答えるという構成になっているので,個人的には探究活動の教材としても使えるんじゃないかなと思っています。

 

なので,生徒の心理を理解したい高校の先生方はもちろん,子どもの心を理解したい親御さんにも手にとってもらえると嬉しいです。欲を言えば,高大接続や初年次教育,大学教育の目線からも,入学してくる高校生の心理を把握しておくことは有益かと思いますので,大学の教職員の方々にもお届けしたいです。

 

と,宣伝でした。

つよしずしのみんなと

今日は午後から「関大生の学びと成長加速プラットフォーム」の地域活性化ユニット「つよしずし」のメンバーと一緒でした。

 

八尾市政策企画部広報・公民連携課からの依頼で始まった活動もはや7ヶ月。4回生2人と3回生3人の計5人でこの間一生懸命取り組んできました。専攻や学年も異なる中で,またそれぞれが就職活動やアルバイト,ゼミ,卒業論文等色んなことを抱えている中で,単位にも卒業要件にも関わらない活動に本当に一生懸命取り組んできました。グループLINEでは昼夜問わずひっきりなしにやり取りがなされ,ほぼ毎週僕の研究室で集まって作業をし,八尾市や地域連携センターの職員さんらとはDiscordを使って情報共有やフィードバックをもらって,軌道修正しながらこの間進めてきました。

 

12月からは実際に現地(八尾市の大型商業施設「アリオ八尾」の八尾市情報発信コーナー)で「健康大作戦!」と称したイベントを2月までの3ヶ月にわたって実施しています。3週間に1度,施設内にある情報も手がかりに問題を出して,そのキーワードを集めて1つのワードを完成させるというものです。

 

今日は,第3弾となる問題の張り出しに行くということで,僕も現地に行ってきました。八尾市の職員さんも可能な限り張り出しの際には顔を出すようにしてくれていました。

 

こういう場所ってなかなか活性化していないですよね。チラシを置いて,ポスター貼って終わり,常駐スタッフもいなければ,ほとんど人は訪れない,そんな場所で何が出来る?という難しさの中で,学生たちなりに精一杯思いを込めて活動を進めてくれました。みんなで力を合わせて,本当に1つのチームになって,最高の仲間になっていってくれたことが何より嬉しいです。

 

 

この活動だけでも大変なのに,地域連携センター主催の奨励賞プレゼンテーション審査会に出場したり,先日は吹田市関西大学連携推進協議会でも報告を行いました。吹田市の副市長や本学専務ら重役がずらりと揃う中でも見事なプレゼンを行い,「これまでで一番良かった」などたくさんのお褒めの言葉をいただいたと伺っています。

 

他にも,メンバーの何人かは新聞で写真付きで取材記事が掲載されたり,つい先日,既に第一希望の企業に内定をもらった学生もいたりと,結局,こういう子たちってちゃんと決まるんですよね。

 

また,つよしずしのリーダーのなっつが来週から半年間留学に行くということで,一旦今日でキリを付けるということになりました。ということで,たくさんサポートしてくれた地域連携センターの職員さんとも合流して,なっつの送り出し会を行いました。

 

なっつ,ここまでありがとうね。留学,めいっぱい楽しんで。帰国後,一段と成長した姿を見せに来てね。

 

改めて,みんなとゆっくり話が出来て本当に楽しい時間でした。みんながこのプロジェクト(ユニット活動)を通じて大きく成長したこと,卒業後も付き合っていける仲間と出会えたこと(僕も含め),本当に嬉しい限りです。

 

八尾市とのプロジェクトは2月末で一旦区切りを迎えます。その後,「つよしずし」をどうしていきたいか。学生の気持ちや考えを第一に決めていければと思います。

 

 

コワーキングスペースもいいね

今日は今日とて朝から原稿執筆。朝起きるのが辛いのと、家の書斎やとギアが入るのに時間がかかるのと、なかなか書きづらい原稿なので、今日も外に出ることに。

 

とは言え、2日続けてホテルのデイユースはさすがにお金もかかるしねということで、今日はコワーキングスペースを選択しました。

 

僕が住む北摂エリアではあんまり見当たらなかったので、江坂駅近くにある「3DROPS」(https://3sundrops.com/)というところに行ってきました。とは言え、車で15分くらいなので、全然射程圏内。

 

店内もキレイやったし、デスクもゆったり。各デスクには電源もあるし、WiFiも使える。フリードリンクもあって、2時間550円。プラス1時間ごとに110円で、朝から晩まで居ても上限は1,200円と、何とも魅力的。

 

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書き出すと早いのだけど、なかなか最初の一手が出にくい私。背中を押してもらいたい時は、それこそ院生の頃から自宅や研究室とは違う環境に移動して書いていました。お金がない院生の頃なんかは、ファーストフード店や環状線を一周しながらPCのバッテリーが切れるまで書いたり、地方大学のときはおしゃれだけど混んでいないカフェが多かったのでゆっくり書いたりしてました(今思えばすごく良い環境でした)。都会だとカフェとかは席幅も狭くてデスクも小さいし、基本混んでるのでどうしようかなーと悩んでいたのですが、昨日・今日と発見したホテルのデイユース(場合によっては宿泊も)やコワーキングスペースはぜひ活用していきたいと思います。

 

おすすめのところなどあれば、教えてもらえたら嬉しいです!

デイユースという選択

12月中旬からの体調不良と年始のコンタクト騒動で、相当パフォーマンスが低下してしまい、色々と滞ってしまいました。

 

そんな中、今日は18時から検査と届いたテストレンズのチェックのため、いま天王寺の眼科に来ています。。

 

しかし、何とかリズムを変えたい、締切の原稿も書かなきゃいけないということで、昨晩急遽、新大阪のホテルをデイユースという形で予約して、午前中から集中して原稿を書いてきました。

 

これは相当良かったです。

 

今回トライしたのは、アパホテル新大阪駅前なのですが、11時~17時まで最大6時間で4,000円。真横に駐車場もあるし(上限1,300円)、15時からは大浴場(人工温泉)も利用出来るので、チェックアウト前にちょこっと入ってきました。

 

部屋もキレイやし、原稿を書くために必要なデスクもゆったり。空調も良い感じやし(結構重要)、壁付の大型モニターはスマホミラーリング出来るので、お気にのSpotifyのプレイリストを流しつつ。せっかくやから浴衣に着替えて原稿執筆。

 

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咳喘息が完治してなくてまだ咳も出ちゃうので、公衆のカフェとかのような場所だと気を遣ってしまうし、都会のカフェとか人がギチギチなのでもって2時間くらいだし。PCのバッテリーも気にしなくていいし。その意味でもホテルはいい。

 

11時にチェックインする時には結構利用客もいてビックリ。コロナ禍で普及したホテルのデイユース、これは大いに「あり」ですね。

 

今年はこういう選択肢も活用しながら、自分なりのワーキングスタイルを再構築しようと思います。

切り替えていきまっしょい

昨日はなかなか不穏なスタートを綴りましたが、凹んでばかりもいられない。

 

ということで、昨年に引き続き、京都にある晴明神社に初詣に行ってきました。

 

御神木からしっかりパワーをもらいました。

 

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まぢな話、神社に入ってしばらくすると、突然背中(右側の肩甲骨あたり)が引っ張られるような痛みが出て、しばらくすると左側に移って、どうしよう!?ってなって、御神木に抱きついて、背中当てたら痛みがなくなったんです。なんか憑いてたんじゃないかなって。

 

おみくじは見事に「大吉」でした!

 

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《健康》生活習慣の見直しを

《勉強》先を見て計画を立てよ

《仕事》意見交換で良き案が出る

《勝負》迷った時は引け

《願事》初め思わしからず時がたてば叶う

 

こんな結果でした。

前に突っ込むだけではなく、慌てず冷静に、様々な人と意見交換しながら計画的に物事を進める。その基盤として、あまりにも不規則な生活習慣を整える。

 

肝に銘じつつ、「自分の心が動くかどうか」を大切に良き1年にしたいと思います。