人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

関大教学IRフォーラム2022を終えて

本学教学IRフォラーム,無事に終わりました。今回は対面限定での開催としたことで,参加できなかったという方も漏れ聞いております。その点は申し訳ありませんでした。

 

ただ,今回は対面ならではの,同じ場を共有することの大切さ・意味を身体(五感)で感じていただきたかったため,そのように判断させていただきました。

 

会場の関大梅田キャンパス

最終123名の方々から申し込みをいただき,北は宮城,南は沖縄から参加して下さいました。本当にありがとうございました!講演を聞くだけでなく,参加者同士で情報交換する機会をたくさん作って,頭と心と身体をフルに使って対面ならではのアクティブラーニングを楽しんでいただけたかなと思います。参加者が楽しそうに名刺交換・情報交換している姿を見て,また,「楽しかった!」とたくさんの方が笑顔で高揚気味に伝えて下さって,企画・運営責任者として本当にやって良かったなと嬉しく思います。

 

食い気味に名刺交換する参加者のみなさん

 

もちろん,今回のフォーラムの成功には「チーム関大」の力があります。今回のフォーラムがどういう趣旨・目的で,参加者にどうなってもらいたいかをスタッフのみんなと共有して,何度も確認しながら進めてきました。僕はこういうイベントは「ただテーマに沿った講演者を呼んで話してもらう。スタッフはその裏方としてミスがないよう進行する」といった無機質なものではなく,極めて「コンセプチュアルなもの」だと思っています。ただ,良曲を並べてアルバムを作るのではなく,このアルバムを通じてどんな感情になってもらいたいのかを考えてアルバムって創られると思うのですが,イベントも,もっと言えば授業もそうだと思っています。そこが一緒にイベントを創るスタッフと共有できれば,自ずと一人ひとりのスタッフから醸し出される雰囲気が変わっていきます。なので,僕がプロデューサー的に関与する関大の関係イベントでは,参加者から「チーム関大」の運営が素晴らしかったといった感想をいただくことが多いです。手前味噌ですが,それは単に個々のスタッフのスキルが高いといったことではなく,「思いの共有」なのだと考えています。

 

図らずもこの「思いの共有」ということの大切さが,講演者のお一人である吉武先生より強調されました。IRやKPIの本質は「良い見える化」だと,そしてその土台には「思い」があると。「思い(どのような大学にしたいのか)」が「良い見える化」を生み,それが「気づき→思考→対話→行動」を生み出すのだと。まさに「我が意を得たり」でした。今回のフォーラムでは「教学マネジメントの本質」に迫りたい,ややもすると「測定や可視化」が目的化してしまう,補助金獲得や認証評価が目的化してしまう,そこからどう脱却し,本質的な教学マネジメントを実現できるのか,そこをみんなで考える場にしたかったのです。測定技術や情報技術はその「思い」を遂げるための手段だということです。逆に言えば,その「思い」がなければ,あらゆる物事が形式的になってしまいかねないということです。大学組織経営論の専門性からも,あらゆる大学の顧問や評価者など要職に就かれ,現在も理事長を努めておられる吉武先生からそのような力強い言葉を伺えたことが何より嬉しかったです。講演自体も大変素晴らしく,豊富な知識や経験に裏付けられ,理性的かつ情熱的に語る先生の見識やお人がらに本当に感動しっぱなしでした。こんな大学人になりたい,先生のように何歳になっても真摯に学び成長し続ける大人でありたいと強く感じました。

 

JUAAの工藤さんからは,認証評価の基本的な考え方からその本質がどこにあるのか,私たちには何が期待されているのか,どこに力点を置いて改革に着手していけばいいのかなど丁寧に話していただき,改めて頭の整理が出来たし,自分の考えがずれていない,同じ方向を向いていることも確認できて良かったです。冷静な語り口からも,大学に良くなってほしいという想いがある方で,とても共感できるし,お願いして良かったと痛感しています。お二人ともぜひお呼びしたいと思っていたわけですが,立場が違っても見ている方向性が想定以上に共通していたし,それは私が本当に大事だと思っていることでもあったので,そういう意味でもとっても嬉しかったです。

 

フォーラムのメインプログラムの後は,任意参加での情報交換会(名刺交換会)でした。今回の裏目的は「持ってきた名刺を全部使い切ること」でした。コロナ禍で出来なかった名刺交換を出来るだけたくさんの方として欲しいということで,そうなるように休憩時間やフロアディスカッション,情報交換会などをセッティングしました。そういいつつ,僕も20数枚は持っていっていたのですが,あっという間になくなってしまい,あと20枚は持ってこないといけない状況になってしまいました。失敗失敗。

 

その後は,講師のお二人と,本学理事長,学長,副学長,学長補佐の先生方をお連れして会食に。今回のフォーラムには,最初から最後まで芝井理事長も参加して下さいました。前田学長もIRフォーラムには毎回最初から最後まで参加して下さります。これは決して当たり前のことではなく,本当に有り難いことだと思っています。あちこち学外講演に行くと,コロナ禍以前であれば学長先生らと食事をご一緒させていただくことも多かったのですが,吉武理事長と芝井理事長の話はさすがに対応するのが厳しかったです。教学の話題だけではなく,経営や予算,人事,文科省以外にも自民党や関係省庁など,政治的な話題も多く,普段なかなか耳にできない話なので刺激的でした。役得!

 

 

会話が途切れることなく会食も終わり,講師の2人をお送りし,お別れしました。本当にありがとうございました!オンラインで講演を聞くだけとは比べ物にならないくらいリッチな経験と満足感を得ることが出来ました。対面最高!めっちゃ楽しかったです!

 

お見送り。写真と握手でお別れ。