人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

教育学術新聞に対談記事が掲載されました(本文有)

先週15日付で,日本私立大学協会が発刊している『教育学術新聞』に対談記事が掲載されました。このことについて書こうと思います。

 

対談のお相手は,大阪大学全学教育推進機構准教授の佐藤浩章先生です。佐藤さんは愛媛大学時代の同僚なので,よく知った間柄ではありますが,じっくり話をしたのは本当に久しぶりです。

 

今年1月15日に佐藤さんの新著『大学教員の能力開発研究』(玉川大学出版部)が刊行されました。

www.tamagawa-up.jp

 

本書は,佐藤さんが愛媛大学在職時代にまとめた博士論文がベースになっています。僕は当時博論を読ませてもらって,色々とコメントをしたり,本書の中核に据えられているFDの3×3モデルについて話をしたりしていました。その成果が博論に,長い年月を経て本書の刊行に至ったのは感慨深いですね。改めて,おめでとうございます。

 

そういうこともあり,佐藤さんから「ぜひ山田に読んでもらってコメントが欲しい」「本書の意義を最も深く理解してくれるのは山田より他にいない」「それをベースに対談をしたい」といったご提案をいただきました。身に余る光栄ですが,もちろん喜んでお引き受けしました。先月1月27日に,私大協の小林さん同席の下,オンラインで対談を行いました。2時間みっちり,本書を肴に日本の高等教育開発の経緯や課題,重要性など議論しました。FDがIRに押されて下火のように感じられる昨今の高等教育におけるFDの価値の再定位,担当者の役割の拡張など,話題は尽きませんでした。その内容の一端は原稿でご確認下さい。

 

佐藤さん骨折中のため写真は個別に用意することに

その内容を小林さんの方がうまくまとめてくれて,今回の記事に至りました。広く高等教育改革(教育の質保証や教学マネジメント,FD・SD,IR等)に携わる管理職や教職員,学生やステークホルダーのみなさんに読んでいただければと思います。

 

原稿は自由にご活用下さいということなので,原稿を付けさせていただきます。関係の皆様でご笑覧いただき,コメント等いただければ幸いです。最後に,本書がこれからの教育を見通すスコープとして機能すること,高等教育開発の戦略設計に役立てられること,未来の高等教育開発者への礎となること,この分野の研究開発が更に深まることを願っています。