本日(2/15)付で,大学基準協会(JUAA)より,第4期機関別認証評価(2025年度〜)に関する「『大学基準』及びその解説」等の改定案が出され,パブリック・コメントが実施されることとなりました。
まだ詳しくは読めていませんが,取り急ぎメモ程度に。
改定の基本的な方向性として以下の6点が挙げられています。
- 学習成果を基軸に据えた内部質保証の重視とその実質性を問う評価
- 大学の取り組みの有効性・達成度を重視する評価
- オンライン教育の動向を踏まえた評価
- 学生の意見を取り入れた評価
- 特色ある取り組みの評価
- 効果的・効率的な評価の実施
今回の改定のポイントは,
- 第3期の中核であった基準2「内部質保証」について,全学的な機能の強化や有効性等の実質化に係る部分を更に追求しようということ
- その発着点に「学習成果」が据えられており,最もヘビーな基準4「教育課程・学習成果」も「教育・学習」にタイトルが変わり,より包括的に「学習」を中核とした評価になるということ
- オンライン教育の評価について,オンライン教育単体で評価するというより,学生の学習という観点から見て対面授業の質保証・向上も重要という認識から,オンライン・対面双方に関する大学の方針が評価の視点となるということ
- とりわけ私立大学で重要事項となる基準10「大学運営・財務」において,教学組織と法人組織の関係について,法人組織の適切な運営も含む連携機能の強化という視点が盛り込まれているということ
などが重要なところかなと思います(文章は私の方で作っているので,元の文章は上記資料にてご確認下さい)。
特に,上記2つ目の点に関して,これまでの評価が「教育(教員による働きかけ)」に焦点化されていたことから,より「学生の学習」に力点を置いたものにしていきたいという方向性は重要だと感じています。
一方,問題の本質は,評価の視点が教育に焦点化されていたかということではなく,評価に携わるもの(教職員)の視点が学習者視点になっていないことにあると思っています。今回の改定における評価の方向性の変化が大学構成員に適切に理解され,依然として変わっていない教授から学習へのパラダイム・シフトへと繋がればいいなと感じています。とは言え,ここはなかなか評価で変えづらいところなので,評価対応という形式的な作業からではなく,学内での本質的な議論・FD等との接続が重要になると考えます。
とどのつまりは,学生の学びと成長を促すために機関としてディベロップし続けることが最大目標であり,その手段の1つが認証評価なので,そこをどれだけ関係構成員で共有し,実現できるかがカギですね(それが難しいのですが…)。
今週末(2/18)に開催される本学教学IRフォーラムには,大学基準協会事務局長の工藤さんにもご講演いただくので,そこでも今回の改定に係る話題を聞けると思います。グッドタイミングでした。
もちろん,これからパブコメを経て,加筆・修正等は入ると思いますが,大筋は変わらないのかなと。
本学は第4期認証評価の1年目に受審することになるので,しっかり勉強して,臨みたいと思います。