人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

学生ユニットMOCAによる授業改善レポートの刊行

私がプロデュースしている「関大生の学びと成長加速プラットフォーム」のユニット「MOCA(Meet On Creative Academy)」の学生たちが,この度,授業改善に資するレポートとリーフレットを作成してくれました。

 

正式名称は「学生が考える 学生にとって『よりよい授業』に必要な5つの要素」です。

 

フルレポートは24ページにも上り,そのエッセンスを凝縮したリーフレットは2ページで構成されています。それぞれ,私のウェブサイトに掲載しています(以下にもPDFリンクを置きます)。また,本学教育開発支援センターのウェブサイトでも閲覧できるようにしたいと考えています。

 

フルバージョンはこちら

リーフレット(ショートバージョン)はこちら

 

フルレポートの表紙。ぜひ本文をご覧下さい!

2021年度春学期に当方が担当していた教職科目「カリキュラム開発論」を受講していた4人の学生が2022年3月にユニット「MOCA」を結成し,この間,様々な活動を行ってきました。学びで学生同士をつなぎたい,意欲のある学生同士でつながりたいという想い,学生の声を大学教育・授業改善につなげたいという想いを持って,集まってくれた学生たちです。

 

まずは,2022年度春学期の同授業に参加観察し,受講生のサポートやフィールドノーツを含めた授業担当者へのフィードバックを行ってくれました。これだけでも十分な貢献なのですが,その後,夏には過去2ヶ年に「カリキュラム開発論」を受講した学生11名を集めてインタビューを実施してくれました。自分たちで逐語録を作成し,それを元に議論を進め,最終的に今回のレポートを作成・刊行してくれた次第です。学生4人は全員4回生で来週には卒業式を迎えます。卒業式直前まで一生懸命取り組んでくれたことに大きな感謝を述べたいと思います。

 

ちなみに,これは学部のゼミや卒業研究とは関係なく,アルバイト代が出るものでもなく,学生が純粋に「やりたい」気持ちによって支えられています。私は本当に必要な時,助言を求められた時に最低限サポートするのみで,この間学生たちを観てきました。誕生日会や食事に連れて行ったりのシャドーワークはありますが。

 

その意味では純粋に学生が大学の授業に何を望むのか,自分たち学生が主体的に学び成長するための授業にはどのような要素が必要だと考えるのかを知ることが出来ます。逆に言えば,大人(私)の意図や介入が含まれていないため,教員からすればキツイ表現に思える部分もあるかもしれませんが,学生なりに一言一言一生懸命紡いできたので,暖かい目で見ていただけると幸いです。同時に,読まれた感想などシェアしていただけると当人たちも喜びます。

 

また,レポートの作成のみならず,先週3月9日には,卒業目前の4回生を対象に,関大での学びを振り返り,これからを展望するイベント(こみゅREば)を企画・実施してくれました。色んな学部の学生10名が参加してくれて,じっくり語り合っていました。改めて,こういう場の必要性を感じました。素敵な企画をありがとうございました。

 

 

こうした取組は,大学教育の質保証プロセスにおける学生参画活動の一環として,とても意味・意義あるものだと確信しています。特に,大人(教職員)がごりごりに関与する「やらされ感」のある学生参画ではなく,学生の主体性を損なわない学生参画が重要だと感じており,今回は私にとっても重要なチャレンジでした。学生のモチベーションやリクルーティング,予算や学内への展開を含むマネジメントなど課題は山積みですが,継続的に取り組んでいきたいと思います。