人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

学生エンゲージメント科研のWeb調査完了

代表科研が最終年度ということで、ギリギリになってしまったのですが、この間準備してきた学生調査のデータ収集が完了しました。

 

といってもWeb調査で、今回はマクロミルに依頼しました。2月に入って依頼をかけ、中旬にオンラインで担当者と面談して調査の趣旨説明や抽出条件等の打合せを行い、正式な発注以降、月末からは何度も画面確認や細かな表現のチェックを行い、先週末8日午後から実査開始。で、先ほど10日夜に設定条件数に達したとの連絡が入りました。早い。

 

今回の調査の主テーマは学生エンゲージメントですが、抽出条件でこだわったのは2点。1つは1年生から4年生までバランスよく取ること。4年生はコロナ禍の影響を最も受けた年代。卒業間際にどう学生生活を意味づけるのか、また、ポストコロナ世代はどのような特徴を有するのかをしっかり把握・分析したいということです。

 

いま1つは地域性。あまり細かくは設定しなかったのですが、都市部と地方とをバランスよく取ることを条件にしました。大体ネット調査をすると都市部(特に関東圏)にデータが偏る傾向があります。いま大学は厳しい冬の時代に入っていますが、短大、女子大、単科大、地方私大と順次経営困難な状態に入っていて、待った無しの状態です。大学は多すぎる、という中央や余裕のある大学の専門家、果ては外野の人たちまで言いたい放題。地方も頑張っている!というのは講演等であちこちを回ったり、教育関係のフォーラムやシンポジウム等に足繁く通って学ぼうとしている教職員の方々と話していると明らかです。逆に都市部でぬるま湯で大して動いていない大学もあります。と、僕がいくら言ったとしてもどうなるものでもありませんし、本当にそうなのかをきちんとデータで見る必要があります。

 

といったことを背景に、今回は学年と地域性の2つを最優先の抽出条件に設定しました。大学の属性(設置都道府県や設置形態、学部数、分野等)も聞いているので、特に教員・学生双方のエンゲージメントの観点から詳しく見ていきたい、本来の教育力に迫りたいと思っています。これらを分析するためにはそれなりのサンプルサイズも必要ということで、2000名でオーダーして、有効回答数は2100名弱となりました。まだ中身の詳細を見れてないのだけれど。

 

本来であればもっと早く取ってと考えていましたが、コロナが入り、自分の中でも色んな揺らぎや葛藤があったため、結果この2020年度入学生が卒業を迎えるこのタイミングに照準を合わせることにしました。色んな観点で分析出来るよう調査設計を行ったので、次年度以降、研究発表・論文、講演・研修等様々な媒体でアウトプットしていきたいと思います。本当なら本に出来ればいいのだけど。。

 

最後に、回答してくれた全国の学生のみなさん、ありがとうございました。1人でも多くの学生の学びと成長へと繋がるようフィードバックしていきます。