人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

第4回大学生の学習・生活実態調査

先日,ベネッセ教育総合研究所「第4回 大学生の学習・生活実態調査」(2021年12月実施)のプレスリリースが行われました。

 

2020年度入学生の4割が「成長実感」ない〜友人が多い学生ほど「成長」を実感しているが、友人数は減少傾向〜〈2022年7月26日付〉

https://berd.benesse.jp/up_images/publicity/20220728_release.pdf

 

それに伴い,同研究所HPには特設ページが設けられています。

第4回 大学生の学習・生活実態調査報告書 データ集 [2021年]│ベネッセ教育総合研究所

 

ここには,調査結果の概要をまとめた資料と,全項目の基礎集計データ(経年比較,性別,学年別)の資料とが掲載されています。ある程度加工は必要にはなりますが,各大学で実施している同様の項目と比較することで,全国の大学生データとの異同を知ることが出来ます。

 

また,2022年6月に開催された大学教育学会第44回大会の企画ラウンドテーブル「コロナ禍が学生の学びと成長に与えた影響〜大規模調査から大学教育の今とこれからを考える〜」の詳細なレポートもアップしています。

教育フォーカス│【特集30】大学教育学会第44回大会 ラウンドテーブル 「コロナ禍が学生の学びと成長に与えた影響〜大規模調査から大学教育の今とこれからを考える〜」リポート 〜「第4回 大学生の学習・生活実態調査」結果より〜│ベネッセ教育総合研究所

 

私は第1回調査(2008年度)から同調査の研究メンバーとして携わらせてもらっています。この間の大学教育改革が学生の学びと成長にどのような影響を与えているのか,横断的にではありますが,学校基本調査の分布に近似した形で大規模な学生調査を網羅的・継続的に実施していることで見えてくることは多くあります。

 

世代が動いても変わらないこと,変わりにくいこと,変わっていること,それらの背後にある高等教育の固有性や青年発達の普遍性など,その都度メンバーの専門性も活かしながら分析・議論し,学会等でも発信していっています。(それでも,検討できる点,検討したい点が多すぎて時間がいくらあっても足りないのですが)

 

今回の第4回調査はこれまでの調査との連続性という点に加えて,コロナ禍というユニークな文脈が加わっているため,データをどう見るかより複雑になっています。

 

今後も様々な形で当該調査の結果を発信していきたいと話していますが,私自身,こうした調査結果が大学教育改革を前進させる契機となり,学生の学びと成長の促進に寄与できるように活用していきたいと思います。