コロナ禍に入って大学も3年度目に入っています。対面授業へと戻りつつありますが、オンライン授業を活用している大学、先生も少なくないと思います。本学でも引き続き色々と議論をしているところです。
そうした中、オンライン授業、特にリアルタイム型ってどの程度実施されているでしょうか。本学はオンデマンド型を原則にしているので、表立ってはリアルタイム型は実施できないという枠組みになっています。とは言え、実際に実施している先生はそれなりにいるようですし、教員からはリアルタイム型についても許容すべしという声もあります。
今週、ある学部の専門科目(ほぼ3回生対象)の授業で、オンライン授業に関するワークショップを行いました。オンライン授業自体について、基本は対面メインだけど、メリットもあるので、継続的に実施して欲しいという声は上がります。
次に、「リアルタイム型が良いという人」と聞いたところ、1人も手が上がりませんでした。何度か問いかけましたが、上がりませんでした。20名ほどではありますが、当該学部の教員からはリアルタイム型の要望が割と強く出ていたので、学生との意識の違いに驚きました。
なぜか聞いてみると、「ブレイクアウトがキツい」という声が上がりました。何がキツいの?と聞くと、「関係性も出来ていない中で、急に放り込まれて議論させられるのは地獄」といった返答でした。
そらそうやろなと思います。
一方、教員からは「学生は画面をオンにしない」「ちゃんと話し合っていない」「真っ暗でずっと沈黙が続いている」などの不満が続出しています。ニュースなどでも取り上げられていました。
そんなこともあり、先日刊行された教育開発支援センターのニューズレターの巻頭言として、「主体的・対話的で深い学びを促すための心理的安全性」と題した小論を書かせてもらいました。
『関西大学 教育開発支援センターニューズレター Vol.39』
短文ですが、上記のような教員と学生との間のズレが生じる問題について、心理的安全性の観点から回答しています。
学びにおける心理的安全性の重要性は、リアルタイム型を始めとしたオンライン授業のみならず、対面授業であっても同様なのですが、この視点が理解・共有されていないことによって、学生の学びが大きく阻まれていることを教育関係者は押さえておく必要があると強く感じています。
いま携わっているベネッセの大学生調査、代表科研や分担科研でも、絡めていきたいと考えています。