人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

高校探究学習への参画

文科省大学基準協会といった文教政策等へのコミットメント,複数の学会役員といった研究面でのコミットメントに加え,昨年度からコミットし始めたアントレプレナーシップ教育も今年度引き続き動いていきます。

 

それらに加えて,今年度より2つの高等学校の探究学習に参画することとなりました。中等教育については,2015年以降,中等教育へのアクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)の導入を契機に指導等で関わるようになり,東山中学・高等学校には教育顧問として長らく携わってきています。東山ではALの全校展開を始め,正課外活動も含めた学校全体のディベロップメントにコミットしているわけですが,今回は探究学習が中心となります。

 

具体的には,伊丹市立伊丹高等学校と兵庫県立尼崎高等学校の2校になります。どちらも兵庫県の市立と公立になりますが,背景には兵庫県全体での普通科改革の流れ,もっと言えば文部科学省が推進する普通科から探究学科等への改革があります。実際,両校とも,令和6年度「新時代に対応した高等学校改革推進事業(普通科改革支援事業)」に申請し,高順位で採択されています(採択校は全国で7校)。

 

市立伊丹高校では,現在の「グローバル・コミュニケーションコース」を令和7年度から「グローバル共創科」へと改編し,これまで進めてきた学際的な探究学習をさらに発展させようといったものとなっています。また,この高校は関大の高大接続パイロット校の1つとなっているので,実質的な高大接続事業の1つともなっています。縁あって,当方は「共創アドバイザー」という形で参画させていただくこととなりました。既に2回先生方とはミーティングを行ったり,実際の授業を見せてもらったりしています。リーダーシップを取っている先生の魅力に加え熱意ある多くの先生方と一緒に「共創」出来るのを楽しみにしています。今月中旬にはGCコースの1年生と2年生にそれぞれ講演させていただく機会もあったりと,色んな形で「ホンモノの」探究学習を探究していきたいと思っています。

 

www.itami.ed.jp

 

県立尼崎高校では,現在の「教育と絆コース」を令和7年度から「地域科学探究科」へと改編し,これまで進めてきた地域探究をさらに発展させようといったものになっています。当方は,運営指導委員長を拝命することとなり,新学科設置に向けて指導・助言等していくこととなります。県立高校でありながら地元地域にかなり入り込んで,地域一帯となって生徒の育成に臨んでいる様子で,大学でサービスラーニングアントレプレナーシップ教育に携わっている観点からも,得られる示唆は多そうです。

 

dmzcms.hyogo-c.ed.jp

 

グローバルを軸とした学際探究と,地域を軸とした地域探究といった,同じ探究学習でも趣の異なる2つの高校に携わることになり,個人的にもとても楽しみだし,高大接続(特に大学教育へのインパクトの検証や大学教育改革への示唆)といった文脈でも,高校の探究学習の実際にしっかり触れておくことは有益であると考えています。何より,僕は「生徒や学生を育てるといったことに興味・熱意を持って傾倒する先生方」と一緒に仕事が出来るのが喜びです。先生方や生徒たちからもたくさんの刺激をもらいながら,自分自身が多く学び成長できる機会になればとワクワクしています。