昨日は京都産業大学が実施しているキャリア教育科目にお呼ばれして行ってきました。
このキャリア教育科目、なかなかレアなもので、全員必修科目とか選択科目とかそういうのではなく、「低単位取得者」に対して実施される科目になっています。
その名も「キャリア・Re-デザイン」
授業の設計や運営には、F工房(ファシリテーションを専門に行う学内組織)が関わっています。
その授業の一環で、「社会人との対話」というものがあり、そのインタビュイーの1人として行ってきました。
学生らを1グループ4~6名に分けて、1教室に2〜3グループ、それが4教室(4クラス)に分かれます。そこに色んな業種、立場の社会人が各グループに行って、彼らからのインタビューに応じたり対話を行ったりします。1セット40分で計3セット行います。彼らはどんな人が来るか知らされておらず、その場での対応にベストを尽くし、後でしっかり振り返りを行うことになっています。こちらも準備はしません。
事前の打合せ時に、主担当教員の鬼塚さんから「学生から1を聞いて10答えるようなことはしないで下さい」とだけ伝えられました。これは結構大事なことだと思います。
結果的にとても楽しかったです。
とてもいい学生たちでした。
特に、大学教育改革に携わる身として、単位を十分に取れていない学生(大学的には劣等学生と位置づけられてしまいがちな学生)が、どのような想いで入学し、学生生活を過ごしてきて、いま何を感じているのか。なぜ、このような状況に至ったのかについて色々と聞くことが出来ました。そしてそこには大学教育(授業)への期待と失望の落差が相当あること、それがある種の諦めや逃避へとつながっていることも改めて知りました。
変わるべきは教員か学生か。ニワトリと卵の関係になりがちな問題ですが、やはり大学教育の課題はまだまだ大きいなと痛感しました。
低単位取得学生らに対して、個別の履修指導やメンタリング、補習もいいですが、教育(授業)という形で積極的に捉え直すような取組はとても効果が高いと思いました。