人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

大学教育学会第46回大会を終えて

昨日・今日と2日間にわたる大学教育学会第46回大会が終わりました。まずは、何よりも開催校である関西国際大学の実行委員のみなさま、学生スタッフのみなさまに御礼申し上げます。

 

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結論から言えば、「楽しかった!」と「モヤモヤした…」という感じです。

 

楽しかった!の理由は以下のような感じです。

 

  • 初日午前の枠では、自身が企画したおそらく大学教育学会としては初めてとなる「アントレプレナーシップ」を冠したラウンドテーブルに想定以上の人(といっても28人ですが)が来てくれて、参加者含めてたくさんの情報交換ができて、また、その意義や可能性を吟味することができたこと。
  • 初日午後の基調講演・シンポジウムが刺激的だったこと。特に、張先生から韓国の高等教育の動向について詳細なお話が伺えたのはとてもありがたかったです。もちろん、僕の敬愛する大森先生@共愛学園前橋国際大学長のプレゼンは何度聴いても痺れます。モデレーターの濱名先生が、伊藤さん@文科省にかなり突っ込んた質問を投げかけたことで、見えてきたことも有益でした。
  • 学会オフィシャルの懇親会では、たくさんの方々と話が出来たり、美味なる炭焼きの神戸ビーフを味わえたりと楽しい時間でした。
  • その後、三ノ宮に繰り出して、毎年恒例の京大高等教育関係者の集いに参加して、元指導員生らがたくましく成長して、大学への就職や結婚のお話など聞かせてくれたのが、とても嬉しかったです。

 

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朝8時前に家を出て、帰宅したのは0時前。ただでさえ睡眠時間に腰痛もあってヘロヘロ。ですが、何やかんやして3時過ぎに寝て、7時に起きて、再び関西国際大学へ。今回は後の予定もあったので車で向かう。公共交通機関なら2時間弱かかる所、車やと1時間ほど。これは楽チンでした。

 

  • 2日目午前中は自由研究発表の教育評価部会の司会のお務めでしたが、ディスカッション含めてとても面白かったです。会場はいっぱいで入れない人が諦めて帰るほどでした。松下先生@京大や山田礼子先生@同志社大も来てくれていて、礼子先生はディスカッションの口火も切ってくれました。

 

午後は日本心理学会の理事会もあるので、ここで会場を後にして帰宅。

 

  • 最後に、何より楽しかったのは、1日半の中で本当にたくさんの方々と話をすることが出来たことです。大学時代、入学して早々からめちゃくちゃ友だち(今的に言えばよっ友)が出来て、休み時間とか数歩歩けば知り合いに会うみたいな時がありましたが、久しぶりにその感覚を思い出しました。少し歩いたら知り合いに会うし、色んな人が話しかけに来てくれて、大小様々な情報交換が出来ました。1人になれる場所を探すのに一苦労みたいな状況でしたが、こんな時しか話せない人もいるし、急ぎの仕事は諦めて楽しみました。

 

そんな感じで楽しい学会だったのですが、モヤモヤした…ということもあります。基調講演・シンポジウムが誘引かなと。内容が悪いとかそういうのでは全くなく、時代が大きく動いている中で、たくましく変革に挑んでいる大学、それを牽引するリーダーらの話を聞くにつれ、何だか取り残されている気持ちになります。地方大学や単科大学、中小規模の大学は、人口減少の驚異に真っ先に晒され、それこそ明日のご飯が食べれなくなるかもしれない。そんな危機感や緊張感がある中で、大学改革が待ったなしで動いています。中教審でも喧々諤々と審議が続いています。決して、教育に対する熱量や内容等の問題ではなく、立地やブランドといった外的要因のために苦境を強いられているところが大半かと思います。

 

一方、うちのような大学は本当に恵まれています。詳細を書くのは控えないといけないですが、何だか申し訳ない気持ちや悔しい気持ちが湧いてきてしまいます。厳しい状況下で挑戦している大学や関係者の話を聞く度に、自分は何のためにここにいるのか、何ができるのか、何をすべきなのか、何故出来ないのか、どうすれば出来るのか、とモヤモヤや焦りを感じずにはいられません。もちろん、日々一所懸命頑張っているのですが。

 

答えはそう簡単に見つかりそうにないですが、とにかく1人でも多くの学生の成長としあわせのために出来ることを精一杯やろう!と自らを鼓舞して、精一杯頑張ろうと思います。

 

そんな感情渦巻く大学教育学会でした。