人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

市立伊丹高校での特別講義を終えて

昨日は、今年度から共創アドバイザーとして関わることになった市立伊丹高校で、現グローバル・コミュニケーションコースの生徒らへの特別講義を行いました。

 

入学したでで全く探究に触れていない1年生と、既に1年間探究学習を行ってきた2年生とでは、こちらの話すモードにも影響するので、別々(50分×2コマ、各40名)でやらせてもらいました。

 

これまで大学生への講義はもちろん、学内外で教職員を対象にした講演・研修は山ほどやってきているのですが、高校生相手は何気に初めてやったので、なかなかに緊張しました。高校生に伝わって欲しいことをどうすれば伝えられるのか、50分の中でどう組み立てればいいかなど、自分なりに一生懸命考えて、制作しました。

 

大学1年生でもまぁまぁフレッシュ感あるなーと感じるのですが、さすがに高校1年生のキラキラ感はすごい。本当にこれから何にでもなれる子たちやなと思うと同時に、改めてより早い段階から関与することのインパクトを感じました。

 

探究を主軸としたコースなので、探究学習の意味や必要性を楽しみながら味わってもらえるよう色んなギミックを入れながら展開しました。とにかく反応が良くて、こっちも気づけばニコニコしながら話をしていて、教員冥利に尽きるなぁとしみじみ。

 

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終了後は、責任担当の先生に連れられ、職員室で昼食中の先生方にご挨拶。まるでこの学校に赴任した新米教師の気分を味わせていただきました。食堂で生徒の雰囲気を見つつ昼食を食べて終了。

 

一晩明けて、生徒たちの感想を取りまとめて送っていただき、読ませてもらいました。たった50分にもかかわらず、生徒たちは僕が伝えたかったことを自分なりに感じ取り、想いを乗せて言葉にして返してくれました。1年生の3人だけ紹介したいと思います。

 

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Aさん

山田先生の講義を受ける前は探究学習についてほとんど知識がない状態でしたが、講義を受けて探究学習は自分が探究したいと思った課題について主体的により良く解決して自分の生き方に繋げることができるものだと知りました。私はこのことを知ってとても探究学習が楽しみに思えました。自分が興味のあることについて深く知っていけるということにワクワクします。自分が興味のあることはもっと知識を増やしたいと思いますがそのことを「推し」を例に挙げておっしゃっていたのがとても分かりやすかったです。推しについては少数の人しか知らないことまで知りたいと思うと思います。それらを知るためには自ら行動しないといけないので社会が欲している「主体性」を高めることに繋がるのだと思いました。また、国語の問題で自分の考えを書いたら修正を入れられて不思議に思うということについてとても共感しました。せっかく自分の考えを書いたのにそこを否定されるのは自分の考えを書くことに嫌悪感を抱きかねないと思いました。それから自分の考えよりも先生の答えにより近づけるために動くようになるということにも強く共感しました。私も今までそのように動いていたと気づきました。これからは自分の考えをしっかり表現できるようにしたいと思います。講義を通して、自分の頭で考えて行動することの大切さを改めて感じました。私は今まで自信を持って言えるほどそうしてこなかったので探究学習では自分の頭で考えて行動することを重要視して取り組もうと思います。また、探究学習で成長するために挙がっていた5つを特に意識して取り組もうと思います。

 

Bさん

今日は私にとってはじめての探究学習と関わる機会でした。中学生のときには調べ学習というものをしていたけれどそれとまた違った探究学習についてまだわたしは少し警戒していました。ですが山田教授のお話はとてもわかりやすくすぐに緊張がほぐれました。はじめはカチコチだったけど推しの話をしてくれたときにはみんなの緊張が目に見えるようにとけていき探究学習はもしかしたらとてもたのしいものなのかもしれないとわくわくしました。本格的に探究学習のお話に入るとわたしがとてもすきな話がたくさん出てきました。その中でも心に残っているのは生徒は自分の考えではなく先生が思う正解を出そうとするということです。わたしはこの言葉にとても深く共感しました。わたしは自分の考えや感情、心のなかのことを言葉にだすと周りからは変や少し変わっている、周りとはずれている、正解ではないと言われていました。はじめはそれでもいいや、と思っていましたが成長するなかで否定されたくないという気持ちが湧き周りが思いそうなことを考えていた気がします。本当はこんなこと思っていないのになと思いながら過ごしていたときもありました。ですが今日のお話を聞いて周りに合わせることではなく自分の考えを話すことが今求められていると知りうれしい気持ちになりました。わたしがいちばんすきなことだからです。ですがずっと言葉をつくっていたので今はまだきちんとした言葉で自分の考えを発表できないと思います。なのでこの探究学習では自分の考えを出すことはもちろん、周りの人にきちんと伝わる言葉選びも学べたらいいなと思いました。楽しく深く、これがわたしなんだ!と胸を張り目を輝かせて取り組んでいきたいです!

 

Cさん

国語の自分の考えを書きなさいという問題で自分の考えを書くと、それを採点することはおかしいって言っていてもやもやが取れたような気がしました。無意識のうちに先生が丸にするであろう答えや、自分の考えとは異なる多数派の考えや書きやすい答えを書いていたことに今回言われて気づきました。自分の考えを求められたとき迷わずに自分の考えを言えるようになりたいと思いました。推しの話をしているときのみんなのキラキラした顔がとても印象に残っています。自分は授業で何かを発言するってなると言葉に詰まったりして、自分の思いを伝えることができないことが多いけど、今回の自分の推しを話すときには言葉がスルスル出てきて驚きました。グループの人が自分の推しを話しているとき、本当にその推しが好きなんだなって伝わってきました。自分が本当に思っていることなら自分の発することに深みが生まれたり、ジェスチャーが加わったり自分がこれしようって思ってなくてもそうなることに驚きました。その熱を他のことに向けることができたら、やること全てに同じ熱量で接するわけだから、疲れるかもしれんけど確実に沢山のことを得ることができると思いました。最後に自分の直感やワクワクを信じることが大切ということがとても印象に残っています。一番最初にいいと思ったものはずっと頭の端っこに残っているから結局はそれを信じたらいいと知ることができました。探究って何するんやろって思っていたけど、大学に学びをつなげるためにも一生懸命取り組みたいです。文章を書く力が足りなくても自分の直感で思いついた言葉を使うことも考えたいと思いました。今回、楽しい講義をしていただきありがとうございました。最初、ディズニー好きと分かって今回の講義に一気に興味が湧きました。今回の講義、とても楽しかったのでまた来てほしいと思いました。

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すごくないですか!?

こんな形で返してくれるんなら、何回でも行きたいと思いますよね。

 

ここからみんながどんな風に探究に取り組み、成長していくのか、伴走しながらみていけるのが楽しみです!