人生考路

高等教育開発を生業とする青年心理学者、山田剛史のブログ

高校学習指導要領改訂案をどう理解し、実践するか?

小学校、中学校と次いで、いよいよ改革の本丸である高校の学習指導要領の改訂案が出ました。3月15日までパブリックコメントが募集されています。

 

学校教育法施行規則の一部を改正する省令案及び高等学校学習指導要領案に対する意見公募手続(パブリックコメント)の実施について:文部科学省

 

各種メディアも改訂のポイントを整理しています。

高校学習指導要領改訂案 主な改訂のポイント | 教育新聞 電子版

 

2020年度から導入される新しい大学入学者選抜試験と併せて、2022年度から順次始まる新学習指導要領への対応は、高校にとって大きな変革とチャレンジになります。

 

各教科の内容についての大幅な改訂、選挙権年齢の18歳への引き下げに伴う教科「公共」の新設、「総合的な学習の時間」から「総合的な探究の時間」への変更など、さまざまあります。

 

そうした中で、全体を通底する重要な考え方は、①3つの柱として整理された資質・能力、②その育成のための「主体的・対話的で深い学び」(アクティブラーニング)の実現、③地域等の資源を活かすなど「社会に開かれた教育課程」の実現、④教科横断的な視点や学習成果の測定・評価に基づく「カリキュラム・マネジメント」の実現、の4点にあると思います。

 

なお、これら膨大な「理想」の実現は、教員個人に課せられるものというより、学校全体が責任を持って組織として臨むというスタンスが肝要でしょう。

 

そのためには、アクティブラーニングを例にとっても、以下のような「射程(距離)」と「範囲(拡がり)」の中で、より遠く、より広く捉えて、学校全体で臨む必要があるでしょう。

 

ALの射程(1近い→3遠い)

  1. 入試改革対応
  2. 進学後の学校、卒業後の社会移行への対応
  3. 中長期的な社会変革への対応

 

ALの範囲(1狭い→3広い)

  1. 教授技法として
  2. 学習方法として
  3. 成長・発達論として

 

自分の所属する組織は、ALの射程と範囲をどのように捉えて、この大改革に取り組もうとしている(取り組んでいる)でしょうか。

 

個別事項への個別対応ではなく、全体のグランドデザイン(改革ストーリー)を描いて、より効果的・効率的に取り組むことが大切になります。そのためにも、校長をはじめとする管理職のリーダーシップが、10年、20年後の学校の発展(衰退)を大きく左右するでしょう。

 

今後さらに加速する少子高齢化や、急速に進む人工知能(AI)などの技術革新がもたらす産業構造の変化に立ち向かうためには、生徒・学生一人一人の持つ潜在能力をこれまで以上に引き出していかないといけないと考えます。

 

暗くなる話題が多く、教育に課せられたミッションは重いですが、みなで知恵を出しながら楽観的に乗り越えていければと強く願います。

 

微力ながら、その一助となれるよう精進していきたいと思います。