人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

久しぶりに会えました

今日は久しぶりに母・妹と会いました。我が家に招いて同じ時を過ごしました。

 

母親とは少し前、手術で入院した時にお見舞いで会ってたけど、妹とは随分と久しぶり。

 

4歳年下の妹は、双子を含む4人の子育てをしながら、銀行員(総合職)としてがっつり働いていて、なかなか会えなかったので良かったです。

 

大学と会社とで、互いのフィールドにおける人材育成の方法や在り方を話してたら、同じような考え方をしていてビックリ。やっぱり同じ家庭環境で育つと似てくるものなのかなぁ。

 

誰だか分からない社会の代弁者(経済産業界の限られた成功者/年長者)の声に大学は踊らされているわけですが、もっと今の時代を生きる若い世代の社会人(学校関係者以外の人)と対話をする機会を持ちたいなと思いました。

 

ともあれ、会う度に比喩ではなく本当に小さくなっていく母との時間は大切にしたいなと。くれぐれも健康には気をつけてね。(ブログを見てくれている母へ(笑))

 

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(妹は身バレはイヤだと写真NGだったので、おかんとパシャり)

平成最後のお仕事

気づけば4月も終わり、即ち平成も終わるのですね。「人生再設計第一世代(笑)」ど真ん中の私としては、この30年間はがっつり青春を過ごし、大人として成長した人生の土台となる期間でありました。そう思うとちょっと寂しい気もします。

 

そんな平成最後のお仕事は東山中高でのミーティングでした。学校改革に関わり始めて4年目に入りますが、常に生徒のために、どんなことをしたらいいか、あんなことをやってみたい、こんなことをしてみよう、など話題が尽きることなく進んでいます。とても楽しい時間です。

 

昨年から始めた取組の1つに「鯉のぼりを掲げる会」の設置があります。ご家庭に眠っている鯉のぼりを寄贈してもらって、学校に掲げようというものです。

 

東山中学・高等学校 東山に鯉のぼりを掲げる会

 

今年の寄贈分も合わせると280旒になるそうです。そこに込められた想いについて、副校長の塩貝先生が語っています。こういうのとってもいいなって思います。

 

https://youtu.be/mungMzdat1I

 

進学実績、受験学力、授業改善、もちろん大事ですが、東山では子どもたちの豊かな心を育むために学校全体で出来ることをたくさん考えて実践しています。

 

また、学校は有名な観光スポットである南禅寺の真横に位置していて、周りは連日外国人観光客で賑わっています。新しい観光の目玉になるかも。

 

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ここ東山中高を会場として、日本私学教育研究所が主催する教員研修会(6/21, 金)が開催されます。当日は東山の授業も6つほど見られるよう準備を進めています。ご興味のある方に紹介いただければと思います。

 

http://www.shigaku.or.jp/training/general/2019/2019_annai0621.pdf

 

それでは、みなさま、素敵なGWを。

食事よりも楽しいこと

私は有り難いことに、高等教育研究開発推進センターの教員として全学的に教育開発・支援に携わる役割と、教育学研究科の教員として大学院生の教育・研究指導に携わる役割の2つを持つことが出来ています。

 

今日は、教育学研究科の昼食会でした。新しい先生が着任されると開かれます。大体春と秋にこの昼食会が、夏と冬に慰労・送別の夕食会があるので、結構集まる機会があります。

 

今回新たに着任されたのは、高山敬太先生。学部・研究科内に設置されているグローバル教育展開オフィスの室長・教授(前任校は、オーストラリアのニューイングランド大学)として着任されました。大学卒業後から海外に出て20年近くぶりに日本に戻ってこられたとのことですが、海外から見てきた日本の高等教育政策の独自性を、日本の中から捉え、それを世界に発信したいと話しておられました。

 

毎回の昼食会では、料理も美味しいのですが、何より美味なのは、近くに座った先生とのトークです。著名な先生が多数おられるので、この機会に独り占めして、研究の話を聞きまくることが出来ます。今日は、お隣が佐藤卓己先生だったので、専門のメディア史について質問したり議論したりしました。政治学歴史学との差異、教育とメディア、若者とメディアの関係など色んな話をしました。

 

その後あった教授会の後に、佐藤先生からいまは売り切れている書籍をいただきました。他にも多数の書籍を著しておられ、様々な賞も受賞されています(佐藤卓己 - Wikipedia)。センスの塊のような先生だなと思いました。

 

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僕は三度の飯より、新しいことを知れることが好物のようです。自分で言うのも何ですが、好奇心の塊のような人間です。

 

もっともっと色んなことが知りたい。知らないことが多すぎて、毎日凹んでしまいますが、こうした機会が日常的にあることに感謝しつつ、日々研鑽していきたいと思います。

2019年度最初のゼミでした

今日は、2019年度に入って最初の山田ゼミでした。個別指導は既に始めていますが。社会人も多いので、全員は出られなかったものの、新M1、新D1の2人に加えて、他の先生の指導院生(留学生)にも直前に声をかけて飛び入り参加してもらいました。

 

互いの研究紹介から始めたのですが、急遽思いついて「ビブリオバトル形式」でやりました。1人の持ち時間は5分間、口頭のみ資料なしで、自分の研究の内容、魅力を伝えてもらうというもの。予め準備はせず、ほぼ即興でやってもらいました。学会や懇親会など、専門外のビブリオに簡潔に自分の研究を伝える場面って多いので、そのトレーニングも兼ねて。

 

また、学びの場は出来るだけ楽しくがモットーなので、順番決めにもルーレットアプリを使ってやりましたが、なかなか盛り上がりました。

 

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ちなみに、僕もやりました。

 

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全員のプレゼンが終わってから、誰のプレゼンが1番良かったか、一緒に研究してみたいと思ったか、を発表してもらいました。

 

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票は割れましたが、この人がこの人のを面白いと思ったんだ、といった新たな発見もあって良かったです。

 

ちなみに、忖度して、指導教員の僕に入れようとならないところが、うちのメンバーの素敵な所だと思います(笑)

 

研究を通した教育に携われるのはとても刺激的で楽しいですね。

 

研究は苦しいけど、みんなで切磋琢磨しながら、知的な探究の旅を楽しんでいければと思います。

山田研究室のメンバーが増えました

昨日(4/5)は本学の入学式でした。学部は午前、大学院は午後から、みやこめっせで行われました。

 

「令和」と「平成」色紙掲げる新入生も 京都大で入学式(京都新聞) - Yahoo!ニュース

 

うちの研究室には、修士課程1名、博士後期課程1名の2人が新たに加わりました。早速、2人への研究室オリエンテーションと指導を行い、ついでに入学式会場に送迎しました。

 

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これで、M1からD3まで全ての学年に院生が揃ったことになります。現役社会人や社会人経験者、留学生と多様なメンバーで構成されている上に、テーマもバックグラウンドも多種多様なので、研究室主宰者として、マネジメントはなかなか大変ですが、教員との個別指導に依存せず、院生同士や学外での交流なども積極的に行いながら研究を進めて欲しいと思います。

 

研究室を効果的・効率的に運営するために、色んなことを試行錯誤していますが、その1つとしてこんなツールも導入しています。なかなか便利です。

 

Slack(チームコミュニケーションツール)

機能 | Slack

 

色んな意味で研究を続けるのは大変ですが、問いを見つけて探究する楽しさを味わいながら、生徒学生のための研究をしていって欲しいと思います。

 

僕も頑張らないと。

 

新年度はじまりましたね

新年度がはじまりました。

 

新しい元号(『令和』)も発表されました。

 

大学業界では異動の報告があちこちでなされていますね。学内でも職員の異動があって、今日も私信で連絡(御礼)のメールをいただいたり、「あー、この人ともっと一緒に仕事したかったなぁ」と少々感傷に浸ったりします。

 

私の方は特に変化もなく、今日も年度早々、大学本部でヘビーなミーティングに参加して、今年度も大変そうだな・・・と若干足取りの重たい帰路につきました。

 

でも、嬉しいこともあります。

 

当方の研究室メンバー2人もこの3月で巣立っていきました。当方の研究室のOAおよび教育アセスメント室の研究員を務めてくれた川内亜希子さんは、この4月から神戸学院大学の全学教育推進機構でIRやFDの仕事を専門的に行う部署に講師として着任されました。また、約1年半研究生をされていた南裕美さんは、大阪信愛女学院短期大学看護学科に講師として着任されました。

 

大学院生というカタチではありませんが、私としては、色んなカタチで当方やセンターに関わった人たちが高等教育をよりよいものにするべく巣立っていってくれることを願っています。2人とも大切な教え子です。2人の今後を心より応援しています。

 

別れもあれば出会いもあります。

 

当方の研究室には、新しい大学院生も入ってきます。今年度は、修士課程に1人、博士後期課程に1人です。2人とも現役の大学教職員です。新しい化学反応が起きることを楽しみにしています。

学校から社会へのトランジションを乗り切るために

卒業シーズン、別れの季節ですね。でも、4月になれば新しい出会いもあります。寂しさと期待、不安が入り乱れる時ですね。

 

学校大学から社会に羽ばたくみなさんの移行(トランジション)が少しでも円滑に進めばと思います。

 

ということで、心に留めておくといいかなと思うことを少しばかり記してみます。(特に、真面目で几帳面な新社会人の方へ)

 

トランジションを乗り切るための7tips

  1. 相手を変えようとするのではなく、自分が変わる(過去と他人は変えることが出来ない)
  2. 他者からの評価を過度に期待したり、他者との比較を重要視したりしない(人は人、自分は自分)
  3. 分からなければ聞く、出来なければ頼る(一人で抱え込まない)
  4. 失敗してはいけない、という思考に囚われず、やってみて失敗したら謝る、の精神で(完璧主義は捨てる)
  5. 出来ない理由を考えるより、出来るための方法を考える(「どうせ無理」と思わない)
  6. 経験を楽しむ、あるいは、楽しめるようにする(自分ルールを設定する)
  7. 大事なことの決定を人に委ねたり、口出しさせたりしない(自分の人生は自分で決める)

 

これ以外にも色々あると思うし、それが出来れば苦労しないよ、という気持ちもあるとは思いますが、トランジションを円滑に乗り切って、自分の人生を楽しんでもらえればという気持ちで書いてみました。

 

みなさんの人生が幸せなものになりますように。

共愛学園前橋国際大学での外部評価を終えて

今日(3月27日)は、共愛学園前橋国際大学群馬県前橋市でAP事業の外部評価委員のお仕事でした。委員を委嘱されて3年目ということで、今回は3回目の訪問でした。

 

今でこそ、当該大学(および学長先生)は教育改革先進校(牽引者)として知名度が高くなっていますが、3年前に僕が訪れた際にはまだそこまでの状態ではなかったと思います。初めて訪れた際に、“Kyoai Commons”のセキュリティーゲートがないことや、紹介された新しい学部長が30代前半の准教授の先生だったことなど、驚くことが多く、でも、その理由などを聞きながら、「あ、この大学は本当に学生を信頼している大学なんだ」と思った次第です。それから、あちこちで講演の際に、「共愛はいい!」と連呼していたら、気づけば上述のような状態になっていました。もちろん、僕が言っていたから、なんていうわけではありませんが、やっぱり来たか、というのが率直な印象でした。僕がエンゲージメントを研究する際に意識していた大学のモデルでもあります。

 

今日は、外部評価委員会の前に、COC+事業の一環として「グローカル人材フォーラム」に出席しました。その主役は、学生です。教員も発表はしますが、地域や海外で学んだ学生らが自分たちなりの準備をして発表を行います。最後には、今年度から新たに始まった「KYOAI GLOCAL HONORS」の学生ら(1期生)が英語でスライドを作り、熱心に想いを伝えていました。とても清々しくて、素直な子たちだなと感心しました。こういう学生たちを教育するのはさぞかし楽しいだろうなと思います。

 

終了後、外部評価委員会でした。細かなツールや制度も大事ですが、何より、学生を第一に考え、信頼し、様々な環境や選択肢を用意する先生方がいて、それに応える学生がいる、もうそれで十分じゃないか、と思ったりします。改めて、教育に重要なのはカタチではなく、オモイだなと感じました。

 

その後、高崎駅に移動して、首脳陣らとの懇親会。美味しい食事と熱い議論に花が咲きました。学長の大森先生に、「大学改革を進めるにおいて、大学のアドミニストレーターには、何が一番大事でしょうか」と問うと、「覚悟かな」と答えてくれました。これはずしっときます。でも、この覚悟が随所に現れていることを色んな実践から伺うことが出来ます。組織を作れば、制度を整えれば、実現するというわけではないだけに、なかなか属人性も高く、一般化は難しいのかも知れないけど、こんな大学がもっともっと増えて欲しいなと切に願います。

 

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今回、もう一つ嬉しいことがありました。大学院時代に戦友だった奥田くんと再会できたことです。共愛にいることは分かっていたのだけど、なかなか会うことが出来ずだったのですが、今日十数年ぶりに会えました。思わずみんながいる前で抱きついてしまった。

 

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二次会は、大森学長と奥田くんと3人で飲みに行きました。尊敬する学長先生と大切な友人と年度末最後の出張を締めくくることが出来て、とっても幸せでした。なので、こんな時間にブログを書いています。他にも色んな話をしましたが、この辺で。

 

この大学の動向については今後も注目です。

大学教育研究フォーラムを終えて

3月23日(土)・24日(日)は、私の職場である京都大学高等教育研究開発推進センター主催の第25回大学教育研究フォーラムでした。

 

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最終的には800名弱の参加者に来ていただきました。個人研究、ポスターそれぞれ100件を大幅に超える発表があり、大盛況でした。

年度末のお忙しい中、ご参加いただきありがとうございました。

この時期の京都はホテルを取るのも難しく(しかもべらぼうに高い)、バスが動かないなどご不便も多々かけたかと思います。

 

今回の私の役目は3つでした。

 

1つ目は、1日目の情報交換会での司会。これは大事なお仕事です。150名を超える方にご参加いただき、こちらも大盛り上がりでした。楽しくやりました。

 

2つ目は、2日目の午前のプログラム、溝上さんの特別講演の司会。年度途中に京大を辞職し、桐蔭学園に異動されたこともあり、京大では行わなかった最終講義的な講演としても位置づけていました。そのこともあってか、もう一会場別プログラムが走っていたにも関わらず、時計台百周年記念館の1階ホールは300名を超える参加者が詰めかけました。最初、「最近短い時間で話す訓練させられてるから、90分もかからないかも。早く終わったら終わったでいいんじゃないか」なんて言っておられましたが、話半分で聞いていました。そんなわけはない、と。想定通り、90分でも終わらず、結局、「教育を捨てて教育に戻る」のタイトルにある、教育に戻らない状態で講演が終わりました(笑)あとで、あさがおMLでフォローされていました。僕としては、そういう背景での講演だったので、自ら司会を志願し、「京大お疲れさまでした」「桐蔭頑張って下さい」の気持ちを込めさせてもらいました。溝上さんの異動については、あちこちで色んな憶測が飛び交っているようですが、側で見てきた僕としては全面的に納得のいくものだし、必然的なことだとも思っています。ともあれ、これからが楽しみです。

 

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3つ目は、2日目の午後のシンポジウム「高校から大学、大学から大学院、大学から社会へのトランジション」の登壇者です。僕は「トランジションをどう理解し、学校教育に位置づけるか」と題して発表を行いました。限られた時間でしたが、トランジションウェルビーイングやエージェンシー、エンゲージメントの観点から捉えて、学校教育が果たす役割・意義などについて問題提起を行いました。あまりに時間が短くて消化不良気味ですが、自分的には今後の研究につなげるための整理が出来てそこそこ満足しています。それぞれ非常に大きい概念なので、そのまま細かな研究には落とし込みにくいですが、少しずつ形にしていきたいと思います。

 

講演関係については、後日センターウェブサイトに動画がアップされます。また、ご興味のある方はご覧下さい。

 

フォーラム終了後は、毎年恒例のスタッフらとの反省会と称した懇親会兼送別会。3月で学位を取得して修了する者、他大学等に転出する者、昇進する者など、みんなでメッセージとともに送り出します。もうそんな時期なのですね。

 

4月から新たな生活を送られるみなさま、良き旅を。

東山中高の取組を論文化しました

2016年4月から特別委員として関与している東山中高における組織的なアクティブラーニングの取組が論文になりました。

 

今年度が学校創立150周年ということで、関係する先生方と一緒に形にしようと進めてきました。

 

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澤田寛成・柴田昌平・中村憲幸・山田剛史(2019)「トランジションの視点を加えたアクティブラーニングの実践と課題-共生(ともいき)の精神を備えた主体性の育成をめざして-」『東山研究紀要』第63集

 

この間、猪突猛進で頑張ってきた澤田先生には全体の取組を、エース級の実践者でもある柴田先生(国語)、中村先生(英語)には良質なAL授業の実践報告を執筆してもらいました。私は昨年7月に実施したアセスメントの結果と今後の課題を執筆しました。付録として、3年間の取組や関わってくれた先生方全ての氏名も掲載しています。みんなの汗と涙?で紡いだ論文です。

 

この内容の一部は、日本私学教育研究所の依頼原稿としてももうじき刊行されます。

 

澤田寛成・山田剛史(2019)「東山中学高等学校におけるアクティブラーニングの組織的展開-トランジションの視点を加えた主体性の育成-」『日本私学教育研究所調査資料』

 

論文としてみたときの精度は低いかもしれませんが、私としてはとても清々しい気持ちです。机上の教育論ではなく、文章一つ一つに関係者の顔が見える地に足の着いた実践の記録。個人的には研究という営みの広がりを感じることが出来たようにも思います。

 

そして、また次のチャレンジへと繋げていきたいなと思います。

関与なき改革は空虚である

2月・3月は特に講演や研修、外部評価が立て込む時期なので、色んな大学の取組を知れたり、そこに関わる方々とお話をすることが出来ます。勉強になることも多いですが、考えさせられることも多いです。

 

特に強く感じていることを一言で表すと、

 

「関与なき改革は空虚である」

 

となります。

 

様々な政策が打ち出されて、可視化という名の元に管理的な手法やツールが導入され、現場をガチガチに縛っていきます。

 

政策評価の文脈では、

 

アカウンタビリティのジレンマ」

 

といったことが言われています。

 

この研究を著した山谷先生は、「『評価』によってアカウンタビリティ確保のための作業負荷が増え続け、物理的には本来業務にまわすべき労力を大きく侵食し、本来業務の実績(パフォーマンス)が低下して成果が出ない、いわば本業が無責任になるというジレンマ状況」(山谷清志, 2006)と表現しています。

 

これはまさに現在の大学改革の中で起きていることだと思います。

 

私はこれを「関与(エンゲージメント)」論から解釈・研究している途上ですが、「学生の学びと成長を促すためには、本来教職員による関与が不可欠なのに、質保証が必要という大義名分の元に導入される様々な制度の実装やPDCAを回すための作業負荷があまりに高く、結果的に学生への関与に割く時間はどんどん少なくなっている」という図式が成立します。

 

誰のための、何のための改革(政策、制度、ツール)なのか。

 

大学改革は関与改革に繋がらないと、学生の学びと成長には繋がらないと思います。

 

大学を取り巻く状況が深刻化していくのを止めるための改革が、むしろ大学をより深刻化させてしまわないよう、私たちは理性的に考えないといけないように思えて仕方がありません。

 

(補足)

ちなみに、私は改革反対派ではありません。むしろ肯定派です。また、単に外からべき論を投げつけるスタンスではなく、改革の渦中に身を置きながら考えを述べるというスタンスに立っています。

大学コンソーシアム京都FDフォーラムを終えて

昨日(3/2)・今日(3/3)と大学コンソーシアム京都主催の第24回FDフォーラム@立命館大学でした。

 

私はフォーラム企画委員の1人として、分科会を担当しました。分科会担当者の特権は、自分がやりたいテーマで、話が聞きたい人を呼べる(一定の縛りはありますが)ということにあります。

 

ということで、私がいま最も重要だと感じているエンゲージメントを取り上げ、「学生のエンゲージメントと自立を促すために、大学教職員には何が出来るか」の探究を目的として、午前と午後の計4時間をデザインしました。

 

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この目的を果たすため、学生に関わる専門職(家)の立場からアプローチを試みました。具体的には、アカデミック・アドバイジング(学習支援)(清水栄子先生@追手門学院大学)、心理カウンセリング(学生相談)(杉原保史先生@京都大学)、キャリア教育・支援(家島明彦先生@大阪大学)、の3つの立場で3名の演者に発表をお願いしました。

 

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午前は、私からの長めの趣旨説明をした後、3名の発表を聞きました。みなさん、それぞれの仕事をエンゲージメントや自立と絡めて話すところに一定の難しさを感じられたようですが、とても面白かったです。同じ専門分野の中で議論されることはあっても、分野を超えて共通のテーマで議論出来たことは少ないので、個人的にはとても意義深いものでした。こうした機会をもっと作っていきたいなと思いました。

 

午後は、ワークショップを中心に展開しました。午前の話について「EQトーク」に記した内容を共有した後、学生に対する教育・指導上の悩みや課題について「ピア・カウンセリング」を行ってもらいました。その後、学生のエンゲージメントや自立を促すために出来ることについて、大学・正課・正課外に分けてグループで検討してもらいました。

 

最後は、ICTに強い家島さんからの提案で、「mentimeter」というツールを用いてグループで検討した内容(一部)を全員で共有しました(写真は家島さん提供)。今回のワークで得られたたくさんのアイデアは、何らかの形でとりまとめて、公表出来ればと思います。

 

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ICTはあらゆる場面で効果的だなと改めて感じます。講演・研修などでもぜひ使ってみようと思います。

 

改めて、登壇してくれた先生方に御礼申し上げます。熱心に参加してくれた教職員のみなさまにも感謝申し上げます。また、我々が気持ちよく学び交流できるよう、1年かけて準備してこられたコンソのスタッフのみなさま、本当にお疲れさまでした。

 

これからも、生徒・学生の学びと成長のために、みんなが楽しく学び、交流できる、知恵と元気を得られる、そんな場作りを開発・提供していきたいと思います。