人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

埼玉県立大学の講演を終えて

今日は埼玉県立大学のFD研修会で講演でした。

 

朝の8時に家を出て、電車とバスを乗り継いで、大学に着いたのは12時30分。13時から15時まで講演で、一息着いて、15時30分には大学を出て、再び帰路に。移動に往復9時間、滞在時間は3時間、なかなかハードな1日です。

 

ここで新幹線にちなんだ句を♪

 

『今日こそは、気づけば結局、仕事づけ』

(今日こそは、ゆっくりしよう、寝不足を解消しようと思っているのに、あー、あれやってないなぁ、これだけ片付けて·····としていたら、目的地に着いちゃうというあれです)

 

『二人席、他にあるのに、なぜ詰まる』

(座席を舐めるようにチェックして、割とギリギリに、ここだ!と思って二人席の窓際を予約。乗車したら隣に人が。他にいっぱい空いてるのに、なんで!?というあれです)

 

話を戻します。ハードだったけど、楽しかったです。私が一番大事にしている「学生エンゲージメント」がテーマだったし、講演内に取り入れたディスカッションも盛り上がったし。やらないといけない教育政策絡みの依頼が大半な中、自分の好きなテーマで話せるのは、こちらも熱が入るし、やっぱり楽しいですね。

 

終わってから、年配の先生が手を差し出しながら僕のところに来て、「先生の仰られたことは、全てその通りだ」と暖かいメッセージとともに、固い握手をしてくれました。嬉しい体験でした。

 

終了後、越谷銘菓3点セットもいただきましたが、どれも美味しかったです。

 

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生憎の雨でしたが、とってもオシャレで素敵なキャンパスでした。ドラマの撮影なんかも入るそうです。既視感を覚えたのはそのせいか。

 

次は、週末の大学コンソーシアム京都のFDフォーラム@立命館大学ですね。2日目には、学生エンゲージメントと自立をテーマにした分科会を企画しています。他にもたくさんの分科会がある中、130名の方にお申込いただいております。会場でお会いしましょう。

 

さて、その準備をするとします。今日も気づけば京都かな。

 

そして、自転車操業の日々は続く.......

山田ゼミのAnnual Reflection Day 2018

今日は、山田ゼミ+αのメンバーで2018年度のリフレクションを行いました。

 

京大の吉田泉殿にて、朝から夕方までノンストップでがっつりやりました。

 

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毎月のゼミとは違って、今日はこの1年間に行った研究、教育、社会貢献活動について、エビデンスも持参してもらって、共有しました。研究の進捗状況や次年度の具体的な計画についても共有し、ディスカッションしました。

 

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ちなみに、僕も同じようにリフレクションを行いました。なかなか自分自身の活動を振り返ること、他者に伝えたり共有したりすることはないですから。あと、院生らに偉そうに言うばかりでなく、自分自身が背中で語れるようしっかり結果も出さないといけないですから。

 

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それにしても、うちのゼミ関係者は、研究テーマもそうですが、それぞれ多様なバックボーンを有していて非常に面白いです。僕が変だから色んな人がくるのかな?

 

社会経験があったり何らかの社会的な活動を行っている方が大半なので、人生経験と研究テーマが交差していて、実現上の難しさもあるけど、想いが乗ってくるので、議論にも熱が入ります。

 

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終了後は、百万遍のカフェでまったりアフタートーク。あんなことやりたい、こんなことやろう、とみんなでアイデアを出し合いました。ほとんど研究と関係ないことですが(笑)、研究だけが人生ではないので、「人生も研究も全力で楽しもう!」をモットーに研究室運営をやっていきたいと思います。

今年度も残すところ1ヶ月ちょっと

今年に入って忙しさが暴走気味で、色んなことがあったり考えたりしたこともあったのに、ブログにしたためる暇もなく、、

 

気がつけば、今年度も残すところ1ヶ月ちょっとになりました。

 

修論・博論の口頭試問や院入試、授業や集中講義、それらの採点などの教育関連業務は一通り完了。センター業務では、報告書の執筆や中計の進捗報告などは終えるも、教育アセスメント室の業務はお陰様でたくさん控えています。特に、複数の部局の教学IRや全学の認証評価関連の支援業務は、これから年度末、新年度に向けて慌ただしく動きます。

 

加えて、社会貢献の一環としての学外活動も年度末に向けてラストスパートです。リマインダーと参加のご案内もかねて、講演・研修ものを掲載したいと思います。

 

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1.親和中学校・親和女子高等学校 Shinwa Education Forum2019・講演

【日時】2月19日(火)10:15〜16:00

【場所】親和中学校・親和女子高等学校

【参加者】主に中高の教員、教育関係者

【講演題目】アクティブラーニングの動向と展望~実践的課題を共有し、解決方法を創造する~


2.福井大学FD・SDシンポジウム・講演

【日時】2月22日(金)9:50〜12:00

【場所】福井大学

【参加者】主に学内の大学教職員

【講演題目】内部質保証と教学IR-学修成果をどのように把握し、改善につなげるか-


3.埼玉県立大学FD研修会・講演

【日時】2月28日(木)13:00〜15:00

【場所】埼玉県立大学

【参加者】学内外の大学教職員

【講演題目】大学教育における主体的な学びと学生エンゲージメント


4.大学コンソーシアム京都FDフォーラム・分科会コーディネーター

【日時】3月3日(日)10:00〜15:30

【場所】立命館大学衣笠キャンパス

【参加者】学内外の大学教職員

【分科会テーマ】学生エンゲージメントと自立を促す支援としかけ~学生に関わる専門職の立場から~

【備考】http://www.consortium.or.jp/project/fd/forum


5.兵庫医療大学看護学部FD研修・講演

【日時】3月11日(月)14:00〜15:30

【場所】兵庫医療大学

【参加者】主に学内の大学教職員

【テーマ】学習評価


6.人間環境大学松山看護学部FD研修会・講演

【日時】3月19日(火)13:00〜15:00

【場所】人間環境大学松山看護学部愛媛県松山市

【参加者】主に学内の大学教職員

【講演題目】学生の学びを促す学習評価の方法


7.第25回 大学教育研究フォーラム・シンポジスト

【日時】3月24日(日)13:30〜16:30

【場所】京都大学百周年記念ホール

【参加者】学内外の教育関係者

【講演題目】トランジションをどう理解し、学校教育に位置づけるか(シンポジウムテーマ「高校から大学、大学から大学院、大学から社会へのトランジション」)

【備考】http://www.highedu.kyoto-u.ac.jp/forum/2018/

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この合間に、複数のAP事業の外部評価委員会や学会の理事会の仕事なんかもあるし、なかなか準備が追いついていないのが現状です。。

 

風邪でもひいたら一発アウトなので、しっかり手洗いうがいをして、この2年ほど毎日続けている「R-1ドリンク」を飲んで(気管が弱くて毎年ひどい風邪から熱を出す私が、飲み出してから大丈夫になりました。オススメです)、頑張って乗り切りたいと思います。

 

みなさまもお身体にはくれぐれもご自愛ください。

講演・研修に込める想い

金曜は大阪経済大学に講演に行ってきました。

 

前半では学習成果アセスメント全般に関する講演を、後半は大経大独自の学生調査の開発に関するWSを行うという形でデザインしました。

 

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FD委員長の先生や事務担当者も、「WSは今までやったことがなかった」「でも念願だった」「だけど不安だった」ということでしたが、結果的には上手くいって喜んでくれていました。

 

任意での参加、センター試験前日かつ夕方からの開催、ということでしたが、後半のWSまで予想以上の方が残ってくれたことにも、安堵し、喜んでくれました。しかも、教員は学部混合で、そこに職員も加わってのWSにしたので、内心ドキドキだったみたいですが。写真にもあるように、みなさんとても熱心に取り組んでおられました。

 

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「WS形式とかうちの大学では難しいかな…」といった不安を抱えているFD担当者は少なくないですが、「大丈夫です」「きっと盛り上がりますよ」とお伝えしています。大学の先生って、粘り強くて負けず嫌い、集中力が高くて実は話し出すと止まらない、方が多いと思います。なので、課題設定と空間演出、ファシリテーション次第で結構盛り上がります。あとは、参加される先生方を信じて、委ねて、自分も楽しむ、これに尽きると思っています。

 

日頃、忙しく頑張っている中で、わざわざ研修に来て、お勉強させられる、上から色々言われる、のではしんどいなって思います。せっかくなので、日頃感じていること、考えていることを吐き出して、共有して、その上で明日からの実践に前向きに取り組むための情報や方法、エネルギーを充填して帰っていただきたいと常々思っています。

 

なので、こちらが一方的に話すだけの講演を依頼されることも多いのですが、出来るだけそうした時間を組み込ませてもらうようにしています。

 

講演が終わってからは、関係者数名との懇親会でした。京阪神なら懇親会に行っても当日中に帰れるから良いですね。やっぱりこうした機会は、本音で色んな話ができるし楽しいです。

 

懇親会の場で職員の方から、「山田先生がディズニー好きだということで、ポスター(最初の写真)に隠れミッキーを入れさせてもらいました」って聞いてよく見てみたらいるじゃないですか。こんなサプライズは初めてです。嬉しいですね。

 

教職員が元気になる、それが日々の教育活動の活力になって学生が元気になる、その結果大学が活性化する、そのための支援をこれからも続けていきたいと思います。

役得

教育開発/支援の仕事は、相手があってのことなので、様々な理由で上手くいかないこともあるという点では、なかなか大変ですが、やっぱり面白いなと思います。

 

それは、やったらやっただけ結果の出る、あるいは思うような結果が出なくてもそれは自分の責任として引き取れる研究とは違うので、すごくモヤモヤしたり、焦りを感じたりすることもあるのですが。

 

教育開発/支援の仕事の最大の旨味は、専門分野を超えて、色んな先生と出会えることです。学術上のコミュニティだとどうしても狭くなってしまいがちですが、学部・学科・分野に関係なく、また、管理職・教員・職員の別に関係なく、教育という共通の切り口で入り込んでいくことが出来ます。

 

今日は、MOOCのアセスメント結果を学内の先生にフィードバックしに行ってきました。うちのセンターではMOOCのコンテンツを一切外注せず、制作・運用しています。これは全国的に見ても例を見ないことです。それだけ内部での制作は大変なのですが、私は教育アセスメント室の業務の一環で、このデータ分析に携わっています。そして、MOOCのコースが終了したら、制作チームと一緒に担当してくれた先生の所に詳細なレポートを携えてフィードバックに行くことにしています。

 

そして、このMOOCを担当してくれる先生方というのは、京大の中でも研究者として一線級の先生ばかりです。世界中を飛び回っている先生も少なくなく、アポイントを取るのも大変です。そんな先生に時間を空けてもらうので、こちらも結構緊張するのですが、みなさん快く応じてくれます。

 

私は、この機会に色んなことを聞いたりします。フィードバックはもちろんちゃんとやりますが、先生がなぜこの研究をするようになったのか、魅力は何か、挫折しそうになったことはないのか、など、調子に乗って色々伺います。でも、とても楽しそうに語って下さいます。

 

今日伺った先生は、高等研究院の松沢哲郎先生(Dr. Tetsuro Matsuzawa 松沢哲郎・京都大学高等研究院特別教授)です。アイ・プロジェクトを始めとするチンパンジーの心の研究で世界的に活躍されており、名誉ある賞も多数受賞されています。

 

そんな先生と1時間程度お話出来る機会はなかなかないので、僭越ながら上記のような質問も色々させてもらいました。一つ一つにこやかに応じてくれただけではなく、ご著者(洋書3部作)を紹介してくれて、熱く語ってくれました。

 

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それだけに留まらず、ご著者もいただいたり、素敵なサインまでいただきました!勉強させていただきます。

 

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こうした先生と話していると、一流の研究者は一流の教育者だなぁと痛感します。

 

何より共通するのは、留まるところをしらない好奇心です。好き、楽しい、もっと知りたい。先生方の中にあるのは、こんなシンプルで純粋な気持ちなんだなと感じます。

 

私自身、本当にそんな気持ちで研究に向き合えているか、考えさせられます。

 

そんな出会いや気づきをもたらしてくれる、教育開発/支援の仕事をしていて良かったな、と思う瞬間です。

 

いやはや、役得役得。

カラダが資本

昨年のクリスマスに受けた人間ドックの結果が郵送されました。

 

前回受けたのが2015年7月だったので、気づけば3年以上も経ってしまいました。

 

この時の人間ドックで、胃について要精密検査と判断され、その結果、ピロリ菌が検出され、慢性活動性胃炎と診断されました。。

 

そこから数ヶ月に渡って除菌をし、結果は「失敗」。数ヶ月後に、また数ヶ月をかけて2回目の除菌をし、今回は「成功」。でも、萎縮性胃炎の状態自体は残るので、胃カメラだけは毎年やって、経過観察しているという悲しい運命です。。

 

今回の人間ドックでも当然胃については「C(要経過観察)」が付いていたわけですが、それ以外にないかどうか内心かなり心配でした。

 

というのも、年々身体がキツくて、体力的にもそうですが、内部にも違和感があるし、何か変な感じを覚えていたからです。

 

なので、念のため、腫瘍マーカーも全種検査オプションに追加しました。結果、そこは大丈夫でホッとしたのですが、、

 

総合判定は…

 

「D2(受診勧奨/要精密検査)」

 

でした。。

 

今度は何?

 

肝臓でした。

 

確かにメタボではあるし、脂肪肝は前から言われてたので、そうなるかな。

 

これから減量して、諸々改善して、3月中に再検査になるので、頑張ってみます。

 

人生100年時代、なんて言われても、もう40過ぎで体ガタガタやで。。

 

みなさんも健康にはご注意くださいね。

SFにひたる

僕はなんだかんだでSFが結構好きなのですが、以下の2作品を観ました。

 

1つは、1982年公開の『ブレードランナー』。P・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作に、近未来を舞台に展開するアンドロイドたちの物語を描いたSFサスペンス。

 

1つは、1988年公開(原作漫画は1982年~1990年連載)の『アキラ/AKIRA』。大友克洋監督による、超能力による戦闘や恐怖、近未来の巨大都市の荒廃した有様やその崩壊を描いたSF作品。

 

なぜ、いまこの2作品かと言うと、どちらも舞台は2019年の設定。30年以上前に、今年2019年をどのような視点で捉えていたのかを改めて観てみたかったんです。アキラは、2020年に東京オリンピックを控えた関東地方を舞台にしていて、実際にそうなるわけで、すごいですね。

 

それぞれ、なるほどなーと思いつつ、ひとしきり妻と議論した後、僕らが一番好きな作品『サイコパス』を観たくなって、いまは『サイコパス2』を視聴中。

 

この作品の素晴らしさはまたおって書き記したいですが、ものすごく論理的でリアリティのあるSF作品です。いまAIやシンギュラリティなどがひっきりなしに話題に上っていますが、2012年の1期開始時点で、これらの動向をある種予見し、その先に行き着く近未来を描いています。

 

あまりに好きすぎて、各種イベントに参加したり関連グッズなども集めています。

 

その1つが自慢のドミネーターです。

 

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かっこいいでしょ(笑)

 

今年1月から劇場版3部作が公開されるので、楽しみでしょうがないです!

PSYCHO-PASS Sinners of the System

 

仕事もせず映画・アニメ三昧です。

 

幸せです。

2019年もよろしくお願いします!

新年あけましておめでとうございます。

 

今年はとても穏やかな年始を過ごせています。

 

今日はな~んにもせず、明日からぼちぼち動き始めます。

 

年は変わりましたが、年度末までの3ヶ月は怒涛のラッシュを控えているので、短期間でもしっかり充電して乗り切りたいと思います。

 

4月以降のことを考える余裕はなかなかない相変わらずの自転車操業ですが、中長期的な計画はしっかり見据えつつ、目の前のことに精一杯取り組んでいきたいと思います。

 

また、今年は厄年(42歳)ということもあるので、既にあちこちガタがきているので、健康には十分注意したいと思います。

 

改めて、本年もどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

 

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2018年もお世話になりました!

ブログに書きたいことが色々あったのに、11月中旬からものすごいバタバタで、気づけば2018年も残すところ2時間を切りました。

 

自分が大学人としてどんな1年だったかを評価する上では色んな軸がありますが、自分的に1番頑張れたのは学内の仕事(特に教育アセスメント室としての仕事)でした。

 

(現在、教育アセスメント室では専任の教授or准教授を公募中です。ご興味のある方にぜひご紹介下さい)

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/acceptance/other/koubo/koutou/2018/181220_0930.html/at_view/file

 

全学的に重要なミッションを受けたり、色んな部局と協働で新しいプロジェクトを始めたりと、京大の中にかなり入り込んで仕事を進めることが出来ました。

 

これだけの規模の大学、とりわけ研究大学において、小さな教育支援組織や部局外の個人が入り込むのは、やっぱり大変です。それでも、色んなレベルで課題はあるし、それを丁寧に拾いながら自分に出来ることをしていけば、色々なところから声をかけてもらうようになりました。

 

また、僕は協働型のスタイルが重要だと思っているので、色んな先生や職員の方と議論しながら作り上げていくことが出来たのは、とても勉強になったし、楽しかったです。

 

来年も色んな方と協働しながら、楽しみながら、教育開発の仕事を進めていきたいと思います。

 

2019年もどうぞよろしくお願いいたします!

 

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曖昧さや余白が思考力を育む

「曖昧さ」や「余白」ってすごく大事じゃないかなぁって最近よく思うんです。

 

21世紀は、VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代、予測困難な時代と言われます。

 

そうした時代を生き抜く若者を育てるための教育が求められています。次から次へと改革プランが提示され、それらは極めてロジカルに設計されています。様々な行程が隙間なく埋め込まれ、現場ではその対応に膨大な時間と労力を割いています。

 

そうした流れの中、学生への教育もあらゆる側面で「具体的に」「可視化する」ことが推奨されています。

 

授業ひとつとっても、教材や指示は具体的で懇切丁寧になっていく方向で動いています。学生が理解しやすいように、活動しやすいように。

 

でも、そのことは、見方を変えると、「自分で考えなくても理解できる」「自分で工夫しなくても活動できる」とも取れます。

 

結果的に、主体的・自律的な学習者の育成のための教育改革は、それとは逆行するというジレンマに陥ってしまいます。

 

そのことの一旦は、以前ブログでも紹介した調査結果にもあらわれているように思います。

拡がるAL、変わる!?学生の学習観 - 人生考路

 

例えば、提示された「問題や指示」が曖昧なら、そのままでは解決すること・動き出すことが出来ないので、まず何が問題なのか、何が求められているのかを同定しないといけない。

 

曖昧さを具体化する過程で思考が動き出すので、この過程を奪ってしまうと、頭を動かす必要が無くなってしまいます。そのことを「学習」した学生は、与えてもらうことが当たり前になり、指示が曖昧なら不満を覚えるようになります。

 

このことも、以前のブログで紹介した調査結果にあらわれているように思います。

学生の満足度、なぜ下がるのか - 人生考路

 

大学改革にせよ学生教育にせよ、主体性を本来発揮すべき人ではない人が「余白」を全て埋めてしまうことによって、当人が思考する機会を奪ってしまいかねません。しっかり考える(思考力を育む)には、曖昧さや余白(時間・空間的余裕)が必要です。

 

学校(school)の原義は、ギリシャ語のschore(シューレ)にあり、それは「余暇」を意味しています。

 

もちろん、当時の意味通りとはいかないと思いますが、じっくり考えたり議論したりするための余白を担保することが今の学校に最も必要なことだと感じずにはいられません。

始まりましたね、京大11月祭

今日から京大では11月祭(通称NF)が始まりました。

 

京都大学11月祭

 

開催期間は、22日(木)~25日(日)の4日間ですが、21日(水)の前夜祭や26日(月)の片付けなんかも含めると、なんと6日間もあてています。

 

全国の大学では、文科省による授業時間(15週)の確保の徹底への対応の煽りから学祭期間は短くなる一方。そんな中での京大のこの期間の長さ、個人的にはぜひ続けて欲しいですね。

 

めいっぱい楽しんで!

 

打合せと会議の合間に、お昼ご飯を食べにグラウンドに。全体的に勧誘の学生らの声かけが控えめで可愛いなぁと思ったり。

 

ステージで女の子たちが歌って踊ってたので、鑑賞しながらのお昼。「Pichicart」っていう同志社女子大学のアイドルダンスコピーサークルの子たちが、パフォーマンスしてました。一生懸命、笑顔で演じれば、こっちも自然と笑顔になります。頑張って下さいね。

 

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夕方に僕が好きなオーイシマサヨシさんのライブがあったのだけど、仕事の関係で観ることが出来なかったのはとっても残念でした。。

 

最後は、いま一緒に教育アセスメント室の仕事をやっているうちのかわいい研究員の長沼くんと、怪しげな焼きそば。

 

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学生には、大いに学び、大いに遊んで欲しいと思います。

今年もやります、東山中高AL実践研究会2018

私が3年前から学校全体の教育改革に携わっている東山中学・高等学校(私立・中高一貫・男子校)で、3回目となる「アクティブラーニング実践研究会2018」を開催します。

 

参加申込を開始したので、ここでも周知させてもらいます。以下、概要です。

 

【日時】平成30年12月15日(土)10:15~16:50

【会場】東山中学高等学校

【参加費】無料

【定員】100名

【申込期限】12月7日(金) *ただし、定員になり次第、締切

 

内容の詳細ならびに申込は、以下のサイトよりお願いします。

東山中学・高等学校 「アクティブラーニング実践研究会2018」のご案内

 

例年通り、複数のAL型授業の参観ならびに検討会、東山での正課内外における実践の紹介はもちろん、今回は複数のテーマを設定して、参加者間で情報交換やディスカッションを行うテーマ別交流会も新たに設けています。

 

私は、プログラムの最後に「調査データから見るアクティブラーニングの効果と課題ー東山ア セスメントの結果もふまえてー」と題して、総括講演を行います。

 

毎年好評いただいている立食形式の昼食会(なんと無料!)でも、たくさんの先生方と交流できます。

 

東山のAL実践研究会は、このように色んな先生方が色んな形で交流出来るように設計しています。お仲間を見つけにぜひいらして下さい。


なお、過去の実践研究会の様子(動画)は、以下で観ることができます。

 

それでは、お待ちしております。

祝!ディズニーウェディングに出席しました

11月10日、待ちに待ったディズニーウェディング&披露宴@ホテルミラコスタに出席させてもらいました!

 

【公式】ディズニー・フェアリーテイル・ウェディング

 

本当に偶然、うちのスタッフで、僕の比じゃないくらいディズニー好きな子がいて、ディズニーで式をあげるということで、妻共々お呼ばれしたのでした。

 

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改めて、おめでとう!

 

いやー、しかし楽しかった。式も素敵やったし、披露宴ではキャラクターたちがわんさか出てくるし(めっちゃ近いし!)、お料理もこの機会にしか食べられないスペシャルなものばかりだし。

 

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おまけに、人生初の乾杯の挨拶をさせてもらって、めっちゃ緊張しました。。けど、想いは込めたし、みんないっぱい笑ってくれてたし、OKかな?妻が全部動画に収めてくれていたので、何度かホテルで見直しました。

 

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僕にとっても大好きなディズニーで素敵な時間を過ごさせてもらいました。

 

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本当にありがとう!

 

お幸せに!

 

 

翌日は、せっかくなのでディズニーシーで遊びました🎵 クリスマスが始まって最初の週末だったので、人めっちゃ多かったですが、ゆっくり楽しみました(*^。^*)

 

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WhatをWhyに変えると会話は深くなる

昨日の午後は、京都産業大学のキャリア教育の授業に社会人ゲストスピーカーとして話に行ってきました。前期にも行かせてもらいましたが、その時のことは以下のブログにも書いています。

 

京産大のキャリア授業を担当して - 人生考路

(2018年6月8日の記事)

 

今回も色んな学生と出会い、彼らからのインタビューに応じていき、「イマドキ」の学生の大学や将来、学びや成長について色んなことを感じ、知ることが出来ました。

 

しかし、もやもやくすぶってる感じの学生と接するのは楽しいですね。この学生にはこんな風に接していけば伸びるだろうなぁって。学生ってみんなそれぞれのポテンシャルを持ってるので、それを引き出すのが教育の醍醐味ですね。

 

ただ、ちょっとやり取りについて、物足りないなぁという思いもあって、その理由と対策について書こうと思います。

 

それは、質問が「何(What)」に関するものがほとんどだったことです。

 

例えば、以下のようなやり取り

  • (僕)ディズニーが好き →(学)何のキャラクターが好きですか?アトラクションは何がお勧めですか?→(僕)スティッチかな。アトラクションよりショーやパレードが好き。
  • (僕)色んなバイトをしてた→(学)どんなバイトしてたんですか?→(僕)30個以上はやったね→(学)変わったバイトはありますか?→(僕)工場でバナナを箱に詰める人をひたすら監視するバイトとか。
  • (僕)学生時代バンドしてた→(学)どんな音楽ですか?→(僕)北欧メタル

 

こんな感じです。ちなみにすべて実話です。もちろん、答えるし、良いんですけどね。でも、限られた時間でこのやり取りを続ける先に何があるかな、って思うわけです。

 

今回だけ、学生だけの話ではなく、多くの人はこの「何」を中心に会話をしています。誰々が何処どこで〇〇をしてた、とかワイドショー的な話も多いですが、正直、僕は興味がありません。

 

この「なになにキャッチボール」を脱却して、会話をより深く継続させるシンプルな方法は、「なに(What)」を「なぜ(Why)」に変えることです。

 

例えば、さっきの例で「ディズニーが好き」っていうのに対して、「なぜ好きなんですか」って聞いてくれたら、「よくぞ聞いてくれた!それはね.....」といくらでも続きます。

 

「バイトをたくさんしてた」なら、「なんでそんなにやらないといけなかったんですか」、「バンドをやっていた」なら、「いまに至ったのはなんでですか」、って聞いてくれたら、色んな話をしてあげられます。

 

言い方を変えると、事実や出来事そのものの話から、その理由や背景、経緯へと関心を移すことで、会話はより深く、相手のこともより深く理解することが出来ます。

 

しかも、コミュニケーションが苦手な人でも、この言葉を使うだけで、かなり楽にやり取りを続けることが出来ます。嘘だと思ったらやってみて下さい。

 

とってもシンプルで、魔法のような言葉、「なぜ」を使って、会話が深く弾む体験をぜひ味わってみて欲しいです。

㈱京大オリジナル、活用したいな

京大が指定国立大学の認可を受けた際に構想されていた事業(産官学連携の「京大モデル」)の一つに、京大オリジナル株式会社(京大オリジナル株式会社 |『京大の知』を発掘し、解放する)の設立があった。

 

今年の6月1日に設立されたが、主な事業は以下の2つ。

 

  1. コンサルティング事業
  2. 研修・講習事業

 

学外の人を巻き込んだ展開も可能なようなので、高等教育を初めとする学校教育の課題解決のための体系的なプログラムを構築するなど、色んなことが出来そう。自分個人としても、これまでにたくさんの講演や研修、ワークショップを開発・実施してきた経験やノウハウの蓄積があるので、うまく活かせたらなと。

 

NPOを一から設立・運営するのは大変だし、民間企業と組むのはそれなりに偏りや制約も出てくる。これならロジ関係のサポートも受けながら、自分たちがやりたいことを提供したい人たちに届けることが出来そう。

 

プランを練って、仲間を集めて(ここが最大の問題.....)、トライしてみたいな。