人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育を探究する-京大准教授・山田剛史のブログ

ツールの問題じゃなく,ハートの問題

今日は大学は創立記念日でお休みでした。その機会を利用して,学生たちとZoomで談話会を開きました。

 

その学生たちとは,総合人間学部の2回生3名でした。きっかけは2週間前に私が担当した心理学概論の授業。私が唯一担当している学部生向けの授業。たった一コマしかなく,また,オンラインということもあって,きちんと伝わっているかドキドキしながら授業を準備,実施しました。受講生は130名ほどいたかな。

 

授業後の振り返り(Web)で,みんなから様々な感想や意見が寄せられていて,授業に対するポジティブなフィードバックも結構あってホッとしていました。

 

そこに加えて,2人の学生から丁寧かつ熱いメールが送られてきました。

 

特に,そのうちの1人のメールに心が躍りました。

大丈夫だと思うので,一部抜粋して掲載します。

 

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突然ですが、私はここ2週間ほどダラダラと無為な日々を過ごしていました。そんな中「心理学概論-教育」の授業を受けて、授業の楽しさや自分の持っていた問題意識・教育への興味を思い出しました。今は心を入れ替えて予習復習に励みはじめています。精進します。

 

オンライン授業ばかりですと、生徒側も先生側も授業への実感が湧かないと思います。
ですが、先生の言葉は画面の向こうの私たちに届いています。
(授業後は友人たちと「良かった……」「最高……」と言い合っていました(笑))

 

オンライン授業には「廊下」がなく、先生に質問をしようとするとメールになるため「負担になってしまうのではないか…」と内心おどおどしながら送信しております。
お忙しければ「また時間のある時に返信します」とだけ返信していただいて構いません。

 

ずっとパソコン画面を見つめていらっしゃると思うので、お身体が心配です。授業のお礼としてホットアイマスクを郵送したいくらいの気分ですが、対面でお会いできる日を心待ちにしてその思いはとどめておきます。
どうかご自愛ください。

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たった一回のオンライン授業で,所属学部でも何でもない教員に対して,こんな風に感じ,こんな風に伝えてくれたことが素直に嬉しくて,その想いをメールで伝えました。

 

でも,それだけでは飽き足らず,一緒に話していた学生さんも交えてZoomで話しましょう!ということになりました。

 

今日は2時間30分近く,3名の学生たちと話をしました。どこから来てどんなことに興味があるのか,今どんな状況でこれからどんなことをしたいと思っているのか,オンライン授業はどうかなどなど。私のこともたくさん話しました。普段学部学生と交流を持つことがないので,私にとっても新鮮で楽しい時間でした。

 

何より,こうして勇気を出して想いを伝えてくれた学生さんに応えたい。

 

ずっとオンライン授業が続いていて,友人とも教員とも会えない時だからこそ,想いはちゃんと届いているよ,頑張ったことを見ている人は必ずいるからね,って直接言葉で伝えたかった。

 

学生さんも感極まって泣いていたけど,僕も泣きそうでした(笑)

 

みんなのことはこれからも大事に想ってるからまた会おうね,といって談話会は終わりました。

 

改めて,ツールの問題じゃないな,ハートの問題やなって思いました。

 

想いを伝えること,想いに応えること。こんな些細なことでお互いにあったかい気持ちになって,また明日を頑張ろうって思えます。

 

私たち大人の役割は,想いに応えること。そして,子供たちが想いを伝えても大丈夫なんだ,って安心してもらうこと。そうやってあったかい社会を創っていきたいなと想います。