人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育を探究する-京大准教授・山田剛史のブログ

コロナ禍で学びをより楽しく

コロナ禍で会議も授業もゼミもあらゆるものがオンラインになって1ヶ月以上が経ちます。

 

オンライン教育に限っても是々非々様々な意見が飛び交っています。

 

僕自身、この間色々と道具に慣れたりするのに悪戦苦闘していますが、良かったなと思う気づきがあります。

 

大学の教室でとなると、どうしても畏まったり、ちゃんとしないと、という意識が強くなります(そもそも僕は弛めですが)。また、対面だと、それだけで相手に伝わる情報も多く、統制も取りやすいので、学生とのコミュニケーションやモチベーションへの配慮はそこまでしなくても大丈夫だったりします。

 

それが、自宅で、画面を通して、となると、全くおんなじようにはいきません。

 

最初はそのことが障害として認識され、対面のようにいかないことのストレスとして感じられていました。それは、対面が当たり前で、そこにある種の正解(価値)があるものだという認識があったからかもしれません。だからそこに近づけようとするも、うまくいかないといった必然のジレンマに陥ってしまいます。

 

でも、そもそも対面と比べる必要はないし、対面かオンラインかの2分法で考える必要もないなと。最も大事なのは「学生の学びが続けられること」だということを痛感します。学びの質を保証することも大事ですが、まずはそこがあってこそなんだと思います。

 

そして、そのために出来ることは何かを考えて実践すること。オンラインによって、学生の集中力やモチベーションの低下が問題なのであれば、どうすればそれを食い止めることが出来るかを考えて実践すればいいだけ。様々なICTツールの習熟もその問題解決のための手段の1つであって、それ自体がさほど重要ではないと考えます。

 

そういう中で、僕がオンライン授業を実践するうえで意識していることは「もっと自由に!」「もっと楽しく!」ということです。

 

そこまで言うと大げさですが、例えば、いつも膝の上に乗ってくるワンちゃんを登場させたり、好きなディズニーのTシャツを着たり、ミッキーのカチューシャを付けたり。ニコ生みたいにチャットを活用したり、学生同士のグループディスカッションでは雑談タイムを設けたり、バーチャル背景を合わせたり。学生にも飲食を許可したり、楽な格好で受けてもらったり。

 

物理的距離があるのなら、心理的距離を詰めればいい。それは技術ではなく、気持ちとアイデアで実現できる。そんなことを実感しています。

 

大学の授業としていかがなものか、そんなことはけしからん、と思う先生もいるかもしれませんが、僕は学生の学びにとってマイナスにはなっていないと思っています。

 

教員(大人)の側が既成の枠組みをとっぱらって、この新しい学びの創出に乗り出せるか。大学教育のあり方がこれまで以上に激しく問われているのではないでしょうか。

 

僕自身は今回のコロナ禍で、教育者としてもう一皮剥けたような感じがしていて、日々ワクワクしながら授業に臨んでいます。