人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育を探究する-京大准教授・山田剛史のブログ

よき助言者でなく、よき理解者に

昨晩、以下の番組を見ました。

 

ハートネットTV シリーズ 変わり始めた精神医療(1)「子どもたちの心」 | NHK ハートネットTV

 

厚労省の調べによると、精神疾患を有する総患者数は、平成11年の204.1万人から毎年増え続け、平成26年には392.4万人と、倍近くにも上ります。

 

また、精神疾患の発症のピークは、10代後半から20代前半ということで、大学教育を通じて同世代に関わる者として看過できない問題だと思います。

 

こうした問題に対する対策の1つとして、新しい学習指導要領では、高校の教科書の中に精神疾患に関する具体的な記述が盛り込まれることになっています。無理解による問題の悪化を防ぐためにも、学校教育の中で取り上げることは大切だと思います。

 

少なくとも「精神が弱いからだ」「頑張りが足りないだけだ」といった誤った考えを無くしていければいいなと思います。

 

番組の最後に、精神科医の先生が

 

「よき助言者でなく、よき理解者に」

 

といった言葉を発しておられました。

 

これは私自身もとても重要だと思っています。どうしても大人や特に教職につく人は「助言」しようとします。何か良い事を言って、良くしてあげよう、良い方向に導いてあげよう、と思いがちです。

 

この想い自体が悪いものではないだけにかえって問題が複雑になります。

 

「あなたのためを思って.......」

 

残念ながら一番ダメなパターンです。

 

私たち大人に出来ることは、よき理解者になること、よく理解しようとすること、その子が何を訴えたいのかに耳を傾けること、その善し悪しを(自分たちの価値観で)判断・評価しないこと、ありのままを受け入れること、なんだと思います。

 

これを大人や教師が実践できれば、子どもたちはかなり楽になれるし、結果的に精神疾患の改善につながると思います。

 

もちろん、関わり方以外にも様々な要因が重なり合って発症に至るのですが、比較的可変性の高い関わりの在り方を見直すことで、少しでも子どもたちの幸せな人生に寄与できればと切に願います。