人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

役得

教育開発/支援の仕事は、相手があってのことなので、様々な理由で上手くいかないこともあるという点では、なかなか大変ですが、やっぱり面白いなと思います。

 

それは、やったらやっただけ結果の出る、あるいは思うような結果が出なくてもそれは自分の責任として引き取れる研究とは違うので、すごくモヤモヤしたり、焦りを感じたりすることもあるのですが。

 

教育開発/支援の仕事の最大の旨味は、専門分野を超えて、色んな先生と出会えることです。学術上のコミュニティだとどうしても狭くなってしまいがちですが、学部・学科・分野に関係なく、また、管理職・教員・職員の別に関係なく、教育という共通の切り口で入り込んでいくことが出来ます。

 

今日は、MOOCのアセスメント結果を学内の先生にフィードバックしに行ってきました。うちのセンターではMOOCのコンテンツを一切外注せず、制作・運用しています。これは全国的に見ても例を見ないことです。それだけ内部での制作は大変なのですが、私は教育アセスメント室の業務の一環で、このデータ分析に携わっています。そして、MOOCのコースが終了したら、制作チームと一緒に担当してくれた先生の所に詳細なレポートを携えてフィードバックに行くことにしています。

 

そして、このMOOCを担当してくれる先生方というのは、京大の中でも研究者として一線級の先生ばかりです。世界中を飛び回っている先生も少なくなく、アポイントを取るのも大変です。そんな先生に時間を空けてもらうので、こちらも結構緊張するのですが、みなさん快く応じてくれます。

 

私は、この機会に色んなことを聞いたりします。フィードバックはもちろんちゃんとやりますが、先生がなぜこの研究をするようになったのか、魅力は何か、挫折しそうになったことはないのか、など、調子に乗って色々伺います。でも、とても楽しそうに語って下さいます。

 

今日伺った先生は、高等研究院の松沢哲郎先生(Dr. Tetsuro Matsuzawa 松沢哲郎・京都大学高等研究院特別教授)です。アイ・プロジェクトを始めとするチンパンジーの心の研究で世界的に活躍されており、名誉ある賞も多数受賞されています。

 

そんな先生と1時間程度お話出来る機会はなかなかないので、僭越ながら上記のような質問も色々させてもらいました。一つ一つにこやかに応じてくれただけではなく、ご著者(洋書3部作)を紹介してくれて、熱く語ってくれました。

 

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それだけに留まらず、ご著者もいただいたり、素敵なサインまでいただきました!勉強させていただきます。

 

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こうした先生と話していると、一流の研究者は一流の教育者だなぁと痛感します。

 

何より共通するのは、留まるところをしらない好奇心です。好き、楽しい、もっと知りたい。先生方の中にあるのは、こんなシンプルで純粋な気持ちなんだなと感じます。

 

私自身、本当にそんな気持ちで研究に向き合えているか、考えさせられます。

 

そんな出会いや気づきをもたらしてくれる、教育開発/支援の仕事をしていて良かったな、と思う瞬間です。

 

いやはや、役得役得。