人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

曖昧さや余白が思考力を育む

「曖昧さ」や「余白」ってすごく大事じゃないかなぁって最近よく思うんです。

 

21世紀は、VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代、予測困難な時代と言われます。

 

そうした時代を生き抜く若者を育てるための教育が求められています。次から次へと改革プランが提示され、それらは極めてロジカルに設計されています。様々な行程が隙間なく埋め込まれ、現場ではその対応に膨大な時間と労力を割いています。

 

そうした流れの中、学生への教育もあらゆる側面で「具体的に」「可視化する」ことが推奨されています。

 

授業ひとつとっても、教材や指示は具体的で懇切丁寧になっていく方向で動いています。学生が理解しやすいように、活動しやすいように。

 

でも、そのことは、見方を変えると、「自分で考えなくても理解できる」「自分で工夫しなくても活動できる」とも取れます。

 

結果的に、主体的・自律的な学習者の育成のための教育改革は、それとは逆行するというジレンマに陥ってしまいます。

 

そのことの一旦は、以前ブログでも紹介した調査結果にもあらわれているように思います。

拡がるAL、変わる!?学生の学習観 - 人生考路

 

例えば、提示された「問題や指示」が曖昧なら、そのままでは解決すること・動き出すことが出来ないので、まず何が問題なのか、何が求められているのかを同定しないといけない。

 

曖昧さを具体化する過程で思考が動き出すので、この過程を奪ってしまうと、頭を動かす必要が無くなってしまいます。そのことを「学習」した学生は、与えてもらうことが当たり前になり、指示が曖昧なら不満を覚えるようになります。

 

このことも、以前のブログで紹介した調査結果にあらわれているように思います。

学生の満足度、なぜ下がるのか - 人生考路

 

大学改革にせよ学生教育にせよ、主体性を本来発揮すべき人ではない人が「余白」を全て埋めてしまうことによって、当人が思考する機会を奪ってしまいかねません。しっかり考える(思考力を育む)には、曖昧さや余白(時間・空間的余裕)が必要です。

 

学校(school)の原義は、ギリシャ語のschore(シューレ)にあり、それは「余暇」を意味しています。

 

もちろん、当時の意味通りとはいかないと思いますが、じっくり考えたり議論したりするための余白を担保することが今の学校に最も必要なことだと感じずにはいられません。

始まりましたね、京大11月祭

今日から京大では11月祭(通称NF)が始まりました。

 

京都大学11月祭

 

開催期間は、22日(木)~25日(日)の4日間ですが、21日(水)の前夜祭や26日(月)の片付けなんかも含めると、なんと6日間もあてています。

 

全国の大学では、文科省による授業時間(15週)の確保の徹底への対応の煽りから学祭期間は短くなる一方。そんな中での京大のこの期間の長さ、個人的にはぜひ続けて欲しいですね。

 

めいっぱい楽しんで!

 

打合せと会議の合間に、お昼ご飯を食べにグラウンドに。全体的に勧誘の学生らの声かけが控えめで可愛いなぁと思ったり。

 

ステージで女の子たちが歌って踊ってたので、鑑賞しながらのお昼。「Pichicart」っていう同志社女子大学のアイドルダンスコピーサークルの子たちが、パフォーマンスしてました。一生懸命、笑顔で演じれば、こっちも自然と笑顔になります。頑張って下さいね。

 

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夕方に僕が好きなオーイシマサヨシさんのライブがあったのだけど、仕事の関係で観ることが出来なかったのはとっても残念でした。。

 

最後は、いま一緒に教育アセスメント室の仕事をやっているうちのかわいい研究員の長沼くんと、怪しげな焼きそば。

 

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学生には、大いに学び、大いに遊んで欲しいと思います。

今年もやります、東山中高AL実践研究会2018

私が3年前から学校全体の教育改革に携わっている東山中学・高等学校(私立・中高一貫・男子校)で、3回目となる「アクティブラーニング実践研究会2018」を開催します。

 

参加申込を開始したので、ここでも周知させてもらいます。以下、概要です。

 

【日時】平成30年12月15日(土)10:15~16:50

【会場】東山中学高等学校

【参加費】無料

【定員】100名

【申込期限】12月7日(金) *ただし、定員になり次第、締切

 

内容の詳細ならびに申込は、以下のサイトよりお願いします。

東山中学・高等学校 「アクティブラーニング実践研究会2018」のご案内

 

例年通り、複数のAL型授業の参観ならびに検討会、東山での正課内外における実践の紹介はもちろん、今回は複数のテーマを設定して、参加者間で情報交換やディスカッションを行うテーマ別交流会も新たに設けています。

 

私は、プログラムの最後に「調査データから見るアクティブラーニングの効果と課題ー東山ア セスメントの結果もふまえてー」と題して、総括講演を行います。

 

毎年好評いただいている立食形式の昼食会(なんと無料!)でも、たくさんの先生方と交流できます。

 

東山のAL実践研究会は、このように色んな先生方が色んな形で交流出来るように設計しています。お仲間を見つけにぜひいらして下さい。


なお、過去の実践研究会の様子(動画)は、以下で観ることができます。

 

それでは、お待ちしております。

祝!ディズニーウェディングに出席しました

11月10日、待ちに待ったディズニーウェディング&披露宴@ホテルミラコスタに出席させてもらいました!

 

【公式】ディズニー・フェアリーテイル・ウェディング

 

本当に偶然、うちのスタッフで、僕の比じゃないくらいディズニー好きな子がいて、ディズニーで式をあげるということで、妻共々お呼ばれしたのでした。

 

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改めて、おめでとう!

 

いやー、しかし楽しかった。式も素敵やったし、披露宴ではキャラクターたちがわんさか出てくるし(めっちゃ近いし!)、お料理もこの機会にしか食べられないスペシャルなものばかりだし。

 

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おまけに、人生初の乾杯の挨拶をさせてもらって、めっちゃ緊張しました。。けど、想いは込めたし、みんないっぱい笑ってくれてたし、OKかな?妻が全部動画に収めてくれていたので、何度かホテルで見直しました。

 

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僕にとっても大好きなディズニーで素敵な時間を過ごさせてもらいました。

 

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本当にありがとう!

 

お幸せに!

 

 

翌日は、せっかくなのでディズニーシーで遊びました🎵 クリスマスが始まって最初の週末だったので、人めっちゃ多かったですが、ゆっくり楽しみました(*^。^*)

 

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WhatをWhyに変えると会話は深くなる

昨日の午後は、京都産業大学のキャリア教育の授業に社会人ゲストスピーカーとして話に行ってきました。前期にも行かせてもらいましたが、その時のことは以下のブログにも書いています。

 

京産大のキャリア授業を担当して - 人生考路

(2018年6月8日の記事)

 

今回も色んな学生と出会い、彼らからのインタビューに応じていき、「イマドキ」の学生の大学や将来、学びや成長について色んなことを感じ、知ることが出来ました。

 

しかし、もやもやくすぶってる感じの学生と接するのは楽しいですね。この学生にはこんな風に接していけば伸びるだろうなぁって。学生ってみんなそれぞれのポテンシャルを持ってるので、それを引き出すのが教育の醍醐味ですね。

 

ただ、ちょっとやり取りについて、物足りないなぁという思いもあって、その理由と対策について書こうと思います。

 

それは、質問が「何(What)」に関するものがほとんどだったことです。

 

例えば、以下のようなやり取り

  • (僕)ディズニーが好き →(学)何のキャラクターが好きですか?アトラクションは何がお勧めですか?→(僕)スティッチかな。アトラクションよりショーやパレードが好き。
  • (僕)色んなバイトをしてた→(学)どんなバイトしてたんですか?→(僕)30個以上はやったね→(学)変わったバイトはありますか?→(僕)工場でバナナを箱に詰める人をひたすら監視するバイトとか。
  • (僕)学生時代バンドしてた→(学)どんな音楽ですか?→(僕)北欧メタル

 

こんな感じです。ちなみにすべて実話です。もちろん、答えるし、良いんですけどね。でも、限られた時間でこのやり取りを続ける先に何があるかな、って思うわけです。

 

今回だけ、学生だけの話ではなく、多くの人はこの「何」を中心に会話をしています。誰々が何処どこで〇〇をしてた、とかワイドショー的な話も多いですが、正直、僕は興味がありません。

 

この「なになにキャッチボール」を脱却して、会話をより深く継続させるシンプルな方法は、「なに(What)」を「なぜ(Why)」に変えることです。

 

例えば、さっきの例で「ディズニーが好き」っていうのに対して、「なぜ好きなんですか」って聞いてくれたら、「よくぞ聞いてくれた!それはね.....」といくらでも続きます。

 

「バイトをたくさんしてた」なら、「なんでそんなにやらないといけなかったんですか」、「バンドをやっていた」なら、「いまに至ったのはなんでですか」、って聞いてくれたら、色んな話をしてあげられます。

 

言い方を変えると、事実や出来事そのものの話から、その理由や背景、経緯へと関心を移すことで、会話はより深く、相手のこともより深く理解することが出来ます。

 

しかも、コミュニケーションが苦手な人でも、この言葉を使うだけで、かなり楽にやり取りを続けることが出来ます。嘘だと思ったらやってみて下さい。

 

とってもシンプルで、魔法のような言葉、「なぜ」を使って、会話が深く弾む体験をぜひ味わってみて欲しいです。

㈱京大オリジナル、活用したいな

京大が指定国立大学の認可を受けた際に構想されていた事業(産官学連携の「京大モデル」)の一つに、京大オリジナル株式会社(京大オリジナル株式会社 |『京大の知』を発掘し、解放する)の設立があった。

 

今年の6月1日に設立されたが、主な事業は以下の2つ。

 

  1. コンサルティング事業
  2. 研修・講習事業

 

学外の人を巻き込んだ展開も可能なようなので、高等教育を初めとする学校教育の課題解決のための体系的なプログラムを構築するなど、色んなことが出来そう。自分個人としても、これまでにたくさんの講演や研修、ワークショップを開発・実施してきた経験やノウハウの蓄積があるので、うまく活かせたらなと。

 

NPOを一から設立・運営するのは大変だし、民間企業と組むのはそれなりに偏りや制約も出てくる。これならロジ関係のサポートも受けながら、自分たちがやりたいことを提供したい人たちに届けることが出来そう。

 

プランを練って、仲間を集めて(ここが最大の問題.....)、トライしてみたいな。

人生初の怪談ライブ

実は、妻も僕も怪談とか心霊とか好きなんです。

 

最近はユーチューバーさんのおかげで、色んな心霊スポットとか廃墟とか行ってレポートしてくれるので、密かに楽しんでいます。

 

特にお気に入りなのが、テレビなどにも出ておられますが、三木大雲住職(通称、怪談和尚)(三木大雲 - Wikipedia)です。自身が体験した様々な心霊現象について、科学的な見地も踏まえつつ、また説法も交えつつ、分かりやすい口調で話してくれるので、好んで動画を見たりしています。

 

自分ではなかなか行けないところに行ってくれるし、テレビのような「作り物」感も少ないし、臨場感があって、楽しいんですよね。

 

怪談収集家なる人たちもたくさんいて、怪談ライブなどのイベントも何気に盛り上がっています(個人的には誰かに聞いた話より、やっぱり直接体験した話がいいなと)。火付け役の一人である「事故物件住みます芸人」の異名を持つ松原タニシさんが配信しているotune liveや、今年初めて行われた怖い話No.1決定戦「OKOWAチャンピオンシップ」(OKOWA|Otune Kowai Ohanashi World Alliance|OKOWAチャンピオンシップ決勝戦)なんかも面白いです。

 

そんな中、偶然家の近所で怪談ライブがある、しかも三木和尚来るやん!ってことで、チケット取って行ってきました。

 

いやー、生の怪談ライブ、なかなかの雰囲気で楽しかったー、なんて言いながら会場を後にしようとしていたら、三木和尚いるやないの。ということで、写真撮影に快く応じてくれました。少しお話もさせてもらえて、感激でした。そして、次の単独ライブのチケットも買ってしまった。。

 

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色んなことに興味のあるえぇ歳したおっさんです。

(前回のブログで一休さんを出したのは偶然か、はたまた。。)

ゆっくり落ち着いて

9月中旬から続いた超過密スケジュールをなんとか切り抜けたと思ったら、ハロウィンの飾り付けをする間もなく、11月に突入。

 

少し余裕ができると、ソワソワして「何かしなきゃ」と不安になってしまうワーカホリックな自分。

 

SNSやネットに溢れる情報を見ると、どうしても焦ってしまう。自分もこうしちゃいられない、あれもしてこれもして、って。

 

やってもやっても、やるべきことややらなきゃいけないことが増えていくので、なかなかやりたいことにまで辿り着けなくて、自分の能力の低さを嘆いたり優秀な人を羨んだり。

 

これだけ個人個人が様々な媒体を通じて自己主張できる時代なので、情報へのアクセスが容易になるのは有難いけど、きちんと線引きしておかないと、すぐに他者に引っ張られてしまう。

 

自分に余裕がないと他者に引っ張られやすいし、そうなると悪循環。気持ちばかり焦って生産性も上がらない。

 

でも、人は人、自分は自分。

 

単純なことだけど、この超情報化社会ではとても難しい。

 

焦らず慌てず、ゆっくり落ち着いて。

 

深呼吸して、自分らしく、上を向いて歩こう

 

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日本青年心理学会第26回大会を終えて

昨日、今日と日本青年心理学会第26回大会が、京都大学吉田キャンパスで開催されました。

 

大会委員長の溝上先生も転出していたし、僕も大会委員でしたが、なかなか余裕がなかった中、院生の溝口くんが本当に頑張ってくれました。ありがとね。お手伝いしてくれた他の院生さんらもお疲れさまでした。参加された会員のみなさまにはご不便をかけたやもしれませんが、ご容赦いただければ幸いです。

 

個人的には、先般行われた役員選挙で理事に選出されたので(しかも初めてなのに常任理事に)、大会前日の理事会・懇親会にも出席させてもらいました。会長の大野先生とじっくりお話できて嬉しかったです。任期は2019年4月からの3年間ですが、僕のホームでもある青年心理学会の発展に貢献できればと思います。

 

口頭発表の座長のお仕事もあったし、研究委員会や関係する打合せもあったので、かなりバタバタでしたが、色々と自分の研究を発展させる視点も得られたし良かったです。

 

写真は、今朝講演されたヘレナ・ヘルブ先生(タンペレ大学名誉教授)の最後のスライド。第32代大統領ルーズベルトの言葉。良いですね。

 

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開星中高でのお仕事を終えて

島根県開星中学校・高等学校にて公開教育研究会のお務めを終えて帰ってきました。

 

とっても濃ゆくて有意義な時間を過ごさせてもらいました。

 

前日の夜は、学校の管理職の方々が食事会を開いてくれて、久しぶりの島根の夜を満喫しました。島根の地酒も美味しかったです。

 

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研究会当日、午前は研究授業の参観。4つの授業を行き来しつつ、SSHの一環で進めている科学探究の授業を中心に参観。午後は、参観した授業についての研究協議。なんと、島大時代にたくさんお世話になった大好きな先生、教育学部の松本一郎先生が来られていて、一緒に指導助言者として席を並べる機会に恵まれました。お会いしたのは島大を離れて以来だったので、8年以上前になりますが、すぐに昔のように打ち解け、話せる時間がある限りお話していました。本当に嬉しかったです。

 

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その後、記念講演ということで、先生方向けに講演させていただきました。先生方、とても熱心でこちらも楽しませてもらいました。

 

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講演会の後、同じく島大時代にお会いしたことのあった泉先生(現在は島大アドミッションセンターに)と3ショット。

 

まだ終わらない。終了後、先方の要望で、有志の先生方との懇談会。短い時間でしたが、参加された先生方からの質問に一つずつ答えていく中で私自身も勉強させてもらいました。こうして現場で実践して悩んでいることをたくさん伺えることで、私自身の血肉になっていきます。有難いことです。その模様を3枚のホワイトボードにびっしり書取ってくれました。感謝です。

 

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色んな形で先生方と交流させてもらいました。楽しんでいただけたようで良かったです。僕としては、大好きな島根に何らかの形で恩返ししたいと思っていたので、少しでも島根県の教育の活性化に役立てたのであれば幸いです。

 

懐かしい松江市内を少し回って、一番好きだったお蕎麦屋さん(ふなつ)で、久しぶりに割子そばをいただきました。相変わらずの混み具合、安定の美味しさでした。

 

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身体的にはハードですが、それを上回る充足感があります。貢献させていただきながら、自分自身を成長させてももらえる、本当に有難いことです。

 

みなさま、お世話になりました!

主体的に学びに向かない子どもにどう接するか

昨日の教育講演会後,先ほどのようにブログへのコメントをいただいたり,個別にメールをいただいたりと,反響があって嬉しいです。

 

今日,メールで相談・質問があって返事をした内容で,多くの方にもあてはまるのではないかと思うので,こちらにも記しておきたいと思います。

 

【相談内容】

息子は主体性があるとは言えず,母親としてどうやって具体的に導けばいいのか,悩んでいます。・・・勉強も嫌い,スポーツも苦手。特に熱中することもなく,最近ゲームと動画にハマってしまい,益々主体性どころか,逆走です。思春期,反抗期も重なりつつあるので難しい現状です。・・・でも親として,どうにか,なんとかしたいという気持ちで未来からの逆算のような話をしたり(大学はゴールではない前提で),問いかけなどして自分で考える余地を与えようとしたりしていますが中々うまくゆきません。もし何かアドバイスがあればいただけたら大変ありがたいです。

 

【回答】
偉そうに言える立場ではありませんが,やはりそういう状況の中でお母さんが色んな手段で関与したとしても,なかなか変化は生じにくいと思います。

 

昨日,お子さんに「『勉強しなさい』は言わないであげてください」というのを言い忘れました。たとえゲーム三昧でも,子どもは自分が勉強しないといけないことは良く分かっています。勉強をしていないことを見ないようにしていたりもしますが,常に意識はしています。フラフラしているように見えても,焦りや不安はあります。

 

でも,なかなか気持ちが向かないのです。自信が無かったり,結果が出なくて親を悲しませたらどうしよう,親に叱られたらどうしようと考えたりしています。

 

そういう機が熟していない時に,親からあの手この手で色々言われても,どうしても跳ね返してしまったり,受け入れられなかったりしてしまいます。なので,出来ることとしては,「見守ること」なんだと思います。子ども自身が立ち上がるまで待つより他ないのだと思います。

 

時に,子どもが興味を持っているゲームや動画に対して,「今どんなのが流行ってるの?」「面白いオススメの動画ある?」といったように子どもの世界にこちらが興味を持つ(子どもの目線に合わせる)ということも大切だったりします。

 

もどかしいと思います。

 

それでも,お子さんを信じて委ねる,何かあれば助けてあげられる状態を作っておく,しか,学習に気持ちが向いていない子どもに対する処方箋はないのだと,私は思います。

 

そういう時に,お母さん自身が自分のために読書をしたり,自分の時間を大切にしたりして過ごすことが,実はお子さんの変化にも肯定的な影響を与えるものと思っています。子どもは,全ての視線が自分に向けられていると息切れしてしまいます。

 

絶対的な正解があるわけではないので,試行錯誤にはなるのだと思いますが,楽しみながら子どもの成長に寄り添っていければ良いですね。

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時間の許す限り,こうした質問に対して回答するといった対話形式の内容もブログの中で取り上げていければと思います。

 

第2の故郷、島根へ

週明け10月22日(月)は、開星中学校・高等学校の公開教育研究会で講演のため、今日から島根県松江市へ移動。

 

学校法人 大多和学園|開星中学校・高等学校 - 公開教育研究会のご案内

 

昨年、愛媛県松江市で開催された全国私学教育研究集会で講演に伺った際に、大多和学園の大多和理事長とお話させていただいたことがきっかけで、今回の講演に至りました。

 

私自身、2006年8月から2011年3月まで、島根大学に務めていたので、島根で生活していました。関西から初めて出たのと、大学教員としての初職でもあったので、色々とカルチャーショックもあり仕事も大変でした。

 

でも、人もみんな優しいし、自然はいっぱいだし、あちこちにご機嫌な温泉もあるし、本当に良い場所、大好きな場所でした。大学では色んな経験もさせてもらって、大学人としての基礎・土台を作ってくれたという意味でも、とても感謝しています。

 

第2の故郷だと思っています。

 

機会があれば行きたいと思うもなかなか機会に恵まれなかったので、今回、行けることになって嬉しいです。

 

少しでも島根の活性化に貢献、恩返し出来ればと思います。

 

懐かしい人に会えるかな?

 

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島根大学での最後の日)

 

東山教育講演会を終えて

東山中高での教育講演会、無事に終了しました。久しぶりにめっちゃ緊張しました。でも、参加された保護者の方々が熱心に聞いてくれていたので、こちらも楽しませてもらいました。

 

教育に日頃携わっていない(教員以外の)方々に、いま教育界で何が行われているのか、それを取り巻く社会の変化や大学の実態、高校や中学の実態について理解していただくために、動画や写真、図やクイズ、具体的なエピソードを交えたり、文字数を減らして出来るだけシンプルにしたりと、普段よりかなり配慮してスライドを作りました。

 

でも、なんと言っても今回最も気を使ったのは、家庭教育にまで踏み込んだことです。お子さんに対する関わり方が、子どもの学びや発達にどのような影響を及ぼすのか(どのような関わり方が子どもの主体性や自己肯定感を高めるのか/低めてしまうのか等)について、お話しました。

 

現実は大変なんだと思います。頭で理解は出来ても、なかなか難しいことも多いと思います。データや理想を並べられても、そんなこと分かってるよ!っていう感情はきっとあるんだろうなって思います。

 

そういった部分に踏み込むことになるので、やっぱりとても緊張しました。

 

でも、会の終了後、出口で一人ひとりに挨拶しながらお見送りをした時に、みなさんから暖かい言葉をたくさんかけていただいて、ホッとしました。事後アンケート(79名分)でも、みなさんとても良い形で受け止めてくれたことが知れて、やって良かったなぁと思いました。

 

満足度は以下の通りで、ポジティブな回答者は77名(97.4%)でした。

 

  1. 大変満足した 69名(87.3%)
  2. まあまあ満足した 8名(10.1%)
  3. 少し不満足である 1名(1.3%)
  4. 大変不満足である 1名(1.3%)

 

以下のような、自分自身の気づきや振り返りについても、多くの方が書いて下さっていて、とても嬉しかったです。

 

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不満足の方(2名)のコメントを見ても、どちらかというと前向きなことが書かれていたので、おそらく感情的に少ししんどかったのかなぁと。。

 

東山の教育改革を一緒に進めている先生方がとても喜んでくれたのも嬉しかったです。

 

今後も、立場や学校種を超えて、子どもの主体的な学びと健やかな発達を促し、幸福をもたらす学校教育・家庭教育について、一緒に考えて、対話して、実践していければと思います。

 

引き続き、精進あるのみ。

キャンプ開き⛺️

今日は午前中の仕事を済ませて、午後から外出。週末出張だらけで、妻にも申し訳なかったので、急遽キャンプに行くことに。

 

以前(2月19日)ブログにも書きましたが、キャンプは今年の2月に初めて行ってからハマったのでした。

 

一般的にキャンプと言えば夏をイメージしますが、夏は行きません。虫が多いし、人も多いし、暑いし、いかにもアウトドアな感じだし。

 

基本的にインドア派なので、この寒くなってからの人の少ない時期にあったかいかっこして、焚き火なんかして、ゆっくり過ごす、まさに家がそのまま移動する、でも空気は澄んでいて星も綺麗で言うことなしですね。

 

今季はいつかなぁと思っていたら案外早いキャンプ開きでした。今回のキャンプ地は、京都府与謝野町にある加悦双峰公園(加悦双峰公園|ご予約は[なっぷ])。京都市内の自宅から、滋賀にいけば湖岸、丹後の方に行けば森林のキャンプ場と選択肢がたくさん。

 

今回はモカちゃんも一緒に。途中の道の駅「京丹波味夢の里」のドッグランでひとっ走り♪ ここは高速からも一般道からもアクセス出来て、特産品などたくさん販売されていて、いつ行ってもたくさんの人で賑わっています。

 

さて、現地に着いたらまずはテント張り。冬に購入した直径5mのワンポールテント。なかなかの大きさです。

 

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まだ慣れてないのもあって、設置には20分くらいかかります。汗だくです。

 

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テントを張ったら、テーブルやらイスやらを出して、食事の準備。妻が準備してくれている間に僕は薪割りして、焚き火の準備。これがなかなか油断するとすぐ鎮火しちゃうので、ファイヤーマネジメントが大変。

 

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山間部で夜にもなると大分寒いです。焚き火をたいて、食後にあったかいコーヒーを入れて、ゆっくり空を見上げる。

 

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ひとしきりしたらテントの中に入って、ベッドを膨らましたり、夜食を食べたりしながら、虫たちの音色をBGMにまったり過ごす。

 

準備や片付けはちょっと骨が折れるけど、この時間・空間がとっても気持ち良いです。

 

今年はどこに行こうかな~☆彡.。

 

キャンプ好きの方がいたら、色々と情報交換出来たらいいな(^^♪

リベンジできた

今日は、大学英語教育学会(通称、JACET)の九州・沖縄支部が主催する特別研究会@九州産業大学で特別学術講演会があって、九州に行ってきました。

 

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何故、「特別」研究会、「特別」学術講演会なのかというと、7月7日に予定されていた第30回記念研究大会が災害で中止になってしまい、そのリベンジ企画として開催されたからです。

 

実行委員会の先生方は丁寧に準備をしてきて、中止の判断をせざるを得なくなって、本当に残念だったと思います。

 

私がいま関心を持って取り組んでいる研究テーマである''student engagement"が、大会の全体テーマに設定されていて、基調講演とシンポジウムを担当することになっていたので、私としてもどうしても行きたかったんです。

 

当日の朝、中止の連絡が来て、関係者の先生方にその想いを伝えました。先生方も私の講演資料を見てくれていて、この話は絶対に聞きたいと熱い想いで応えてくれました。

 

その後、JACET内での検討を経て、今回の特別研究会・特別学術講演会が実現することになりました。ただ、この日しか開催は難しいということで連絡があって、本当に偶然私もこの日しか対応出来ないという状況で、奇跡的に一致しました。私が行けなければ今回の開催そのものが実現しなかったことを考えると、本当に良かったと思います。

 

関係者の想いと私の想いが生んだ奇跡、といったら大袈裟でしょうが、先生方がとても喜んで下さったのが何より嬉しかったです。

 

私が今日中には帰らないといけないということで、博多駅で用意してくれた懇親会でも楽しい時間を過ごさせてもらいました。最終電車の関係で中座してしまってすみませんでした。

 

 

学内の仕事も大変な中、週末をほとんど潰して学外に出かけるのは、準備という点でも体力的にも、正直かなりキツいのですが、現地に行って先生方と交流することで得られることも多く(情報はもちろん、元気ももらいます)、自分にとって大切な機会となっています。

 

特に、現場と遊離した高等教育研究者にはなりたくないし、色んな現場を尋ねて、現場の先生方との対話をしながら、地に足のついた自分なりの高等教育の在り方について考えていきたいし、発信していきたいと思っているので、どうしても必要なプロセスなのです。

 

正直、京大の中だけにいたらその感覚は鈍ってしまいます。でも、京大の中に入って仕事をすることで、今まで見えなかった新たな気づきが得られていることも事実です。立ち位置が変われば見える世界も違う。本当に面白いですね。

 

とは言え、最近は命を削っている感じも強いので、身体には本当に気をつけないと、と思います。

 

京都に戻る車中にて。