人生考路

高等教育開発を生業とする青年心理学者、山田剛史(京大准教授)のブログ

東山教育講演会を終えて

東山中高での教育講演会、無事に終了しました。久しぶりにめっちゃ緊張しました。でも、参加された保護者の方々が熱心に聞いてくれていたので、こちらも楽しませてもらいました。

 

教育に日頃携わっていない(教員以外の)方々に、いま教育界で何が行われているのか、それを取り巻く社会の変化や大学の実態、高校や中学の実態について理解していただくために、動画や写真、図やクイズ、具体的なエピソードを交えたり、文字数を減らして出来るだけシンプルにしたりと、普段よりかなり配慮してスライドを作りました。

 

でも、なんと言っても今回最も気を使ったのは、家庭教育にまで踏み込んだことです。お子さんに対する関わり方が、子どもの学びや発達にどのような影響を及ぼすのか(どのような関わり方が子どもの主体性や自己肯定感を高めるのか/低めてしまうのか等)について、お話しました。

 

現実は大変なんだと思います。頭で理解は出来ても、なかなか難しいことも多いと思います。データや理想を並べられても、そんなこと分かってるよ!っていう感情はきっとあるんだろうなって思います。

 

そういった部分に踏み込むことになるので、やっぱりとても緊張しました。

 

でも、会の終了後、出口で一人ひとりに挨拶しながらお見送りをした時に、みなさんから暖かい言葉をたくさんかけていただいて、ホッとしました。事後アンケート(79名分)でも、みなさんとても良い形で受け止めてくれたことが知れて、やって良かったなぁと思いました。

 

満足度は以下の通りで、ポジティブな回答者は77名(97.4%)でした。

 

  1. 大変満足した 69名(87.3%)
  2. まあまあ満足した 8名(10.1%)
  3. 少し不満足である 1名(1.3%)
  4. 大変不満足である 1名(1.3%)

 

以下のような、自分自身の気づきや振り返りについても、多くの方が書いて下さっていて、とても嬉しかったです。

 

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不満足の方(2名)のコメントを見ても、どちらかというと前向きなことが書かれていたので、おそらく感情的に少ししんどかったのかなぁと。。

 

東山の教育改革を一緒に進めている先生方がとても喜んでくれたのも嬉しかったです。

 

今後も、立場や学校種を超えて、子どもの主体的な学びと健やかな発達を促し、幸福をもたらす学校教育・家庭教育について、一緒に考えて、対話して、実践していければと思います。

 

引き続き、精進あるのみ。

キャンプ開き⛺️

今日は午前中の仕事を済ませて、午後から外出。週末出張だらけで、妻にも申し訳なかったので、急遽キャンプに行くことに。

 

以前(2月19日)ブログにも書きましたが、キャンプは今年の2月に初めて行ってからハマったのでした。

 

一般的にキャンプと言えば夏をイメージしますが、夏は行きません。虫が多いし、人も多いし、暑いし、いかにもアウトドアな感じだし。

 

基本的にインドア派なので、この寒くなってからの人の少ない時期にあったかいかっこして、焚き火なんかして、ゆっくり過ごす、まさに家がそのまま移動する、でも空気は澄んでいて星も綺麗で言うことなしですね。

 

今季はいつかなぁと思っていたら案外早いキャンプ開きでした。今回のキャンプ地は、京都府与謝野町にある加悦双峰公園(加悦双峰公園|ご予約は[なっぷ])。京都市内の自宅から、滋賀にいけば湖岸、丹後の方に行けば森林のキャンプ場と選択肢がたくさん。

 

今回はモカちゃんも一緒に。途中の道の駅「京丹波味夢の里」のドッグランでひとっ走り♪ ここは高速からも一般道からもアクセス出来て、特産品などたくさん販売されていて、いつ行ってもたくさんの人で賑わっています。

 

さて、現地に着いたらまずはテント張り。冬に購入した直径5mのワンポールテント。なかなかの大きさです。

 

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まだ慣れてないのもあって、設置には20分くらいかかります。汗だくです。

 

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テントを張ったら、テーブルやらイスやらを出して、食事の準備。妻が準備してくれている間に僕は薪割りして、焚き火の準備。これがなかなか油断するとすぐ鎮火しちゃうので、ファイヤーマネジメントが大変。

 

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山間部で夜にもなると大分寒いです。焚き火をたいて、食後にあったかいコーヒーを入れて、ゆっくり空を見上げる。

 

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ひとしきりしたらテントの中に入って、ベッドを膨らましたり、夜食を食べたりしながら、虫たちの音色をBGMにまったり過ごす。

 

準備や片付けはちょっと骨が折れるけど、この時間・空間がとっても気持ち良いです。

 

今年はどこに行こうかな~☆彡.。

 

キャンプ好きの方がいたら、色々と情報交換出来たらいいな(^^♪

リベンジできた

今日は、大学英語教育学会(通称、JACET)の九州・沖縄支部が主催する特別研究会@九州産業大学で特別学術講演会があって、九州に行ってきました。

 

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何故、「特別」研究会、「特別」学術講演会なのかというと、7月7日に予定されていた第30回記念研究大会が災害で中止になってしまい、そのリベンジ企画として開催されたからです。

 

実行委員会の先生方は丁寧に準備をしてきて、中止の判断をせざるを得なくなって、本当に残念だったと思います。

 

私がいま関心を持って取り組んでいる研究テーマである''student engagement"が、大会の全体テーマに設定されていて、基調講演とシンポジウムを担当することになっていたので、私としてもどうしても行きたかったんです。

 

当日の朝、中止の連絡が来て、関係者の先生方にその想いを伝えました。先生方も私の講演資料を見てくれていて、この話は絶対に聞きたいと熱い想いで応えてくれました。

 

その後、JACET内での検討を経て、今回の特別研究会・特別学術講演会が実現することになりました。ただ、この日しか開催は難しいということで連絡があって、本当に偶然私もこの日しか対応出来ないという状況で、奇跡的に一致しました。私が行けなければ今回の開催そのものが実現しなかったことを考えると、本当に良かったと思います。

 

関係者の想いと私の想いが生んだ奇跡、といったら大袈裟でしょうが、先生方がとても喜んで下さったのが何より嬉しかったです。

 

私が今日中には帰らないといけないということで、博多駅で用意してくれた懇親会でも楽しい時間を過ごさせてもらいました。最終電車の関係で中座してしまってすみませんでした。

 

 

学内の仕事も大変な中、週末をほとんど潰して学外に出かけるのは、準備という点でも体力的にも、正直かなりキツいのですが、現地に行って先生方と交流することで得られることも多く(情報はもちろん、元気ももらいます)、自分にとって大切な機会となっています。

 

特に、現場と遊離した高等教育研究者にはなりたくないし、色んな現場を尋ねて、現場の先生方との対話をしながら、地に足のついた自分なりの高等教育の在り方について考えていきたいし、発信していきたいと思っているので、どうしても必要なプロセスなのです。

 

正直、京大の中だけにいたらその感覚は鈍ってしまいます。でも、京大の中に入って仕事をすることで、今まで見えなかった新たな気づきが得られていることも事実です。立ち位置が変われば見える世界も違う。本当に面白いですね。

 

とは言え、最近は命を削っている感じも強いので、身体には本当に気をつけないと、と思います。

 

京都に戻る車中にて。

ドキドキします

来週末、3年前から特別委員として指導に入っている東山中学・高等学校で教育講演会があります。

 

概要は以下の通りです。

 

【日時】10月20日(土)10時30分~12時

【場所】東山中学・高等学校 講堂

【対象】一般・保護者・教育関係者

【演題】21世紀を生きる子どもの学びと成長をどう育むか

【詳細】東山中学・高等学校 東山教育講演会のご案内

 

普段の講演・研修では、大学の教職員、中学・高校の先生が相手なので、ある程度教育の話をするための共通基盤はあるのですが。。

 

今回は、東山中高の保護者や一般の方がメインターゲットの講演会。実は初めてで、とてもドキドキしています。

 

でも、私の教育・研究を支える信念は、「新たな時代を生きる子どもたちが、たくましく社会参画して、幸福感を持って生きること」であり、「そのために教員や大人はどのように子どもに向き合っていくのか」がテーマです。その実現のためには、教育関係者だけではなく、保護者の方々はもちろんより多くの市民の方々にも、きちんと伝えて、共通認識を作っていかないといけないとずーっと考えています。

 

なので、今回の講演会は、僕にとってとても大切な一歩です。どんな内容や素材で、どのように伝えれば伝わりやすいのか、どんな反応が返ってくるのか、楽しみでもあり不安もいっぱいです。

 

そんな中、昨日の委員会の際、東山が保護者への伝達手段として活用している「ボイスメール」(録音した音声データを電話で一斉に伝えるもの)で、今回の講演会について紹介してもらえないか、と打診されまして。

 

「いいですよ、やりますよ」なんて気軽に返事したものの、僕の声が親御さんらに一斉に届くのか、と思うとドキドキして。

 

1〜2分でということで、家で練習して録音しました。妻からは「イントネーションが変やで」と言われ何度か録りなおし。いやー、声優さんってすごいなぁって改めて痛感。

 

せっかく録ったので、恥ずかしいですが公開します。

 

Dropbox - 東山ボイスメール.m4a

 

もし、これで興味の沸いた方がおられれば、参加申込は不要ですので、お越しください。

 

あ~、ドキドキする。

緊張した~

私が所属する京大センター(京都大学高等教育研究開発推進センター)において、大きく3つの顔があります。

 

1つ目は、高等教育教授システム研究開発部門員としての顔で、主に教育制度改革支援やFD(プレFD含む)を担当しています。

 

2つ目は、教育学研究科(高等教育学コース)の兼担教員としての顔で、修士課程から博士後期課程まで大学院生の教育・研究指導にあたっています。

 

3つ目は、教育アセスメント室員としての顔で、主に大学評価や教学IR、学習アセスメントを担当しています。

 

この3つ目の顔としてのお仕事が今ものすごく忙しいです。第三者評価対応を中心とした大学評価関連業務はもとより、部局ニーズに対応した教学IRやアセスメントの支援や協働が増えてきています。これはとても重要だし、様々な部局の状況も伺いながら進めるのですごく勉強になっています。

 

これらに加えて、センターが多くのエフォートを割いて取り組んでいるMOOC(KyotoUx - Free Courses from Kyoto University | edX)やSPOC(学内版MOOC)などのICTを活用した教育のアセスメント業務も担当しています。例えば、MOOCのコースが終了したら、edXのサイト等からログデータやプレーポストのサーベイデータをDLして、それらを元にコースレポートを作成し、制作スタッフと一緒に担当教員の元に伺い、フィードバックを行います。演習問題の正答率なども見ながら、今後に向けた検討を行います。手間はかかるけど、とても大事なプロセスだと思います。

 

今日のフィードバックのお相手は、MOOC制作第1号に名乗り出てくださった山極総長でした。総長室に始めて入ったし、さすがに緊張した~。

 

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忙しいのに申し訳ないなぁという気持ちをよそに、こちらが提示したデータを見ながら、面白いね~と何度も言っておられた。あっという間の1時間。

 

京大に来て色んな先生方とお話する機会があるけど、総じて「好奇心」の強い方が多いです。自分の専門にしか興味が湧かない先生方も世の中にはたくさんいるだろうけど、僕が素晴らしいなと思う人は、色んな物事に興味を持っていて、純粋に新しいことが知れることを楽しんでいます。

 

やっぱり、「好き」「楽しい」は人の学びと成長を支える最も大切な原動力なんだと思います。

童心に帰る

今日は査読3本以外は仕事しない、夜にするから、と決めて、日中は妻とデート。(日付変わったけど、ちゃんとやりました)

 

2011年に廃校になった旧質美小学校@京丹波町までドライブ。現在、質美笑楽講として、色んなショップが入ったスポットにリノベーション。今日は閉まっているお店も多かったのだけど、昔懐かしい雰囲気に触れられただけでも楽しかった。

 

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運動場に置いてあったタイヤを見つけて、調子に乗って玉乗りしたら、思いっきり転んだ。そんな奇跡の瞬間をパシャり。

 

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こういうのたまらなく楽しいね。

 

その後、近くの「塩谷古墳」へ。

すっごい気持ち良くて、思いっきりジャーンプ🎶

 

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その後、併設する道の駅「味夢の里」でお買い物して帰宅。

 

ハードな毎日だけど、こうした時間はとても大切。

 

「仕事も遊びも全力で楽しむ」

 

僕の人生のモットーです(*^。^*)v

恩師、溝上先生との出会いと感謝

あさがおMLなどで報告され、多くの方がSNSでも話題にされていますが、同僚だった溝上慎一先生が京大を退職され、神奈川にある桐蔭学園に移られました。

 

その経緯を記した新書の「あとがき」には、僕とのことについても触れてくれています。その内容は、以下の通りです。

 

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教育アセスメント室の仕事を一緒にしている山田剛史准教授。山田さんは、非公式には私の一番弟子にあたる。彼が大学院修士課程の時に知り合って、その後インフォーマルにずっと心理学の指導をしてきた。私が講師の時、彼は博士課程を終えたので、教務補佐員としてセンターに呼んだ。その後、島根大学愛媛大学で講師、准教授を務め、京都大学に准教授として戻ってきた。


彼との笑い話がある。彼が教務補佐員のとき、「今日は徹夜でこの報告書の原稿を仕上げような」と言って、ホテルに一緒に泊まり込んだことがある。夜食を買いにコンビニへ行った。彼が「徹夜するなら眠眠打破を飲んで気合いを入れましょう」と言うので、それを買って一緒に飲んだ。そういうものを飲み慣れていなかった私は、飲んだ直後気分が悪くなり、部屋に戻ってそのままバタンと倒れて寝てしまった。彼は自分の部屋で翌朝まで頑張った。朝私の部屋に来た彼は、「あれー、寝てる」と言って呆れていた。彼と酒を飲むと、いつも思い出す忘れられない二人の思い出である。

 

もうあれから二〇年。山田さんも全国区の一人前の研究者になった。もう少しそばで指導をしてあげたかったが、その必要はもうないだろう。彼の活躍を心から祈っている。

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素直に嬉しいです。このあとがきで僕と溝上さんとの関係を知った方もおられるようですが、自分的にももう少しこのブログで振り返ってみたいと思います。

 

★出会い(2001年の夏)

僕がM2の時。正確にはM1の6月に連絡するも、オランダにサバティカルに出たばかりで会えなかった。(溝上さんの研究との出会いについては、京大の図書館が刊行している雑誌『かりん』(https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/229501/1/010.pdf)のpp.12-13に書かせてもらっています)。溝上さんが帰国後、教育心理学会のシンポジウムに登壇していて、僕はフロアで聞いていた。質疑応答の際、フロアの先生からの質問にフリーズしていたのを見て、何を血迷ったか僕が手をあげて「今の質問はこういうことですよね。溝上先生はこう答えたいのではないでしょうか」と話し、溝上さんは「そうそう、その通りです」と。その後、僕のところにお礼を言いに来てくれた。そこで、僕が(1年前に連絡していた)山田です、と。

 

今思えば、何と生意気な院生だったことか。でも、溝上さんに与えた第一印象のインパクトは大きく、その翌月から、非常勤先のTAをやらせてもらうことになり、毎週授業後に阪急の駅構内でお昼を食べながら色んな話を聞かせてもらった。

 

★運命の歯車(2001年の秋)

僕は就活をし、内定もいくつかもらっていた。修士で終えて働くつもりだった。経済的な余裕は元々無かったし、何より博士課程に行く力はないと思っていた。

 

M2の11月、毎回出ていた梶田叡一先生の主催する自己意識研究会にいつものように参加し、懇親会で溝上さんに「今までお世話になりました。研究は修士までで就職します」と話した。怒られた。「何を言ってるんだ!研究の道に進むと思って、こっちは待ってるんだ!」と。その時、結構な力で殴られた左肩の感触を今でも覚えている。

 

出ていた内定を辞退し、そこから博士課程にチャレンジする意志を固め、進学することになった。

 

★ひたすら研究に打ち込む(2002年4月~)

博士課程進学後は、腹を括ってストイックな院生生活を送ることになる。経済的事情から3年での学位取得はマストだったので、かなり飛ばした。

 

その間も、溝上さんからは常に刺激や支援を受けていた。京大センターでRAや技術補佐員などの立場で仕事をさせてもらったことも、その後のキャリアに影響を与えている。丸3週間溝上さんの家に住み込みで仕事をしたこともある。そんな経験をしたのは後にも先にも僕くらいだろう。

 

僕より優れた院生は山ほどいただろう。でも、溝上さんは僕に関わり続けてくれた。いつも、「見る人は見てるから、腐らず頑張ろう」と励ましてくれた。週7でバイトをしながら、死に物狂いで論文を書き、投稿し、それらを博士論文にまとめ、公約通り3年で修了した。壮絶だった。いま思い出しても吐き気がする。

 

★高すぎる壁(2005年4月~)

大学院修了後は、京大センターで教務補佐員としてお仕事をさせてもらった。その経験が活きて、島根大学愛媛大学と地方国立大学の大教センターでおよそ9年間奉職することになった。

 

大学院時代も基本的には論文を見てもらうなどの細かな指導を乞うたことはなかった。あまりに自分にとって影響力が大きすぎて、飲み込まれてしまって、自分らしさを見失ってしまう恐怖心もあった。自分が良いなと思いついたことが、もう1段2段上の水準から位置づけられてしまうことも実際しばしばあった。

 

8歳しか違わない溝上さんの研究力、執筆のスピードは凄まじく、自己嫌悪に陥ることはしょっちゅうだったし、彼の存在がある限り、どれだけ頑張っても離れていく無力感もあった。物理的に離れたのは良かったと思う。地方に行って、何にもないところで、一から自分なりの仕事を創り出した。その中で、それまでの自分を相対化出来たし、(ずっと京大にいる)溝上さんが経験していない世界を体験出来た。結果、彼の脅威に脅かされる日々は減っていった。

 

それでも僕を育ててくれたことへの恩義は忘れたことは無かった。僕に出来るお返しは、研究者としてしっかりと成果を残すことであり、そのためには、地方にいながらも都市部との接点を持って全国的なフィールドで活動することを常に意識していた。

 

★同じ職場の同僚として(2015年4月~)

有り難いことに京大に戻る機会、溝上さんと数メートルの距離で働く機会を再び得ることが出来た。一緒に仕事をするようになって、自分がこの9年で成長したことを実感することが出来た。仕事に関して言えば、「山田くんのようにはよう出来へんわ」とよく言われた。

 

ただ、研究面での距離感は依然として大きい。自分が力を入れてきたことは無駄だと思っていないので、以前のように自信を喪失することはなくなったけれど。京大では、ここをしっかり強化したいし、その意志を持って異動を決心した。

 

結局、一緒に仕事が出来たのはほぼ3年半。かなり前から異動の話は聞いていたので(おそらく一番早く伝えてくれた)、心の準備をしつつ、急増する学内業務に対応し、自分が回せるよう体制を整えてきた。その間も、色んな話をした。正直、仕事の話はあんまりしていない。研究の話、中学・高校の教育改革の話など、溝上さんと話をするとそのスケール感にいつもワクワクして、よし頑張ろう!という気持ちになった。

 

 

溝上さんは、常に僕の前を全速力でかけていく。その背中を必死で追いかけながら、気づけば自分もそれなりに走れるようになった。僕にとっては、手取り足取りの指導より、この形がとても気持ち良かった。

 

今回の異動(挑戦)については、色んな形で個人的にも話を聞かせてもらっていたし、100%納得のいく決断だと思っている。寂しさはない。これからが楽しみでしようがない。僕は僕で挑戦をしていく。めいいっぱいやりたい。そして、ちゃんと溝上さんにも届くような成果を出していきたい。

 

もう出会って20年になるのか。

 

溝上さんと出会わなければ、激をかけてもらわなければ、僕の大学教員としてのキャリアは間違いなく無かった。どうなっていただろうと思うとゾッとする。本当に感謝してもしきれない。

 

 

ここまで関わり続けてくれて、育ててくれて、本当にありがとうございました。

 

京大での長らくのお勤め、本当にお疲れさまでした。

 

そして、これからの新たな旅立ちが素晴らしいものになりますように。応援しています。

 

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(横浜に出発する前の最後の夜。よく連れて行ってくれたBARで語り合って、別れる直前の写真)

 

日本薬学会での講演を終えて

今日は、日本薬学会が主催する「第4回若手薬学教育のためのアドバンストワークショップ」(於:クロス・ウェーブ府中)で教育講演を行ってきました。

 

https://www.pharm.or.jp/kyoiku/

 

この取組は、全国にある74の薬学系大学・学部、病院や薬剤師会から若手教員・実務関係者が一堂に会して、3日間集中的に研修を受けるというもの。

 

学会が音頭を取って、こうした取組を進めているのは素晴らしいことだと思います。実際には、運営のためのタスクフォースを構成し、その先生方が中心となって、3日間の研修を設計・実施しています。みなさん、とても熱心で、感動を覚えます。

 

なお、このWSの学生版もあって、同様に全国74大学から1人ずつ学生が集まって、学生から見た薬学教育の現状と課題、理想について検討しているとのこと。今回の教員向けWSでは、その時の検討結果のフィードバックもしながら進められています。素晴らしいですね。

 

お昼は、コーディネーターの先生と厚生労働省の方とランチを取りながら薬学教育や薬剤師の実態等についてディスカッションしました。

 

学内でも様々な部局の教育支援に携わっていることもあり、最近は一般的な質保証のみならず、分野別の質保証を強化しつつあるので、こうした機会はとても有り難いです。

 

その後、午後一に「高大接続改革とアクティブラーニングの推進~教育の質的転換と内部質保証の動向も踏まえて~」と題して講演を行いました。

 

講演終了後、ご丁寧に感謝状なるものをいただきました。こうした形でフィードバックされることはなかなかないので、嬉しかったです。

 

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大学を取り巻く状況は厳しさを増すばかりですが、上から降ってくる改革案に無批判に迎合するでも、全否定で反発するでもなく、個々の大学を超えて学協会等とも協力しながら、この状況を乗り越えていきたいですね。

 

そんな可能性を薬学会の取組から感じることが出来たのが最大の収穫でした。

 

濃い~金沢出張を終えて

昨日は1日、北陸大学@金沢でのお仕事でした。

 

北陸大学は、近年教育改革に積極的に取り組んでいる大学の1つで、以前から注目していました。

 

それにしても、めっちゃ濃い~1日でした。

 

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(広くて気持ちのいいキャンパス。対照的に、睡眠不足がバレバレのひどい顔やな、、)

 

午前中は、授業アンケート(北陸大では学修アンケートと呼称)を中心とした外部評価。副学長、学部長、事務局関係者らとディスカッション。

 

お昼は、理事長・学長、副学長、学部長らとのパワーランチ。

 

ここまででも結構濃ゆい。

 

この後がメインの研修会。時間は13時~17時の4時間。これくらいの時間の長さ自体はそんなに大変ではないのだけれど、テーマと対象者の組み合わせが難しかった。

 

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教員がメインと聞いていたので、4学部100名強であればそう大変ではなかったのだけれど(多少の職員には教員グループに入ってもらう予定だったけど)、前日の夜に「職員が50名ほど参加します」と連絡があって、まぢか、さすがにそれは教員グループに混ぜるわけには、ということで急遽行きの特急の中で職員向けの個別ワークを設計することに。

 

蓋を開ければ、教員100名強、職員60名が一同に会してのオール北陸大学スタッフ対象のワークショップに。

 

全教員対象というのはよくあるけど、全職員というのは、しかも全教員と同時というのはさすがに未経験。

 

しかも、「学習成果アセスメント」(アセスメントプランの策定)がテーマの研修。1つの会場内で、全体講演、個別課題での分割ワークショップ(グループ内、グループ間共有)、全体共有という流れで設計。

 

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結果的にはとっても盛り上がりました。

 

大変だけど、予め全て決めて予定通り進めるより、その場の雰囲気や空気感を見ながら、次どうしようかなぁとその都度設計・再設計するのがとても楽しい。

 

この週は、自分が統括する全学の新任教員教育セミナーがあったり、大学院入試や締切の原稿執筆、学会の仕事があったりで、かなりタイトだったので、体力の前借りをして、ここまで乗り切る。

 

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でも、金沢の1日はまだ終わらない。

 

金沢駅に移動して、有志の教職員のみなさんとの懇親会。最近、こういう機会が減っているので(平日だと泊まりが厳しいのもあるので)、久々に楽しく飲みました。

 

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やる気のある熱い教職員のみなさんと話せるのは、とても嬉しくこちらも元気をもらいます。

 

またお会いしましょう。

 

京都に帰るサンダーバードの車中にて。

 

 

夏期の集中ゼミ

今日は朝から夕方まで夏期の集中ゼミをやりました。

 

院生も少しずつ増えてきているので、個別指導に加えて、月1でのゼミ、そして夏期と冬期の2回は集中ゼミをやることにしています。

 

合宿形式とか、ゆくゆくは他流試合の合同形式とかもやれたらなと思います(やってもいいよ!という方がおられたら、ぜひご一報を)。私としては、色んな人と色んな場面で互いの研究について発信して議論して高め合っていって欲しいと思っています。昨今、院生も業績主義や効率的な研究の実施が求められがちですが、めいっぱい悩んであがいて欲しいですね。

 

なかなか予定が詰まっていて泊まりは難しいのだけど、せっかくなら環境を変えようということで、吉田泉殿(吉田泉殿 — 京都大学)でやりました。あんまり知られてないようですが、本学教職員であれば無料で自由に使える施設で、かなりいい感じです。

 

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全員参加は叶いませんでしたが、自分にとっても有意義な時間でした。やっぱり研究の話は楽しいですね!自分ももっと頑張らないと!

徳島県教育委員会の研修を終えて

今日は日帰りで徳島出張でした。

 

徳島県教育委員会主催の教員研修を担当してきました。

 

徳島県内42の高等学校(定時制通信制も含む)の、各学校から指名された教員が集まる研修会で、3時間の講演+ワークショップを行いました。

 

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こうした取組は大事だなと思います。学校を超えて問題を共有しながら、自分の学校で出来ることを考えていく。実践して、またその成果を共有し合う。

 

組織を超えたPDCAサイクルを、教育委員会がハブとなって実現させていく。こういうところに関わらせてもらうのは、個別の学校に研修に行くよりよほど効果的だし、割けるリソースが限られているこちらにとっても効率的で有難い限りです。

 

帰りにいただいたお土産(阿波名物の葡萄のお菓子)。渡す時に「心ばかりですが、中に1億円入れさせてもらっています」と言われ、急に関西風の冗談キターと思って、家に帰って開けてみたら...

 

入ってるやないの!

 

1億円!

 

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大切に使わせていただきます。

京産大のキャリア授業を担当して

昨日は京都産業大学が実施しているキャリア教育科目にお呼ばれして行ってきました。

 

このキャリア教育科目、なかなかレアなもので、全員必修科目とか選択科目とかそういうのではなく、「低単位取得者」に対して実施される科目になっています。

 

その名も「キャリア・Re-デザイン」

 

授業の設計や運営には、F工房(ファシリテーションを専門に行う学内組織)が関わっています。

 

その授業の一環で、「社会人との対話」というものがあり、そのインタビュイーの1人として行ってきました。

 

学生らを1グループ4~6名に分けて、1教室に2〜3グループ、それが4教室(4クラス)に分かれます。そこに色んな業種、立場の社会人が各グループに行って、彼らからのインタビューに応じたり対話を行ったりします。1セット40分で計3セット行います。彼らはどんな人が来るか知らされておらず、その場での対応にベストを尽くし、後でしっかり振り返りを行うことになっています。こちらも準備はしません。

 

事前の打合せ時に、主担当教員の鬼塚さんから「学生から1を聞いて10答えるようなことはしないで下さい」とだけ伝えられました。これは結構大事なことだと思います。

 

結果的にとても楽しかったです。

とてもいい学生たちでした。

 

特に、大学教育改革に携わる身として、単位を十分に取れていない学生(大学的には劣等学生と位置づけられてしまいがちな学生)が、どのような想いで入学し、学生生活を過ごしてきて、いま何を感じているのか。なぜ、このような状況に至ったのかについて色々と聞くことが出来ました。そしてそこには大学教育(授業)への期待と失望の落差が相当あること、それがある種の諦めや逃避へとつながっていることも改めて知りました。

 

変わるべきは教員か学生か。ニワトリと卵の関係になりがちな問題ですが、やはり大学教育の課題はまだまだ大きいなと痛感しました。

 

低単位取得学生らに対して、個別の履修指導やメンタリング、補習もいいですが、教育(授業)という形で積極的に捉え直すような取組はとても効果が高いと思いました。