人生考路

個人と社会のウェルビーイングを高める教育と学びを探究する

濃い~金沢出張を終えて

昨日は1日、北陸大学@金沢でのお仕事でした。

 

北陸大学は、近年教育改革に積極的に取り組んでいる大学の1つで、以前から注目していました。

 

それにしても、めっちゃ濃い~1日でした。

 

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(広くて気持ちのいいキャンパス。対照的に、睡眠不足がバレバレのひどい顔やな、、)

 

午前中は、授業アンケート(北陸大では学修アンケートと呼称)を中心とした外部評価。副学長、学部長、事務局関係者らとディスカッション。

 

お昼は、理事長・学長、副学長、学部長らとのパワーランチ。

 

ここまででも結構濃ゆい。

 

この後がメインの研修会。時間は13時~17時の4時間。これくらいの時間の長さ自体はそんなに大変ではないのだけれど、テーマと対象者の組み合わせが難しかった。

 

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教員がメインと聞いていたので、4学部100名強であればそう大変ではなかったのだけれど(多少の職員には教員グループに入ってもらう予定だったけど)、前日の夜に「職員が50名ほど参加します」と連絡があって、まぢか、さすがにそれは教員グループに混ぜるわけには、ということで急遽行きの特急の中で職員向けの個別ワークを設計することに。

 

蓋を開ければ、教員100名強、職員60名が一同に会してのオール北陸大学スタッフ対象のワークショップに。

 

全教員対象というのはよくあるけど、全職員というのは、しかも全教員と同時というのはさすがに未経験。

 

しかも、「学習成果アセスメント」(アセスメントプランの策定)がテーマの研修。1つの会場内で、全体講演、個別課題での分割ワークショップ(グループ内、グループ間共有)、全体共有という流れで設計。

 

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結果的にはとっても盛り上がりました。

 

大変だけど、予め全て決めて予定通り進めるより、その場の雰囲気や空気感を見ながら、次どうしようかなぁとその都度設計・再設計するのがとても楽しい。

 

この週は、自分が統括する全学の新任教員教育セミナーがあったり、大学院入試や締切の原稿執筆、学会の仕事があったりで、かなりタイトだったので、体力の前借りをして、ここまで乗り切る。

 

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でも、金沢の1日はまだ終わらない。

 

金沢駅に移動して、有志の教職員のみなさんとの懇親会。最近、こういう機会が減っているので(平日だと泊まりが厳しいのもあるので)、久々に楽しく飲みました。

 

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やる気のある熱い教職員のみなさんと話せるのは、とても嬉しくこちらも元気をもらいます。

 

またお会いしましょう。

 

京都に帰るサンダーバードの車中にて。

 

 

夏期の集中ゼミ

今日は朝から夕方まで夏期の集中ゼミをやりました。

 

院生も少しずつ増えてきているので、個別指導に加えて、月1でのゼミ、そして夏期と冬期の2回は集中ゼミをやることにしています。

 

合宿形式とか、ゆくゆくは他流試合の合同形式とかもやれたらなと思います(やってもいいよ!という方がおられたら、ぜひご一報を)。私としては、色んな人と色んな場面で互いの研究について発信して議論して高め合っていって欲しいと思っています。昨今、院生も業績主義や効率的な研究の実施が求められがちですが、めいっぱい悩んであがいて欲しいですね。

 

なかなか予定が詰まっていて泊まりは難しいのだけど、せっかくなら環境を変えようということで、吉田泉殿(吉田泉殿 — 京都大学)でやりました。あんまり知られてないようですが、本学教職員であれば無料で自由に使える施設で、かなりいい感じです。

 

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全員参加は叶いませんでしたが、自分にとっても有意義な時間でした。やっぱり研究の話は楽しいですね!自分ももっと頑張らないと!

徳島県教育委員会の研修を終えて

今日は日帰りで徳島出張でした。

 

徳島県教育委員会主催の教員研修を担当してきました。

 

徳島県内42の高等学校(定時制通信制も含む)の、各学校から指名された教員が集まる研修会で、3時間の講演+ワークショップを行いました。

 

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こうした取組は大事だなと思います。学校を超えて問題を共有しながら、自分の学校で出来ることを考えていく。実践して、またその成果を共有し合う。

 

組織を超えたPDCAサイクルを、教育委員会がハブとなって実現させていく。こういうところに関わらせてもらうのは、個別の学校に研修に行くよりよほど効果的だし、割けるリソースが限られているこちらにとっても効率的で有難い限りです。

 

帰りにいただいたお土産(阿波名物の葡萄のお菓子)。渡す時に「心ばかりですが、中に1億円入れさせてもらっています」と言われ、急に関西風の冗談キターと思って、家に帰って開けてみたら...

 

入ってるやないの!

 

1億円!

 

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大切に使わせていただきます。

京産大のキャリア授業を担当して

昨日は京都産業大学が実施しているキャリア教育科目にお呼ばれして行ってきました。

 

このキャリア教育科目、なかなかレアなもので、全員必修科目とか選択科目とかそういうのではなく、「低単位取得者」に対して実施される科目になっています。

 

その名も「キャリア・Re-デザイン」

 

授業の設計や運営には、F工房(ファシリテーションを専門に行う学内組織)が関わっています。

 

その授業の一環で、「社会人との対話」というものがあり、そのインタビュイーの1人として行ってきました。

 

学生らを1グループ4~6名に分けて、1教室に2〜3グループ、それが4教室(4クラス)に分かれます。そこに色んな業種、立場の社会人が各グループに行って、彼らからのインタビューに応じたり対話を行ったりします。1セット40分で計3セット行います。彼らはどんな人が来るか知らされておらず、その場での対応にベストを尽くし、後でしっかり振り返りを行うことになっています。こちらも準備はしません。

 

事前の打合せ時に、主担当教員の鬼塚さんから「学生から1を聞いて10答えるようなことはしないで下さい」とだけ伝えられました。これは結構大事なことだと思います。

 

結果的にとても楽しかったです。

とてもいい学生たちでした。

 

特に、大学教育改革に携わる身として、単位を十分に取れていない学生(大学的には劣等学生と位置づけられてしまいがちな学生)が、どのような想いで入学し、学生生活を過ごしてきて、いま何を感じているのか。なぜ、このような状況に至ったのかについて色々と聞くことが出来ました。そしてそこには大学教育(授業)への期待と失望の落差が相当あること、それがある種の諦めや逃避へとつながっていることも改めて知りました。

 

変わるべきは教員か学生か。ニワトリと卵の関係になりがちな問題ですが、やはり大学教育の課題はまだまだ大きいなと痛感しました。

 

低単位取得学生らに対して、個別の履修指導やメンタリング、補習もいいですが、教育(授業)という形で積極的に捉え直すような取組はとても効果が高いと思いました。

AIR Forum 2018に参加して

先週は丸々1週間、米フロリダで開催されたAIR Forum 2018に参加してきました。

 

AIR Forum 2018

 

AIRとは、Association for Institutional Researchの略で、半世紀以上の歴史のあるIRに関する世界最大の専門家団体です。AIR Forumは、米国を中心に世界からIRに携わる実務関係者や研究者、管理者や企業の担当者などが集まる年次大会です。

 

僕は、2年前のニューオーリンズで開催された時に初めて参加して、今回は2回目でした。

 

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日本ではまだ歴史の浅い、しかしながら政策的にも重要視されていて、多くの大学が試行錯誤で取り組んでいるIR。課題も多く、大学内部では実施に様々な障壁もあって、実践はもとより研究面でも蓄積があるとは言えません。

 

その点、IRの発祥国であり歴史がある米国では、実践レベルでも研究レベルでも相当の蓄積があります。

 

現地に行って参加するメリットは、色んな発表が聞けるのはもちろんですが、いまIR関係者にとって重要な課題は何なのか、どんな発表に参加者が集まるのか、共通する思想や概念、また頻発されるキーワードは何なのかなど、論文やインターネットだけでは分からない空気感などの非言語情報も含めた色んな情報を受け取ることが出来ます。

 

これは必ずしもこのAIRだけではありませんが、米国の教育・研究者が多く挙げるキーワードとして、"Student Success"や"Well Being"、(Student) Engagement"があります。これは私自身の研究テーマと深く関わるものなので、様々な実践、研究の中でこれらが共通の目標概念として据えられているのを確認できるのは大変力になります。もちろん日本でも喫緊の課題である"Learning Outcome"は頻出語ですが、その上位あるいはそのプロセスに位置づく概念として上記のものが入っているのが印象的です。これは教育改革を進める上で、日本と米国の重要な違いを産み出すことになっていると思います。

 

また、今回聞いた発表の中で目からウロコだったのは、下記のものでした。

 

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この発表以外にも何度か目にしたキーワードの1つが、"Sence of Belonging"(所属感)でした。この発表では、このSOBの構造や機能について調査し、成績やリテンションとの関連を検討したものでしたが、様々なアウトカム/アウトプット指標に最も影響するというものでした。

 

これは私自身がエンゲージメント研究で重視している情緒面での指標の1つになりうるもので、これは是非、エンゲージメント科研の中でも調査したいです。

 

海外の学会では、偉い人(業界の有名人)が行うKeynote Speechなど、登壇者がスライドも資料もなくフリーに語り合うというセッションが結構多いですが、これを理解するためにはかなり日常的に彼らの動向を見たり、米国の文脈を理解していないといけないなと思います。個人的には、データや理論、モデルをちゃんと示してくれるので、個人研究発表の方が好きかな。

 

日本から乗り継ぎを含めると20時間以上かかるので、とっても疲れましたが、頑張っていくだけの価値はあるなと思いました。

 

来年はデンバーだとか。

 

引き続き、日々精進あるのみ!

 

多様性の中で生きるということ

先日、普段あまり見ない民放を付けたら「奇跡体験 アンビリバボー」をやっていた。

 

「奇跡の会社 日本一幸せな従業員とは?」という見出しが気になり、チャンネルを切り替える手を止めた。「幸福(感)」というものに対して、個人としても、教育研究者としても日に日に強い関心を持つようになってきている。

奇跡体験!アンビリバボー:奇跡の会社 日本一幸せな従業員とは? - フジテレビ

 

そこで取り上げられていたのが日本理化学工業という会社だ。チョークを製造する会社で、国内最大のシェアだそうだ。会社概要はさておき、この会社の最大の特徴が、多くの障害者を従業員に抱えて発展してきているということだ。全社員85名中63名、約7割以上が知的障害者で構成されている。

 

番組では、この会社が何故、どのようなきっかけで障害者を受け入れるようになったのが、創業者のインタビューも交えながら紹介されていた。

 

さまざまなトラブルを経験している。こういってはなんだけれど、想像に難くない。会社経営という観点からすれば、どうしても困難な部分が生じてしまう。

 

そうした中で、それでも雇用し続けて、なおかつ利益を上げ続けている。

 

何故か?

 

答えは単純だった。障害があるから普通なら出来ることが出来ない、だから排除する、という考え方に帰属させるのではなく、その人がどうすれば出来るようになるかを周囲の人が考え、そのための道具を考案したり環境そのものを変えたりする。

 

そうすると、出来なかったことが出来るようになる→周囲から認めてもらえる→自分が役に立てていると感じる→嬉しい→もっと貢献したい→頑張る→結果が出る、という流れが出来上がる。

 

2月24日のブログ(「発達障害を有する学生の実態と移行問題」)で書いた「医学モデル」から「社会モデル」へのパラダイムシフトの典型例と言えよう。

 

取組内容については会社ホームページにも詳細が記されている。

障がい者雇用の取り組みについて/日本理化学工業株式会社

 

教育研究に携わる者として、この取組にとても感銘を受けたと同時に、学校の中でこうした障害を持つ子ども(障害を持たずともマイノリティとして生きづらさを感じている子ども)が幸せに学び成長していける環境をどうすれば作っていけるかを考え、実践していかないといけないと強く感じた。

 

多様性の理解、多くの教育機関が目標の一つに掲げているけれど、どこまで出来ているのだろうか。

 

例えば、具体的な例で言うと、自身が関わっている中学、高校、大学の教員あるいは学生から、「障害を持つ学生や協同作業に支障を来す生徒・学生がいるためにアクティブラーニングなどグループワークが上手くいかない、別々にした方が良いのでは、関われない子は仕方ないのでそのまま進めて良いか、そうしてはいけないのか」という声を聞くことが少なくない。

 

僕はこの答えに迷うこともあった。もちろん、大筋として、上記のような対応についてはNOというのが回答だ。

 

何のためのグループワークなのか。社会に出れば色んな人と協同しながら仕事を進めないといけない。自分がやりやすい人とだけで出来る仕事なんて存在しない。色んな人がいるから、色んな考えが知れるし、新たな発見も出来る。その楽しさを体験して、多様性という渦の中に飛び込んで欲しい。

 

こうした経験をたくさんさせてあげるのが教育機関の役割なのだと思う。そんな子どもたちが社会に出て、日本理化学工業のような会社を創っていってくれればどんなに明るい幸せな社会になるのだろう。

 

経済成長という切り口だけで突っ走って息切れして疲弊感が蔓延する中で、さらに業績主義や管理主義が徹底されていく現状を打開するのは、上記のような思想に基づく教育の創造なのではないだろうか。

 

つい堅苦しく大袈裟な話に広げてしまったけど、要はとっても感動したという話。

 

小さな声でも一歩ずつ自分に出来ることを精一杯やっていこう。

 

行ってきました!アーカイブス展☆

昨日は久々のオフ。

 

ということで、今週11日(水)から大阪で始まった「ウォルト・ディズニーアーカイブス展」に行ってきました。

 

ウォルト・ディズニー・アーカイブス展 ~ミッキーマウスから続く、未来への物語~| 大丸ミュージアム<梅田>

 

何を隠そう大学教員界でも屈指のディズニー好きのわたくし。国内外のパークやキャラクターはもちろん、映画や音楽、ミュージカルまで何でも好き。研究室にもグッズがたくさんあります。でも、もう5ヶ月近くパークに行けていないので、禁断症状が出ている今日この頃。

 

先日、ディズニーチャンネルで録画していたD23 Expo Japan 2018の特番で、その会場で販売されていたグッズも販売されるアーカイブス展があるとの情報を得て、心待ちにしていました。

 

最初の週末だけあってそれなりに人は多かったものの、ゆっくり観ることが出来ました。いつ触れても、ディズニーの素晴らしさ、それらをゼロから創りだしたウォルトの偉大さを感じずにはおれません。

 

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(ウォルトの仕事部屋)

 

グッズもいっぱいあって、悩みに悩んだ末、これぐらいで我慢しました(๑ ́ᄇ`๑)

 

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(戦利品)

 

今日からディズニーランドは開園35周年。テーマは「Happiest Cerebration!」。長らく楽しませてくれたデイパレードの「ハピネス・イズ・ヒア」も幕を閉じ、「ドリーミング・アップ」がスタートするし、新しい企画も目白押し。

 

これはもう行くしかないですね!

(いつ行けるかなぁ、、)

 

ウォルトのように夢を与える仕事がしたいなぁと、現実の仕事との距離の大きさに遠い目になりつつ、上を向いて歩いていこう!

山田研究室、始動です!

今日は、2018年度の山田研究室の顔合わせ会を開きました。

 

立場上、高等教育研究開発推進センターで学内の教育改革・改善支援を行うことと、教育学研究科の高等教育学コースで大学院生の教育・研究指導を行うことの2つのミッションを有しています。

 

これは、今まで勤めてきた島根大学愛媛大学の大教センターでは得られなかった経験で、教育開発と研究指導を架橋し、これからの大学教員を育てるという意味でも大切な役割を担っていると考えています。

 

うちの研究室は、私自身の研究のスタンスとも関係して、実践に根ざした研究、実践への還元を意識した研究を志向する学生が多くなっています。

 

結果的に、大学で外国語教育を専門とする教員や看護教育に携わる教員、ファシリテーションに携わる専門職員など社会人経験者も多く、また、経済学を専攻してきた院生やリーダーシップを学んできた留学生など、本当に様々なバックグラウンドを有した方が集まります。

 

なので、研究室のメンバーには大いに知的交流を行って、互いに高めあって欲しいと思います。変な囲い込みは嫌いなので、学会など積極的に外に出て、発表して、コメントをもらって、大いに凹み、悩み、もがいて欲しいです。

 

将来的に研究者にならないにしても、その過程で得られることは大きいし、そうなるように研究室運営を行っていきたいと思っています。また、自分もその渦の中に入ってともに成長できれば嬉しいです。

 

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そんな研究室で学んでみたい方、山田までご一報を。

 

改めて、2018年度、気を引き締めて頑張るぞ!

科研費、無事に採択されました!

3月も矢のごとく通り過ぎて、気づけば新年度を迎えてしまいました。

 

自身が主担当の文科省補助事業(IR/アセスメント関係)がこの3月までだったこともあり、通常の慌しさに加えて、相当バタバタしておりました。

 

おかげで楽しくやっていたブログをアップすることもままならず、すっかり開いてしまいました。

 

さて、新年度早々に私たち研究者をソワソワさせる案件の1つが、日本学術振興会 科学研究費助成事業(科研費)の採否通知です。

 

今回、代表(基盤C)で出していた研究課題が無事採択されたようです。

 

大学からの連絡はまだですが、e-Radにログインして申請者向けメニューを見ると、採択されている研究課題には課題番号が振られていて、それで採否を確認できます。

 

研究課題名は、「学生エンゲージメントを高める教授・学習環境に関する総合的研究」(H.30〜H.32)です。

 

昨年度の前期に名古屋大学の客員教員で数日間滞在し、招聘セミナーを行ったことを契機に、以前から取り上げてきたテーマである「学生エンゲージメント」についてより深く探究すべく研究を行ってきました。

 

その後、このテーマでいくつか講演を行ったり、以下の2本の論文を執筆して、この3月に刊行されました。

 

 

この流れの中で新規に作成した科研申請だったので、どうなるかドキドキでした。ここで科研費を受けてさらに研究を進めて、その成果を書籍化する、という計画を立てていたので、その実現に向けて動けそうなので良かったです。

 

自身のテーマでもある「研究と教育開発」「心理学と高等教育」「人材養成と社会貢献」の有機的な連環を図りながら、次世代を担う若者の社会創造と幸福(感)の実現に寄与していきたいと思います。

 

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移行においてギャップは不要か?

かねてより感じていることですが、学校間あるいは学校から社会への移行(トランジション)において、ギャップは不要でしょうか?

 

たとえば、小1プロブレムや中1ギャップ、高1クライシスなど、学校種の変化(移行)に伴って生じる様々な問題を表す俗語があります。

 

高校から大学にかけて同様の表現はありませんが、昔から新入生の「5月病」や「燃え尽き症候群バーンアウト)」などは言われてきましたし、中退の多くは1年次だったり、その原因としての学校不適応を体験するのもこの時期だったりと、移行に伴う問題は指摘されています。

 

近年の教育改革、特に高大接続改革などでは、高校と大学とが一体的に改革に臨むことが推奨されています。

 

教育現場でも、「学習(者)中心」(「学生中心」という表現は好まない)というコンセプトのもと、高大接続においてギャップを埋めるべく、丁寧な支援活動や初年次教育などの教育活動が行われています。

 

先の記事でも、障害における「個人モデル」から「社会モデル」へと考え方の転換について書きましたが、大学全体の考え方もそうした転換がなされているように感じます。

 

つまり、学生が抱える問題は、学生個人の問題に帰すのではなく、大学側がその問題を生じさせないよう環境を整える、という発想に立つわけです。

 

そうして、環境整備という名の下で、出来るだけ躓かないように段差を下げたり、目の前の石ころを拾ったりするわけです。

 

確かに、発達障害をはじめ何らかの配慮を必要とする学生への環境整備という点において、これまでの大学が十分に対応してきたかというと、そうではないかもしれません。

 

一方で、人の成長・発達には、ある種の「ギャップ」が不可欠だと考えます。

 

ピアジェの認知発達理論における「同化」と「調節」概念では、人は新たな環境や課題に遭遇すると、自らがそれまでに身につけた行動様式や思考の枠組み(シェマ)を用いて同化(取り入れ)を試みる。それで対応できなければ調節していく。そのことによって新たなシェマを獲得し、発達していきます(均衡化)。

 

ヴィゴツキーが提唱した、子どもが自力で問題解決できる現時点での発達水準と、他者からの援助や協同により解決可能となる、より高度な潜在的発達水準のズレの範囲を示す「発達の最近接領域(ZPD)」や「足場かけ(スキャフォールディング)」も、現代の大学教育の在り方を再考する視点を与えてくれます。

 

いずれも、個人が乗り越えるべき課題がある種のギャップとして立ち現れて、それを教師や大人の教育やサポートの力を借りながら克服する、その関係の在り方を示すものです。必ずしも段差を低くしたり、石ころを取り除いたりして躓かないようにするのではなく、安心して躓けるような環境を創るのが教師や大人の役割だと思います。

 

移行に伴うギャップは、成長・発達の最大のチャンスです。

 

高大接続をはじめとする様々な接続が、こうした移行の大切さを損なわずに実現できるようにしていきたいですね。

発達障害を有する学生の実態と移行問題

今日は、委員を務める日本青年心理学会研究委員会およびワークショップ(WS)に出席・参加しました。(まだ参加中)

 

研究委員会では、長期的テーマ(3年間)と短期的テーマ(1年)を設定し、主にワークショップの企画・開催および学会大会時のシンポジウムの企画・実施(それに伴う調査の企画・実施)に携わっています。

 

2018年から2020年にかけての長期テーマは「青年期から成人期への移行の多様性」、その1年目となる2018年の短期テーマが「発達障害を有する学生の成人期への移行」と設定されました。

 

今回のWSは、その第一弾企画で、研究委員でもある岡山大学全学教育・学生支援機構の原田新先生より話題提供いただきました。

 

自分へのメモも兼ねて、発表内容を整理したいと思います。

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<背景>

  • 高等教育機関における障害学生数は、年々増加しており、最新データ(H.28)で「27,257人(0.86%)」(日本学生支援機構,2017)。
  • 欧米の動向を鑑みると、「障害者差別解消法(2016年4月施行)*1」を契機に、この数は大幅に上昇するだろう。
    *1・・・「不当な差別的取り扱いの禁止」と「合理的配慮の提供」が法的義務。国立大学法人は両方とも法的義務、学校法人では前者が法的義務、後者は努力義務。
  • 21世紀に入り、障害概念が「医学モデル(個人モデル)」(社会に個人を合わせるという考え方)から「社会モデル」(様々な機能障害のある人に合わせて、社会が環境を提供するという考え方)へと転換。

発達障害とは>

  • 発達障害は、「ある」「なし」ではなく、「濃い」「薄い」といった連続体(スペクトラム)として理解する。
  • 「個性」と「障害」を分けるのは、「日常生活で困りやすいかどうか(本人または周囲)」「周囲からの支援が必要かどうか」。
  • 発達障害特性の濃さ(凹凸大きい)」(可変性低)+「環境因子(社会的障壁)」(可変性高)⇒「日常生活での強い困り感(不適応感)」(⇒これが発達障害と言われる)
  • DSM-Vでは、「知的能力障害」「自閉症スペクトラム障害ASD)」「コミュニケーション症」「注意欠陥多動症ADHD)」「運動症」「限局的学習症(SLD)*2」として分類されている。
    *2・・・Specific Learning Disorderの略。聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す(読字障害、書字表出障害、算数障害)。中枢神経系の機能障害。

<大学における発達障害学生の困難>

  • 困難さの種類
  1. 高校までの学校段階とのギャップへの戸惑い、困難
  2. 演習や実習形式の授業(アクティブラーニング)への苦手さ
  3. 少人数ゼミでの人間関係、指導教員との人間関係でのつまづき
  4. 研究でのつまづき
  5. 就活の難しさ
  • 自主性、自立性、自己責任が求められる状況や、自由度の高い状況、課題や指示が曖昧な状況、周囲と協働したり、周囲に頼らないといけない状況、自分自身の適性を見極めることなど、入口・中身・出口と様々な場面・状況で困難さを有している。

<青年期から成人期への移行の難しさ>

  • 元々、自己認知が弱い、他者との関係が希薄、部活・バイト等の経験が少ない。
  • 青年期から成人期におけるライフイベント(就職、結婚、子育て等)でつまづきやすい。
  • 二次障害が重症化しやすく、社会的自立の妨げになりやすい。

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最後に、「発達障害学生の全員がこうした特徴を持っているわけではない」ということを強調して締めくくられました。

 

ラベリングというのは、名称が付与されることによって理解が進み、対策が立てられるという良さがあるものの、それがステレオタイプ(偏見)やバイアス(歪み)につながる恐れもあるので、特にこういう問題は気をつけないといけないですね。

 

青年心理学者としても、高等教育開発者としても、発達障害学生の教育・支援の問題は重要なテーマだと感じています。 

 

特に、授業や支援の現場での対応が急務な中、卒業後の移行(トランジション)まで見据えて彼らの発達を見ていくことはとても重要だし、今後の研究が期待されるところでもあります。

 

一気に問題解決を行うことは難しくても、まずこうした社会的状況や自大学の状況(現状・実態)をきちんと理解・把握すること、そして、授業や研究指導など自分が関わる中で何が出来るかを考え、実践することが大切なんだと思います。 

はじめてのふゆキャン△

週末、妻とキャンプに行ってきました。

 

と言っても、自分たちでテント持っていって、といったがっつりのオートキャンプではなく、最近流行り?のグランピングというやつです。

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元々インドアな二人が、なぜにアウトドア?しかも冬に!?ということなのですが、あるアニメがキッカケでした。

 

それが、今期やっている「ゆるキャン△」(TVアニメ「ゆるキャン△」公式サイト)という作品です。

 

山梨県を舞台にキャンプ好きの女子高生が、冬のキャンプの良さをゆる〜く伝えてくれています。

 

特に、この中で、一人でキャンプ(ソロキャンプ)する子の楽しみ方を観て、「これってインドアやん!」「確かに虫もいないし、空気も澄んでるし、人も少ないし、寒ささえ対策すればめっちゃいいんちゃう!」って思ったのでした。

 

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とは言え、道具は何にもないし、ハマるかどうかも分からないし、、って言うときに、前に利用した温泉施設に確かそんなニーズに応えてくれそうな施設あったな、と思い出したのがグランピングでした。

 

グランピングとは、「グラマラス(魅惑的な)とキャンピングを掛け合わせた造語で、テント設営や食事の準備などの煩わしさから旅行者を解放した『良い所取りの自然体験』に与えられた名称」(グランピングとは|一般社団法人 日本グランピング協会)とのことです。

 

で、その施設というのが、京都府南丹市にある「GRAX」(GRAX グラックス冬キャンプ【公式】カトープレジャーグループ | GRAX グラックス)というところです。「るり渓温泉」(るり渓温泉【公式】カトープレジャーグループ)というなかなかいい感じの温泉施設を併設していて、京都市内から車で1時間ちょっとで行けるということで、以前行ったことがあったのでした。

 

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テントタイプは今の時期お休みだったので、ルミエールキャビンにお泊り。隣の温泉施設も特別追加料金で2日間利用し放題。チェックイン後はまず温泉入ってあったまる♨️

 

夕食は予約時に選んでおいた食材を準備してくれているので、また必要な道具一式も用意してくれているので、自分たちのキャビン横の専用スペースで楽々夕食🍲

 

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真冬の自然の中でのお鍋にビール🍻、格別でした!

 

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夜は焚火🔥を囲んで、ホットコーヒーを飲みながらゆっくりと物思いにふける。

 

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キャビンでも修学旅行みたいに妻と語りふける。とっても贅沢な時間と空間。

 

翌朝は雪の降る中、自分たちで作るハンバーガーを食べる。

 

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チェックアウト後は、再び温泉へ。岩盤浴したり、ランタンテラスでゆっくり本を読んだり。

 

これだけ体験できて、お金もかなりお安めなのが嬉しい♪

 

で、結論。

 

これははまる。

 

今年は、ぼちぼち道具も揃えて、色んなところに行こうと二人決意を新たにするのでした。

 

特に、自分はインドアだし、キャンプは大勢で行くものでしょ、と無縁に思っているみなさまにおすすめです!

高校学習指導要領改訂案をどう理解し、実践するか?

小学校、中学校と次いで、いよいよ改革の本丸である高校の学習指導要領の改訂案が出ました。3月15日までパブリックコメントが募集されています。

 

学校教育法施行規則の一部を改正する省令案及び高等学校学習指導要領案に対する意見公募手続(パブリックコメント)の実施について:文部科学省

 

各種メディアも改訂のポイントを整理しています。

高校学習指導要領改訂案 主な改訂のポイント | 教育新聞 電子版

 

2020年度から導入される新しい大学入学者選抜試験と併せて、2022年度から順次始まる新学習指導要領への対応は、高校にとって大きな変革とチャレンジになります。

 

各教科の内容についての大幅な改訂、選挙権年齢の18歳への引き下げに伴う教科「公共」の新設、「総合的な学習の時間」から「総合的な探究の時間」への変更など、さまざまあります。

 

そうした中で、全体を通底する重要な考え方は、①3つの柱として整理された資質・能力、②その育成のための「主体的・対話的で深い学び」(アクティブラーニング)の実現、③地域等の資源を活かすなど「社会に開かれた教育課程」の実現、④教科横断的な視点や学習成果の測定・評価に基づく「カリキュラム・マネジメント」の実現、の4点にあると思います。

 

なお、これら膨大な「理想」の実現は、教員個人に課せられるものというより、学校全体が責任を持って組織として臨むというスタンスが肝要でしょう。

 

そのためには、アクティブラーニングを例にとっても、以下のような「射程(距離)」と「範囲(拡がり)」の中で、より遠く、より広く捉えて、学校全体で臨む必要があるでしょう。

 

ALの射程(1近い→3遠い)

  1. 入試改革対応
  2. 進学後の学校、卒業後の社会移行への対応
  3. 中長期的な社会変革への対応

 

ALの範囲(1狭い→3広い)

  1. 教授技法として
  2. 学習方法として
  3. 成長・発達論として

 

自分の所属する組織は、ALの射程と範囲をどのように捉えて、この大改革に取り組もうとしている(取り組んでいる)でしょうか。

 

個別事項への個別対応ではなく、全体のグランドデザイン(改革ストーリー)を描いて、より効果的・効率的に取り組むことが大切になります。そのためにも、校長をはじめとする管理職のリーダーシップが、10年、20年後の学校の発展(衰退)を大きく左右するでしょう。

 

今後さらに加速する少子高齢化や、急速に進む人工知能(AI)などの技術革新がもたらす産業構造の変化に立ち向かうためには、生徒・学生一人一人の持つ潜在能力をこれまで以上に引き出していかないといけないと考えます。

 

暗くなる話題が多く、教育に課せられたミッションは重いですが、みなで知恵を出しながら楽観的に乗り越えていければと強く願います。

 

微力ながら、その一助となれるよう精進していきたいと思います。 

未来の大学教員,育ってます!

昨日より,当方が担当する大学院生向けのプレFD科目(「大学で教えるということ」)が始まっています。

 

2月8日,9日,13日の3日間,集中講義形式で,本学の大学院生10名が参加し,最終日の模擬授業に向けて熱心に取り組んでいます。

 

教育学研究科の院生を始め,人間・環境学研究科や地球環境学舎,アジア・アフリカ地域研究科の修士,博士,PDと多様な分野・学年の人が集まって,大学で教えるために必要な知識(アタマ)・態度(ココロ)・技能(カラダ)をがっちり鍛えます。

 

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異分野の院生たちで一つの授業を創り上げて,最終的には模擬授業・検討会を行います。

 

かなりいい授業が練り上げられています。

彼らを見ていると,日本の大学教育は明るいなと思います。

 

本学を修了した院生の多くは,全国さまざまな大学で教員になっていきます。

その意味でも,本学がこのような領域横断的なプレFDに関わることはとても重要だと思います。本当はもっと多くの院生に受講してもらえるといいのだけれど。。

 

彼らの多くは,自分が学んできた大学とは異なる大学・環境の中で教育に携わることになります。

 

戸惑うこともあるかもしれませんが,できるだけリアリティショックを受けずに,現代大学が抱える諸問題をたくましく克服していって欲しいと思います。

 

私自身,そんな思いを持って,授業をデザインして,多くの熱量を投入しています。

 

今日の授業は終了です、と言っても誰も帰る様子はなく、熱のこもった議論が続いています。

 

これこそが最良のアクティブラーニングですね。

 

このプログラムの修了証を持っている院生の教育実践力はかなり高いと思います。

 

人事に関わる先生方,ぜひご一考を!

 

研究上の3つの問い

この時期、修論や博論の提出とそれに伴う口頭試問や公聴会、大学院受験で提出された論文とそれに伴う口頭試験とで、たくさんの論文を読んで、たくさん面談します。

 

関係者のみなさん、お疲れさまです!

 

その過程で色んな分野の先生方ともやりとりをするので、とてもいい勉強になります。

 

また、研究職を目指す大学院生と日々接することは、こちらにとってもいい刺激になります。

 

そんな中で、研究を行う上で大事にして欲しい問いを3つほど紹介したいと思います。細かいテクニックは色々あるわけですが、上記の面談等を通じて、特に研究初期においては意識しておいて欲しいなと思ったので書き留めておこうかと。

 

1. オリジナリティは何か?

色んな先生が最も発している問いです。この問いに応えるのは容易ではありません。そのためには、以下のような点をクリアしないといけないからです。

 

  • 先行研究をしっかり読み込む
  • 自分の研究の位置づけを(多角的・相対的に)明確にする
  • 学術研究の作法を理解し、対応する
  • 研究を通じて得られたこと(成果)と得られなかったこと(課題)を自覚する

 

こうしたことを怠った研究で主張される「オリジナリティ」とは、結局のところ「独り善がり」なものでしかないのです。

 

大体、学生が主張するオリジナリティのほとんどは上記の点がクリアされていない、また、新しいと思っているもののほとんどは先行研究で説明出来てしまうものです。

 

学生はよく「(自分がやろうとしているテーマの)先行研究は少ない」と言います。聞いてみると、ピンポイントのキーワード検索のみで判断していることが多いです。でも、こんなキーワードも関連してるよね、なんて話していくと狭い視野で判断していることに気づきます。

 

とは言え、これは僕らでも難しいことです。

 

京大では早くからこうやってオリジナリティを磨くことの重要性を折に触れて問うています。

 

とどのつまりは、先行研究をめっちゃ読んで、徹底的に考え抜きましょう、ということになります。

 

2. リサーチクエスチョンは何か?

先行研究をたくさん読めばいい研究が出来るかというと、それだけでは十分ではありません。真面目な学生、社会人で学びに来ている学生などに見られがちですが、研究ではなく「お勉強」になってしまっています。

 

たくさん読んで、整理して、書き起こす。大事な作業ですが、その営みを通じて明らかにしたい問い(リサーチクエスチョン)があって始めて研究へと昇華します。僕が修士課程1年の学生に提供している必修科目の序盤では、ここを固めることに力を注ぎます。

 

その手前には、素朴な疑問(臨床的な問い/クリニカルクエスチョン)があり、それをRQの形に絞り込んでいきます。

 

RQが決まれば、自ずと最適な研究方法や分析技法の選択、結果の解釈の方向性も決まってきます。

 

なので、「いいRQ」はいい研究に必要不可欠だと思います。

 

そして、いいRQには、やはりたくさんの研究に触れて、研究の実現可能性や適切性について判断出来ていなければなりません。

 

自分は研究を通して何を明らかにしたいのか。シンプルですが、ここにこだわって見てください。

 

3. 誰に届けたいのか?

もう1つの問いは、その研究を誰に届けたいのか、です。

 

もちろん、純粋に事象を理解・解明したいという場合もあると思いますが、特に僕が関わっている高等教育などでは、とりわけこの問いが大切な気がしています。

 

言い方を変えれば、誰のための研究か、ということも出来ます。

 

「現場の教員のため」という学生は多いのですが、その研究、本当に現場に届くかな?と疑問を抱くことは少なくありません。

 

現場に役立つ研究だけが良い研究でないのは言うまでもないことですが、この問いは、自分の研究を評価・改善する上で大切じゃないかなと思います。

 

少し大げさな言い方ですが、たくさんの研究に触れていると誰に届けたくてこの研究をしているのか何となく分かるようになります。そうやって、論文という成果物を通じて「顔」が見えてくるとワクワクします。

 

そんな研究者を応援したいし、自分もそうありたいなと思います。

 

そんな研究者たちとつながれるといいな。

 

研究に携わる方々に少しでも想いが届きますように。